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ライブチケット収集の楽しみ方

    はじめに

    ライブが終わり、駅へ向かう人の流れの中で、ポケットに入れたチケットへふと触れる。開演前には入場するために必要だった一枚が、終演した瞬間から、その日の時間を残すものへ変わります。

    紙には、公演名、日付、会場、座席や整理番号が残っています。数年後に見返すと、ステージの演出より先に「この日は雨だった」「仕事を早めに切り上げて向かった」「初めて一人で遠征した」といった周辺の出来事まで思い出すことがあります。長年ライブの半券を保存している人の記録でも、一枚ずつ見返すうちに、初めて行った公演や当時の行動までつながっていく様子が見られます。

    ライブチケット収集は、コンサートやライブへ参加したときの紙チケット、半券、電子チケットの券面などを残し、公演ごとに整理していく趣味です。昔の使用済みチケットを集める方法もありますが、この記事では、自分が実際に参加したライブの記録を中心に、紙と電子の両方を残していく楽しみ方を扱います。

    今は電子チケットで入場する公演も多く、必ず紙が残るとは限りません。イープラスの「スマチケ」のように、スマートフォンのアプリへチケットをダウンロードして入場する仕組みも一般的になっています。一方で、公演後の思い出を残せる電子チケットサービスもあり、チケット収集そのものがなくなるというより、残すものの形が少しずつ変わっている時期と考えたほうが自然です。

    月に何枚も増やす必要はありません。年に4回ほどライブへ行き、そのたびにチケットや券面を残し、月末や季節の変わり目に30分ほど整理するだけでも一冊はゆっくり育っていきます。ライブへ行く回数とは別に、「終わった公演をもう一度眺める時間」が生まれるところが、この趣味のおもしろさです。


    収集全体の記事はこちら

    まず知っておきたい基本情報

    ライブチケット収集だけに使う時間は、それほど長くありません。公演後にチケットや電子券面を保存するだけなら5〜10分、数公演分をファイルへ入れ、写真や短いメモまで整理するなら30〜60分ほどあると落ち着いて楽しめます。

    ライブそのものへ参加する日は、2時間前後の公演でも移動、入場待ち、開演前、終演後を含めれば4〜6時間ほどになることがあります。遠方の公演なら一日、場合によっては宿泊を伴うため、収集時間とライブへ行く時間は分けて考えたほうが分かりやすくなります。

    この記事では、年4回ほど有料ライブへ参加し、その記録を残す場合を一つの標準シナリオにします。これは全国平均ではなく、毎月ライブへ通わなくても一年の変化を楽しめる頻度として置く目安です。ライブへ行った月だけ整理し、何もない月には以前のチケットを見返すという続け方でも十分です。

    収集そのものは一人ででき、天候にも左右されません。必要なのはチケットを保管する小さな場所と、電子券面を残す場合のスマートフォンやパソコンくらいです。最初から専用棚を作らなくても、小さなファイル一冊から始められます。

    初期費用は、手持ちのチケットから始めれば500〜3,000円ほどが一つの目安です。ファイルやリフィル、記録用のノートなどを用意する程度で、収集のためだけに高価な道具を買う必要はありません。

    一方、ライブ鑑賞費は別に考えます。この記事では一公演のチケット代を8,000〜15,000円程度とした編集上の例を置くと、年4回で32,000〜60,000円ほどになります。実際にはアーティスト、公演規模、座席、手数料、交通費、遠征の有無によって大きく変わるため、ライブへ行く費用とチケットを保存する費用を分けておくと予算を把握しやすくなります。

    ライブチケット収集では、何を集めるのか

    自分が参加した公演の紙チケット

    一番始めやすいのは、自分が実際に入場した公演のチケットや半券を残す方法です。公演名だけでなく、日付、会場、座席や整理番号が入っているため、一枚だけでもかなり具体的な記録になります。

    同じツアーへ複数回行った場合も、それぞれ残して構いません。東京と大阪、初日と最終日、ホールとライブハウスでは、同じ曲を聴いたとしても一日の景色は違います。並べてみると、一つのツアーを自分がどのように追いかけたのかまで見えるようになります。

    古くから半券を保存している人には、写真アルバムへ貼る、チケット用ファイルへ入れる、年ごとにまとめるといった方法が見られます。1980年代からのコンサート半券を写真アルバムに残してきた記録もあり、数十年単位で続けると、その時代のチケットの形まで一緒に残っていきます。

    電子チケットの券面

    紙が発券されない公演では、電子チケットの画面そのものが記録になります。ただし、入場方法やスクリーンショットの扱いはサービスや公演によって異なります。

    実際に、スクリーンショットでの入場を認める公演もあれば、公式アプリやログインした画面の提示を求める公演もあります。「保存した画像があるから当日も入れる」とは考えず、入場時は必ずその公演の案内に従います。

    収集用として残すなら、入場を終えたあとに公演名や日時が分かる券面を保存する方法があります。サービスによっては公演後も記念券面や入場スタンプなどを見返せる仕組みが用意されており、紙の半券とは違う「デジタルの半券」として楽しめます。

    昔の使用済みチケット

    自分が参加した公演だけでなく、好きなアーティストの過去の使用済み半券を集める方法もあります。デビュー当時の小さなライブハウス、昔のホールツアー、現在は名前が変わった会場など、一枚から活動の歩みが見えてくることがあります。

    ただし、現役の入場券と収集用の使用済み券は分けて考えます。初心者なら、まず自分のチケットを数枚残してみて、「券そのもののデザインを集めたいのか」「自分のライブ記録を残したいのか」を確かめてから範囲を広げるほうが迷いません。

    ライブチケット収集にかかる費用

    手元にある半券から始める場合

    昔のライブチケットが財布、箱、CDの間などに残っているなら、それだけで始められます。最初に必要なのは、小型のアルバムやファイルくらいです。

    文具店や雑貨店にはカード、写真、チケットなどを入れられるポケット式のファイルがあります。形が一定ではないので、先に数枚のサイズを測り、それから収納用品を選ぶほうが無駄がありません。

    初期費用は500〜3,000円ほどで十分です。大量のリフィルや装飾用品を一度に買わず、まず20〜40枚ほど収まるものを使い、実際に増えてから次を考えます。

    これから参加するライブを残す場合

    ライブチケットを増やすためだけに公演へ行く必要はありません。もともと観たいライブへ出かけ、その記録として一枚を残すなら、収集によって増える支出はほぼ収納用品だけです。

    年4回参加する想定なら、一年で増える記録も4公演分です。紙チケット、電子券面、写真、短いメモを一公演ごとにまとめても、大きな収納場所は必要ありません。

    むしろ注意したいのは、収集を始めたことで「チケットを増やしたいから公演を増やす」状態にならないことです。ライブへ行くことと、記録を残すことは別の楽しみとして考えたほうが、一公演ごとの記憶が薄れにくくなります。

    過去のチケットも集める場合

    昔の使用済み半券を購入するなら、ライブ鑑賞費とは別に年間予算を決めます。最初は5,000〜10,000円程度の小さな枠を作り、本当に欲しいものがあったときだけ使う方法でも十分です。

    「昔のものだから」「見かけなくなったから」という理由だけで買うと、あっという間に対象が広がります。好きなアーティストの特定年代だけ、最初に行った会場に関係するものだけなど、自分の収集範囲を決めてから探すほうが、一枚ずつの意味を残しやすくなります。

    ライブチケット収集をおすすめする3つの理由

    1.その日の音だけでなく、会場へ向かった時間まで残る

    セットリストならインターネットで調べられることがあります。公演日程も、ツアー情報を見れば後から確認できます。それでも自分の半券を見返したときの感覚は、単なる公演一覧とは少し違います。

    座席番号を見て「この日はステージが遠かったけれど照明全体がきれいだった」と思い出したり、整理番号から開場前に並んでいた景色が戻ってきたりします。ライブそのものだけでなく、会場までの移動、待っていた時間、終演後の帰り道まで、一枚の周囲へ記憶がつながっています。

    長く半券を保存している人が、日付を調べるためにファイルを開いたところから次々と過去の出来事を思い出したという記録もあります。チケットは詳しい日記ではありませんが、記憶を引き出す入口としては驚くほど情報量の多い紙片です。

    2.アーティストだけでなく、ライブ文化の変化も見えてくる

    古いチケットと最近のものを並べると、最初に気づくのは形の違いかもしれません。デザインされた紙券、コンビニ発券の券、スマートフォンの電子チケットと、入場方法そのものが変化しています。

    2026年には電子チケットが幅広く使われる一方、あえて記念として残せる紙チケットを採用したライブ企画もありました。紙を持ち帰る体験そのものに価値を感じる人がいることを示す例でもあります。

    何年も続けると、アーティストの変化だけでなく、会場名、券面、発券方法、座席の表示方法まで一冊に積み重なります。自分では記録しているつもりがなかった部分まで、あとから時代の違いとして見えてきます。

    3.ライブ後の余韻を、急いで終わらせなくてよい

    ライブの余韻は、終演した瞬間に消えるわけではありません。帰宅してセットリストを聴き直したり、会場で撮った写真を見たり、その日のチケットをファイルへ入れたりする時間も、ライブの続きに近いものがあります。

    実際のライブファンには、チケットだけでなく銀テープや写真、当日のメモなどをまとめて残す人もいます。手帳へ感想を書く、アルバムに半券を入れるといった方法も長く使われています。

    詳しいライブレポートを書く必要はありません。「この曲がよかった」「初めて行った会場」「アンコールが忘れられない」と一言だけ残しておけば、数年後にはその短さがかえって当時の気持ちを思い出させてくれることがあります。

    自分に合う集め方を決める

    最初に決めたいのは、何枚集めるかではなく「どこまでをライブチケットとして残すか」です。一番分かりやすいのは、自分が実際に入場した公演だけを残す方法です。

    これなら、新しい一枚には必ず自分の記憶があります。好きなアーティストが増えても収集範囲が際限なく広がらず、ライブへ行った回数に合わせて自然に増えていきます。

    紙の原物だけを集めたい人は、紙券がある公演だけをファイルへ入れて構いません。ただ、電子チケットが増えた現在では、紙に限定すると自分のライブ履歴に大きな空白ができることがあります。

    そこで、紙は原物、電子チケットは画像として一つの記録にする方法があります。最近は、紙チケットと電子チケット、当日の写真を一緒に整理すること自体を目的にした記録サービスも登場しており、「半券」という言葉の範囲も少しずつ広がっています。

    もう一つ決めておきたいのは、入場者特典や銀テープまで含めるかどうかです。全部を一冊へ入れると厚みが出やすいため、チケットは時系列のファイル、立体的な記念品は別箱というように分けても構いません。

    紙チケットと電子チケットを一緒に残す

    電子チケットの時代になって、以前のように半券を一冊へ差し込むだけでは整理しにくくなりました。けれど、紙がなくなった公演を「記録なし」にする必要もありません。

    電子券面は、公演後に保存できる範囲で画像として残します。そのとき、公演名、日付、会場など、あとで見返したい情報が読める状態にしておきます。

    ただし、入場前のチケット画面には二次元コードや管理情報などが含まれる場合があります。公演前にSNSへ載せたり、人へ送ったりせず、取り扱いは各チケットサービスや主催者の案内に従います。スクリーンショットの扱いも公演ごとに異なるため、記念保存と実際の入場方法は別のものとして考えます。

    電子チケットを紙のアルバムでも見たいなら、公演終了後に個人用の記録として小さく印刷し、ファイルへ入れる方法があります。公式チケットそのものを再現しようとせず、会場名、日付、公演名、自分の短いメモをまとめた記録カードにすると、紙券のページとも自然につながります。

    この方法なら、電子化が進んでも一冊の途中から突然記録が途切れません。紙の時代、コンビニ発券の時代、スマートフォンの時代が同じファイルに並ぶこと自体が、後から見るとおもしろい変化になります。

    初めてライブチケットを収集する日の流れ

    手元に残っている一枚を探す

    まずは新しい公演へ申し込むのではなく、自宅に残っているチケットを探します。財布、机の引き出し、CDやパンフレットの間、ライブグッズを入れている箱などを見ると、一枚くらい見つかるかもしれません。

    折れていても、少し色が変わっていても構いません。その一枚を最初の基準にします。

    公演のことを一度思い出す

    チケットを見つけたら、すぐファイルへしまわず、日付、会場、座席を見ます。何年前だったのか、誰と行ったのか、どの曲が印象に残っているのかを少し思い出してみます。

    記憶が曖昧でも問題ありません。「初めてこの会場へ行った」など、確かに覚えていることだけ残します。後から情報を足せるので、最初から完全な記録を作ろうとしないほうが続けやすくなります。

    チケットを撮影する

    収納する前に、スマートフォンで表面を一枚撮っておきます。印字や紙そのものは年月とともに変化する可能性があるので、状態がよいうちに画像でも残しておくと安心です。

    写真のファイル名やアルバム名は、「2026-08-18_アーティスト名_会場」のように日付を先頭へ置くと、後から時系列で並べやすくなります。

    ファイルへ入れる

    原物にはできるだけ直接のりやテープを付けず、ポケット式のファイルへ入れると位置を変えやすくなります。最初は日付順に並べるだけで十分です。

    特定のアーティストごとに分けたくなるかもしれませんが、数枚のうちは分類しすぎないほうが楽です。20枚ほど集まってから、年別、アーティスト別、会場別のどれが見やすいか考えます。

    一言だけ加える

    余白へ記録を添えられるなら、長い感想より一言から始めます。「初めて一人で参加」「雨の横浜」「最後の曲が印象的だった」といった短さで十分です。

    セットリストを全部書くより、その日だけの出来事を一つ残したほうが、後からチケットを見たときに記憶へ戻りやすいことがあります。

    最初に必要なもの

    最低限必要なもの

    最初は、手元のライブチケット、小型のファイル、スマートフォンがあれば始められます。ファイルはチケット専用品でなくても、サイズの合うポケットがあれば使えます。

    紙券を扱うときは、飲み物を置いた机の上へ直接広げず、手が乾いた状態で触ります。少し折れた券を無理に逆方向へ曲げて直そうとせず、そのまま平らなポケットへ入れたほうが傷めにくくなります。

    あると便利なもの

    枚数が増えたら、差し替え式バインダー、サイズ違いのリフィル、記録用の小さなカードが便利です。公演ごとに会場写真や記念品まで残したいなら、一公演につき一ページを使うアルバム形式も選べます。

    実際のファンの収納例でも、写真用アルバム、ハガキサイズのホルダー、チケット専用ファイルなど、手元の券に合わせてさまざまな文具が使われています。最初から一つの正解を探すより、持っているチケットの大きさと枚数から決めるほうが使いやすくなります。

    続けてから考えたいもの

    保存期間が長くなり、古いチケットや代わりのない券を大切にしたくなったら、保存用途を考えたリフィルや中性紙の収納用品を検討します。

    大容量の棚、何冊もの高価なアルバム、装飾用品などは最初から必要ありません。コレクションがどのような形で増えるのかが分かってから買ったほうが、使わない収納用品を増やさずに済みます。

    紙チケットを長く残すために

    ライブチケットも紙資料なので、長期保存を考えるなら、強い光、高温多湿、急激な環境変化を避けます。国立国会図書館でも、紙を含む資料の劣化要因として温湿度、光、虫、カビ、ほこり、不適切な取り扱いなどが挙げられ、保存容器には外部環境の影響を和らげる役割があるとされています。

    普段の家庭で博物館のような環境を作る必要はありません。窓際へ飾りっぱなしにしない、湿気のこもる場所へ置かない、水回りの近くを避ける、本棚や引き出しの中で安定して保管するといった基本を押さえるだけでも違います。

    お気に入りの券を飾りたいときは、原物ではなく撮影した画像や複製を使う方法があります。紙資料では光への露出を少なくすることが保存の基本とされているため、原物はファイルへ戻し、眺めるためのものと保存するものを分けると扱いやすくなります。

    のり、セロハンテープ、輪ゴムなどで原物を直接固定すると、年月がたってから変色や跡が気になることがあります。長く残したい券ほど、簡単に出し入れできるポケットや保存用の封筒に入れるほうが、あとから収納方法を変えやすくなります。

    安全に続けるために気をつけたいこと

    チケット収集そのものに大きな危険はありませんが、現在のチケットには個人情報や入場に必要な情報が含まれることがあります。未使用の電子チケットや紙券を撮影するときは、二次元コード、バーコード、管理番号、氏名などが写っていないか確認します。

    特に公演前は、「記念に残したい」と思ってもSNSへ券面全体を公開しないようにします。入場を終えた後でも、自分の名前や座席番号まで一般公開する必要はありません。

    古いチケットを購入した場合は、カビ、水濡れ、強い汚れなどを確認します。状態の悪い紙をそのまま大切な半券の間へ入れず、まず別の袋やファイルで状態を見ます。

    そして一番増えやすいのは、紙より支出です。ライブへ行く回数、遠征、グッズ、過去チケットの購入はすべて同じ財布から出ていくため、「収集費」「ライブ参加費」「遠征費」を分けて考えると、自分のペースを保ちやすくなります。

    集める範囲を広げる前に、一度ファイルを見返す

    10枚ほど集まったら、新しい収納用品を買う前に一度すべてを並べます。そこで初めて、自分が何を残したいのかが見えてくることがあります。

    同じアーティストが多ければ、一組の活動を追うファイルにできます。さまざまな会場へ出かけているなら、アーティストより「ライブへ出かけた自分の記録」として時系列に並べたほうがおもしろいかもしれません。

    遠征が多い人なら、チケットと会場だけでなく、鉄道の切符や旅先の写真を一緒に残す方法もあります。ライブ遠征の記録では、演奏だけでなく移動、食事、宿泊なども一続きの思い出として残している例があり、チケットを入口に旅のアルバムへ広げることもできます。

    反対に、「チケット以外を入れると見づらい」と感じたら、余計なものは足さなくて構いません。ライブチケット収集には完成形がなく、見返したときに自分が一番楽しい形がその人の整理方法になります。

    記録は、セットリストだけにしない

    ライブの記録というと、曲順を残したくなるかもしれません。もちろんセットリストも大切ですが、それだけでは何年後かに別の公演と似た記録になってしまうことがあります。

    そこで、チケットの横には「その日だけのこと」を一つ残します。初めて聴いた曲、客席から見えた景色、会場へ着いた時間、アンコール後の気持ち、帰りに食べたものでも構いません。

    電子チケットなら、当日の会場外観や自分で撮影してよい場所の写真を一枚つなげます。ライブ記録用のサービスでも、チケット画像に公演名、会場、座席、写真、一言メモなどを結び付ける形が使われており、券面だけでは残らない周辺の記憶を一緒に置く方法が広がっています。

    公演直後に長文を書こうとすると続かない人でも、一言なら残せます。その一言が積み重なると、何年後かにはセットリストとは違う、自分だけのライブ履歴になります。

    続けるほど変わる五つの楽しみ方

    第1段階:一枚を捨てずに残してみる

    最初は、次に行ったライブのチケットを一枚だけ残します。紙ならファイルへ入れ、電子チケットなら公演後に残せる券面を保存します。

    この段階では、収集テーマも専用道具も必要ありません。数か月後にもう一度その一枚を見て、ライブの日を少し思い出せれば十分です。

    第2段階:数公演を日付順に並べる

    3〜5公演ほど集まったら、日付順に並べます。単独で見ていたときには気づかなかった、自分のライブの選び方が見え始めます。

    夏に多く出かけている、同じ会場へ何度も行っている、思っていたより一人で参加している。チケットは公演の記録であると同時に、その時期の休日をどう過ごしていたかを残すものになります。

    第3段階:自分なりの残し方が決まる

    続けるうちに、チケットだけで十分なのか、短いメモも欲しいのかが分かってきます。電子チケットの印刷を加える人もいれば、紙の原物だけを整然と並べたい人もいます。

    この頃には、収納用品を選ぶ基準もできます。最初に決めた方法へ自分を合わせるのではなく、実際に集まったものに合わせて整理方法を作り直せるようになります。

    第4段階:会場やツアーの変化まで見えてくる

    さらに長く続けると、一枚より複数枚を比べることがおもしろくなります。同じアーティストの数年前のツアーと現在のツアー、ホール公演とアリーナ公演、小さな会場で観た頃と大きな会場へ進んだ後を並べられます。

    自分が何回行ったかを数えることより、その期間に何が変わったかを見る楽しさが出てきます。昔の券面に書かれた会場名を調べることから、その地域のライブハウスや音楽文化へ興味が広がることもあります。

    第5段階:一冊が、自分だけのライブ史になる

    何年も続けば、一冊のファイルにさまざまな時期の自分が並びます。初めて一人で行った公演、遠征を始めた頃、長く好きだったアーティスト、偶然誘われて知った音楽が同じ時間軸に残ります。

    そこまで来ると、珍しいチケットを持っているかどうかはあまり重要ではなくなります。「この一枚を見ると、この日を思い出す」という関係そのものがコレクションになります。

    紙チケットが少なくなっても、その楽しさは残せます。紙、電子券面、写真、短い言葉を使い分けながら、その時代に参加したライブを自分の方法で残していくことが、これからのライブチケット収集になっていきます。

    ライブチケット収集と組み合わせやすい趣味

    推し活(バンド)

    好きなバンドの音楽を聴き、ライブ映像やインタビューを追いながら活動を楽しむ推し活は、ライブチケット収集と自然につながります。チケットが増えるたびに、どの時期の曲をよく聴いていたのか、どのツアーへ実際に足を運んだのかが形として残ります。

    ライブ後にチケットを整理しながら、その日の曲をもう一度聴くのもよい過ごし方です。グッズをすべて集めなくても、参加した公演の一枚だけを長く残すなら、比較的小さなスペースで自分なりの推し活を続けられます。


    音楽フェス

    一日に複数のアーティストを見る音楽フェスでは、一枚のチケットにかなり多くの記憶が重なります。目当ての出演者だけでなく、偶然立ち寄ったステージ、会場の景色、食事、夕方から夜へ変わる空気まで、その日の出来事が広がりやすいのが特徴です。

    通常の単独ライブとは分けて、フェスだけのページを作る方法もあります。チケットや電子券面に、その日特に印象に残った3組ほどの名前を添えておけば、後からタイムテーブルを全部調べ直さなくても一日の輪郭を思い出せます。


    スクラップブッキング

    チケットを整然と並べるだけでなく、写真や短い言葉と一緒に一公演を一ページへ残したいなら、スクラップブッキングと相性があります。会場前で撮った写真、ライブの日に乗った電車、旅先の小さな紙ものなどを組み合わせれば、一枚のチケットから一日のページを作れます。

    ただし、大切な原物へ直接のりを付ける必要はありません。チケットはポケット式ファイルへ保管し、スクラップには複製した画像を使う方法もあります。保存する一枚と、自由に飾って楽しむ一枚を分ければ、あとから構成を変えることもできます。


    初めてなら、次の一公演を一ページに残す

    次の休日にライブの予定があるなら、その一公演だけを残すところから始めます。今までの半券を全部探し出して整理し直す必要はありません。

    公演前に、小さなファイルか封筒を一つ用意します。紙チケットなら折らずに入ることを確認し、電子チケットなら保存用のフォルダをスマートフォンに一つ作っておきます。

    当日は収集のことを考えすぎず、ライブを楽しみます。紙チケットは紛失しない場所へしまい、電子チケットは主催者やチケットサービスが指定する方法で入場します。

    帰宅した日か翌日に10分ほど取り、紙券なら表面を撮影してファイルへ入れます。電子券なら、公演終了後に残せる券面や公式のメモリアル表示があれば保存します。

    最後に「初めてこの会場へ行った」「最後の曲が一番残った」と一言だけ書きます。写真を添えるなら、自分で撮影してよい場所で撮った会場外観など一枚で十分です。

    そこで一度終わりにします。次のライブへ行ったら、同じようにもう一ページ増やします。二枚、三枚と並んだ頃には、最初の一枚だけだったときとは違う楽しさが少しずつ見えてきます。

    まとめ

    ライブチケット収集は、価値の高い券を探し続けることだけが目的ではありません。自分がその場所へ行き、音楽を聴いた時間を、小さな記録として残していく趣味です。

    紙チケットには、公演名、日付、会場、座席などが残ります。そこへ一言のメモや写真を加えると、数年後にはライブそのものだけでなく、会場へ向かった道や、その頃よく聴いていた曲まで思い出せることがあります。

    電子チケットが増え、以前のような紙の半券が必ず手に入る時代ではなくなりました。それでも、券面の画像や公演後の記念表示を残し、紙のチケットと同じ時系列へ加えることで、自分のライブ履歴をつなげられます。

    最初からきれいなアルバムを完成させる必要も、昔のチケットを大量に集める必要もありません。まず一公演を一ページにしてみる。その方法が気に入ったら、次の一枚を加えていけば十分です。

    数年後にファイルを開いたとき、並んでいるのはチケットの枚数だけではありません。小さなライブハウスへ初めて入った日も、遠くまで遠征した夜も、何度も聴いた曲が目の前で鳴った瞬間も、その一枚の近くに残っています。

    休日のよりみち帖について

    「休日のよりみち帖」では、時間、費用、始めやすさ、必要な道具、最初の一日の過ごし方、続けた先にある楽しみまで、さまざまな趣味やレジャーを一つずつ調べて紹介しています。

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    この記事を読んでライブチケット収集が気になった方は、まずは次に参加する一公演のチケットや電子券面を一つ残すところから始めてみてください。ほかの趣味も見てみたい方は、クリエイターページや趣味一覧から、今の暮らしや次の休日に合いそうなものを探していただけます。

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