
ダイスケレツデン~それが棲む俺の家~⑩
最終話
2025年7月6日
施術三日目。
今日が最後となるであろう日。
そこは俺を含めた全員の考えが一致していた。
もちろん、根拠はない。
自分がやれることはすべてやったはずだ。
この2か月間で使った粗塩は10kg以上、清酒の一升瓶は9本空いた。
この日も朝6時に起きて、1階トイレと洗面所の粗塩と清酒を交換し、川に捨てに行った。万全を期したかったから、清酒と粗塩を溶かした水で、床と玄関ドアと1階トイレの壁を拭いた。朝早いとはいえ、この時期はさすがに暑い。1階の全ての床を拭き終えるころには、汗だくだった。1時間以上かけて、2階まで拭き終えた。汗で肌着が体に張り付くので、新しいものに着替えた。
2,3週間前に気づいたことがあった。“それ”に悟られるのは避けたかったから、今日まで誰にも話していない。この家には床下収納が3か所あり、それとは別に24時間換気システムの点検口もあった。“それ”が潜むなら、床下なんじゃないのか。洗面所の黒いシミだって、上からと言うより下から染み出てきているのではないか。と、感じていた。
実は前日、従姉妹と会う機会があり、俺の状況を話していた。そのとき、その従姉妹から、不運続きの知り合いがいて、床下が悪いのではないかと思っているというような話を聞いた。ここで、床下の話が出てくるとは思わなかった。これは無視できないと思った。
だから、今日は窓を全て閉め、床の蓋もすべて外し、全ての部屋と床下でお香を同時に焚こうと決めていた。視える二人なら、何かの変化に気づいてもらえるだろうと。“それ”が嫌がるなら、二人には悪いが何かしらの影響があるかもしれない、俺の勘違いならそれはそれでよかった。
この日は、二人とは別にもう一人ゲストがいた。冴子の知人で、魂に太陽が二つあるのだそうだ。俺の家を見学するらしい。スピリチュアルの教材に使われる家とは、素直に喜んだものかどうか。しかし本人は視えないらしい。太陽があるだけでも凄そうだが、それが二つとは。それもあって、床下でもお香を焚いて、“それ”が潜んでいるのなら床下からいぶりだし、その人のふたつの太陽で追い払ってもらえるのではないかと考えていた。
すると、電話が鳴った。
画面を見るとあゆみからだった。朝LINEを送ったのに、既読がつかないから心配で電話をかけてきたらしい。俺は家の浄化に忙しかったから、スマホを見ていなかっただけだと伝えるとホッとしたようだった。あゆみからは、時間通りに家に着く予定であること、それと太陽が二つある人は来られなくなったと伝えられた。
【マジか。俺の目論見が狂ったな。でも、二人がいれば“それ”の変化は分かる。だめならだめで、もうしばらく浄化の日々を続ければ良いだけだし。まぁ、なるようになるかな】と楽観的に考えた。
9時前に、あゆみからLINEがきた。
『すみません!。10時前になりそうです』
【とことん邪魔するんだな。まあ、いつものことか】なんて思いながら
『おっけ。気を付けて!!』と返した。
結局二人は、10時ちょうどに俺の家に着いた。
まずは3人で、近所の神社にお参りに行く。
さすがにこの日は、たっぷり時間をかけてお参りさせてもらった。
家に入り、俺の作戦を冴子に伝えようとしたら、冴子が
「大輔さん、全部の窓閉めてきて。トイレのドアは開けておいて。今日は、最高級のホワイトセージ持ってきたから。全部の部屋で焚くよ!」と言ってきた。
ちょうど、俺も同じようなことを考えていたから、驚いた。
冴子に言われた通り、全ての窓を閉め、トイレのドアは開けておく。
「大輔さん、火災報知器ありますか?」とあゆみ。
「あるよ。建築基準法で決められているから、居室とかにはあるかな。なんで?」
「煙がすごく出るので、止められるなら停めておいてもらった方がいいかなと」
「そんなに出るんだ。」
「出ます。視界がなくなるくらい、真っ白になりますよ」
「それは、すごいね。電源の落とし方分からないから、鳴ったらその都度止めるよ。」
「じゃ、そうしてください」
ホワイトセージを焚くのは、1階がトイレ前・リビング・洗面所、2階が居室3部屋・階段を上ったところの合計7か所だった。7か所分の香皿はないから、あまり使わない料理用の小皿で代用した。
二人が2階に上がる前に、階段下で手を合わせているのが見えた。階段を上った先には、日光で購入した黒龍の絵が飾ってあった。
【そういえば、以前玄関の絵にも手を合わせていたな。二人にしてみれば、ただの龍の絵ではないんだろうな】と思った。
しばらく手を合わせた後、二人が階段を上っていく。俺は二人についていった。まずは寝室でホワイトセージを焚いていく。
「ちょっと、火のつき悪くない?」とあゆみは冴子に言う。
「うん、ちょっと悪いかもね」と冴子が答える。
見ていると、ホワイトセージの葉に火がついては消えを繰り返している。
業を煮やした冴子は、燃やす葉を皿の中央に集め、点火棒いわゆる柄の長いライターで燃え出すまで火をつけ続けた。葉が全部燃えるが煙はさほど出ない。
「この程度の煙なら、火災報知器は大丈夫だね」と俺が言うと
「これじゃ、全然ダメです。本当は、もっと煙が出ますから」とあゆみが答える。
「そうなの?」
「そうです。ほとんど見えなくなるくらい白い煙がたちこめますから。」
「そうなんだ」
「これは、ちょっと異常ですね」
【ということは、そういうことか。】
邪気が強すぎるということなのだろうと感じた。
2階のすべての部屋で一通り焚いたが、うっすら白くなっているかな程度だった。
「これじゃ駄目だね。もう一回ずつ焚くしかないね」と冴子。
「そうだね」
「私は1階をやるから、あなたは2階をもう一度全部やっておいて」
「うん」とあゆみが答える。
俺と冴子は1階に降りた。
冴子は、必要な場所でホワイトセージを焚き始める。
俺は、床下収納の蓋を外し、収納のケースを外した3か所で樒の線香を焚いた。床下のなるべく奥の方で。換気システムの点検口は、蓋を外し倒れないように壁に斜めに立てかけた。
【仮に床下にもいるなら、燻されて出てくるなら、ここからだろうな。】
なんて、視えもしないのに考えていた。
そして2階にもどり、あゆみがホワイトセージを焚くのを見守ることにした。
「大輔さん、見てください、これ!」
「えっ、何?」
「黒い煙がこんなに出てますよ!」
あゆみが焚いているホワイトセージを見ると、赤い炎の上20cmくらいの高さまで、まっすぐ黒い煙が昇っていた。
「うわー、こんなの見たことないです」とあゆみが言う。
「えっ、そうなの?」
「はい。普通、黒い煙はでないですから」
それだけ、家の邪気が強いということなのだろう。
一気に黒い煙が立ち上り、しばらくして白い煙がモクモクと部屋に充満していく。
【これか。火災報知機を気にしていた理由は】
確かに、狭い部屋の景色が少しずつ霞んでいく。
あゆみは、部屋の状態を見ながらホワイトセージの葉を足していく。
「うん、大丈夫かな」とあゆみがつぶやきながら、次の場所に移動する。
すべての場所で2回ずつ焚き終わった。
黒い煙が立ち上り、白い煙を充満させるのに最も苦労したのは寝室と今は物置となっている子供部屋の2か所だった。
子供部屋は、南東の角に位置しており、陽当たりも風通しも良い。最初の嫁もほとんど入ったことがない部屋だった。だから、ホワイトセージの浄化にこんなにも手間取るとは思わなかった。
ふと思い出したことがあった。ここ2週間くらいの話だが、換気している際中この子供部屋のドアがすごい勢いでバタンと音を立てて閉まったことがあった。部屋のドアは磁石で固定されているだけだから、強い風でも吹いたのかなとそのときは思った。結局、この2週間で合計4回子供部屋のドアが閉まっているのを見た。
俺とあゆみが1階に降りると、冴子が
「1階もリビング以外は終わったよ。リビングは、どこがいいかな?」とあゆみに聞く。
「本当は中央がいいんだけど、物理的に厳しいから、そこでいいんじゃない」と玄関から入ってくるドアと洗面所の入り口の中央辺りを指さして答えた。
そこで、冴子がホワイトセージを焚き始める。すぐにモクモクと白い煙が立ち始める。
冴子が「大輔さん、数珠とか浄化したいものがあるなら今がチャンスですよ」と言ってきたので、俺は数珠を白い煙にくぐらせた。
しばらく3人で立ち昇る白い煙を眺めたあと、冴子が「大輔さん、もう換気して大丈夫ですよ。」と言ってきたので、俺は2階の窓を開けに行った。二人は1階の窓を開けた。
閉め切った家で作業したせいで3人ともかなり汗をかいていた。そこで施術の前に水分補給とタバコで一服することにした。
すると、あゆみが突然言ってきた。
「そうだ。大輔さん。私の龍、間違ってました。青龍じゃなくて黒龍より上位の白龍でした。黒龍より上位の!」
「えっ、そうなの?てか、そんなことあるの?」と聞き返しながら心では
【なんで黒龍より上位って2回言った?軽くドラゴンマウント取りにきてんじゃん】と思っていた。
「あるみたいです。私も最近、力が上がったみたいで。今までちゃんと視えていなかったみたいです。」
「へぇ、そうなんだ。でも良かったね。白龍とか。すごいじゃん」
「ですよね~!黒龍より上位ですから。ちなみにお母さんも白龍ですよ。」とあゆみはニコニコしながら言った。
自分についているのが白龍でよっぽどうれしかったのだろう。あゆみのマウント取りが止まらなかった。
「それと、お母さんが体調悪かったのは、覚醒するためだったみたいです」
「えっ?さらに覚醒したの?」と俺が疑問に思っていると、冴子が
「そう。クンダリーニ覚醒。私もびっくりして、師匠に聞いたら即答で『それ、クンダリーニ覚醒だね』って言われて。逆にこっちが驚いちゃったよ。でも、今日に間に合って良かった。」
「はぁ、クンダリーニ覚醒ですか。昔、YouTubeかなんかで聞いたことありますけど、すごいんでしょうね。詳しくは分かりませんが」
「そうだね。私の場合は、以前より上位の存在としっかり対話ができるようになったかな。だから今日は、大輔さんの黒龍としっかり対話して、これからどうしていけばいいか聞こうと思うんだよね」
「はぁ。そうなんですね」と答えはしたが、不安はあった。あのめちゃくちゃ痛い施術に比べれば、まだましだが。
冴子が言っているのは、俺の黒龍と対話して今後の方針を決めるということなのだろう。しかし俺の第一の目標は、“それ”を家から追い払うことだ。
【ということは、今日“それ”を追い払うことは厳しいのではないか。また1か月、浄化の日々が続くのか。自分のことだから続けてきたが、それなりにしんどいぞ】と少し不安に思っていると、察したかのように冴子が続ける。
「大輔さん、安心して。今日は師匠から黒龍を借りてきたから!」
「えっ!龍って貸し借りできるんですか?!」
「あっ、普通はできないよ。でも師匠に、今日大輔さんに会う話をしたら『ウチの連れて行っていいよ』って貸してくれたから。だから、安心して」
「そ、そうなんですね。てか、ずいぶん軽く貸してくれるものなんですね」
あとから冴子に聞いた話だが、冴子の師匠は、人間好きな黒龍が人間として転生してきたものらしい。そして、今回貸してくれた黒龍は、そのツガイで人間がそこまで好きではないから龍のまま現世に付いてきたのだそうだ。そういう関係性があるから、貸すことができたのだろう。
3人ともタバコを吸い終わったところで、冴子が
「じゃ、はじめましょうか」と切り出した。
いつもどおり、俺はリビングに敷かれたマットに移動する。
「大輔さん、マットの上に普通に座ってください」とあゆみに指示される。
「これでいい?」と俺は体育すわりをする。
「それで大丈夫です。じゃ、はじめますね」とあゆみは言いながら、俺の背中に両手を置く。
フゥーと深く息を吐いているのが分かる。
不動明王を降ろしているのだろう。
あゆみの手が熱いのを感じる。
何回か俺の背中をさする。
そして、シュッシュッっと何かを払いのけるように手をすばやく動かす。
この動作を数回繰り返したところで、「大丈夫です」と言った。
【ん?なんか今日はいつもより早いな。俺の中の邪気が薄まってきているのかな?】なんて思っていると冴子が
「じゃ大輔さん、今日は大輔さんの黒龍と対話をします。黒龍が言ったことを私の口から伝えます。ただ、この状態の時は私の記憶に残らないことが多くて、何を言ったか覚えてないから。あーすけ、あんたが私の言ったことを残らずメモして。」とあゆみに指示を出す。
「わかった」とあゆみは応え、事前にメモ用紙代わりに渡していた便箋と自分のペンを用意して、マットの隣のテーブルの前に座った。
「それじゃ、大輔さんは仰向けになってください」と冴子が言う。
「分かりました」といいながら、俺は仰向けになった。
すると、冴子は俺の目から頭にかけてタオルを置き、頭を両手で軽く包んだ。
その瞬間。
バタンッ!!
1階で大きな音が鳴り響く。
さすがに驚いた。家の中でこんなに大きな音をたてるものなどないからだ。
可能性があるのは、壁に立て掛けておいた床下の蓋が滑り倒れるくらいだろう。
にしても、これほど大きな音は出ないはずだ。
冴子とあゆみがクスクスっと笑っているのが分かった。
ということは、“それ”の仕業なのは間違いなさそうだった。
こちらの邪魔をしているのだろうかとも思ったが、二人がクスクス笑っていたから、そうではない気がした。
そのまま冴子と俺の黒龍との対話が始まっていく。
しばらくすると、冴子が独り言のように話し始めた。
その内容は次のとおりである。
・俺の龍(以下疾風という)は、戸隠神社か奈良のあたりのしめ縄を施された大きな岩のある洞窟の中にいる
・そこに疾風の本体がいるから、俺がそこに迎えに行く
・昔から俺と繋がっている龍だから、俺が行けば分かるはず
・俺の前世は、武将か位の高い坊さんで、そのとき龍を信仰していたが首を切られている
・俺はもう一度、国造りをしなければならない
・疾風は大岩のある洞窟に閉じ込められており、それは俺自身が前世で封じてしまった
・疾風が解き放たれると、それに続いて他の龍たちも目覚めていく
というようなことを、冴子は俺の頭からつま先まで触れる間につぶやいていた。
【まてまて、疾風を解放しに行くのはいいが、場所なんてわからないぞ。しかも龍と縁のある洞穴なんて日本中に結構あるし。その場所に行って、分からなかったらどうしよう!】
なんて、考えていると
「大輔さん、終わりました。もう大丈夫です。」と言った。
「あっ、ありがとうございます。」
「ゆっくり、起きてくださいね。」
「はい。ん?もう大丈夫なんですか?」
「ええ、大丈夫です。もう、悪いものは近寄れませんよ。」
と冴子は笑顔で言う。
「えっ?俺の黒龍の本体を迎えに行かないといけないんですよね。」
「えっと、もう出てきました。」
「迎えに行ってないのに?」
「はい。借りてきた師匠の黒龍が大輔さんの龍に、自分の力で出られるんだから出て来いって言ってくれて。そうしたら、自分で出てきてくれましたよ」
「はぁ、そうなんですね」
疾風を封印した場所が分かるか不安だったから、正直ほっとした。
俺のふがいない状況を察してか、それともそんな悠長なことを言っている場合じゃないからなのか分からないが、冴子の師匠の黒龍には感謝しかない。
「でも、生霊は?」
「出ていきましたよ。だからもう大丈夫」
「えっ、本当ですか!どうして?」
「あー、えっと、施術を始めたタイミングで、師匠の黒龍が家の中に入ってきて、生霊はいられなくなって出ていきましたよ。はじめに大きな音がしたでしょ。あのとき。」
「あっ、そうなんですね」
「じゃあ、お塩とお酒は?」
「もうやらなくても、大丈夫です。」
と、冴子がきっぱりと言った。
「一応、粗塩と清酒で家の周りに結界は張っておいてね。時計回りに一周すればいいから」
これが、最後の仕事だろう。
ホッとした気持ちと拍子抜けした気持ち、半々だった。
結局、俺がしたことと言えば、家の換気と粗塩と清酒の交換だけだったからだ。
まあ、毎朝早い時間に近くの川に通いもしたが。
それと、神社仏閣のお参り。
ここで、施術の最初に鳴った大きな音の原因が気になったので見に行って、驚いた。
確かに、倒れていたのは床下収納の蓋だった。
しかし、倒れ方が想像とは逆だった。
床下収納の蓋は、滑り倒れたのではなく、立て掛けたのと反対の方向にひっくり返っていたのだった。
重厚な造りの蓋は、それなりに力をいれなければ、このような倒れ方はしない。
視ることのできない俺でも、ありがたいことにはっきりと不思議な力の存在を視認することができる終わり方だった。
二人に確認すると、“それ”がこの家にこれ以上いられなくなり、最後に捨て台詞的な感じで倒していったとのことだった。
何とも、あっけない生霊の最後だった。
霊能力者に特級呪霊とまで言わしめ、俺の体を真っ黒になるまで浸食した“それ”は、あっという間に俺の家から追い出されたのだった。
追い出してくれたのは、おそらく冴子が借りてきてくれた師匠の黒龍だろう。
エピローグ
“それ”が出て行ったと言われた日から、1か月たった。
不思議なことに、咳が全く出なくなっていた。
そして、俺の周りで家鳴りがすることも。
朝活代わりの粗塩と清酒の交換も、もうしていない。
見える世界が変わったかと言われれば、今まで通りだと思う。
変わったことと言えば、ぐっすり眠れるようになった。
以前は尿意をもよおしたわけでもないのに、夜中に2,3回は必ず目が覚めていた。
今は、寝付けばほとんど朝まで目が覚めない。
生霊が出ていったと言われた後、不安があったので、あゆみと冴子にもう一度家を視てもらった。
二人には、『もう大丈夫。いないね』と言われ、安心した。
それと、俺と最初の嫁に憑いている呪術師は、遠い昔、俺が坊さんだったころに戦っていた因縁があり、あゆみと冴子も当時の仲間だったが、殺されてしまったとも。それはそれで複雑な気分になった。
ふと、玄関に飾ってある双龍の絵が気になった。
最初に聞いた話だと、あゆみが青龍で冴子に白龍が付いているということだったが、結局あゆみも白龍だった。偶然かもしれないが、二人と出会う前に俺自身の心を守ってほしくて二体の白龍の絵を買ったが、10年以上前からこの日が来るまで、二人の二体の白龍が俺を守ってくれていたのだろうか。ずっと昔から龍に守られ導かれていたような気がした。
俺には、龍使いとしてお役目があると言われた。
これから俺に何を成すことができるのかは分からない。
それでも、今の自分があるのは、俺の目には視ることができない多くの存在のお陰なのは分かる。
そして、俺の周りの多くの人間のいろいろな影響を受けながらここまで成長することができた。
これまで出会ってきた、ありとあらゆる存在には感謝しかない。
だから、と言うわけではない。
この日本が好きだから。
外国の影響をあまり受けていないころの日本が好きだから。
日本人が日本人らしく生きていける日本が好きだから。
日本国土の再興のために、できる限りのことをしようと決めた。
わくわくしてしまったからというのが本音かもしれないが。
今やっと、気づくことができ、扉の前に立つことができた。
これは何世紀も前から続いている俺とその仲間たちの魂の話。
力強くその扉を押し開ける!
ここから俺たちの物語は始まる。
ダイスケ列伝!