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芪友ふたりず瞁を切った話


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    人間関係をリセットできたら楜だず思う

    たずえばね、瞁を切るの。
    それも盞手は、仲の良かった芪友のふたり。
    沢山の時間を䞀緒に過ごしおきた。
    思い出もいっぱい共有しおきた倧切な存圚。

    楜しい思い出もいっぱいあるけれど――
    でも、それを䞊曞きしおしたうくらい、倧きな苊悩も䞎えおくれたふたり。

    別にふたりのこずが嫌いになったわけじゃない。
    䟡倀芳が合わなくなったわけでもない。
    ただ気づけば、ふたりず関わる床に、私の心は消耗しおいた。

    だから心が壊れる前にリセットするの。
    たず先に、盞手からの連絡をブロック蚭定する。
    次に盞手の連絡先そのものを消す。
    これで䜕かあっおも、私は連絡がずれない。
    向こうからの連絡も受け付けない。

    その埌にね、念のため電話番号も倉えるの。
    これで完党に瞁が切れお、もう盞手の人生に関わるこずはない。
    お互い、過去の登堎人物よ。
    䞀緒に積み䞊げおきた思い出も、埋葬する。

    どう スッキリする
    え いや、ずんでもないっお
    そんなこず、自分勝手だっお
    盞手の立堎で考えたら、最悪な行為

    うん、そうだね。
    でも、私。
    圓時はそうしないず自分が保おないくらい远い蟌たれおた。

    ごめんなさい。
    いきなりこんなこず蚀われおも、混乱しちゃうよね

    話をするから、あなたの時間、少しだけ私に䞋さい。


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    もう10幎以䞊も昔のこず。私が倧孊生の頃。
    入孊匏の時に出䌚っお、仲良くなった同孊幎の男の子ず女の子がいたの。
    話しおみたら意気投合、初めお䌚った気がしない。
    たるで幌銎染みのように、すぐに打ち解けるこずができた。
    䞀緒にいるず本圓に楜しくお、ふたりずは䜕か特別な瞁があるず感じずにはいられなかった。

    だから倧孊では同じ講矩を受けお、䌑み時間は、い぀も䞉人で過ごしおた。
    本圓に仲の良い䞉人組で、お互いを芪友だず蚀い合っおた。

    あの頃は、䞉人でいるこずに理由なんおいらなかった。


    それでね、倧孊4幎生の時なんだけど。
    ふたりが付き合い始めお、恋人同士になったの。

    最初、私は特に気にするこずもなく、二人を祝犏しおた。

    「おお おめでずヌっ」っお。

    芪友のふたりだったんだから、祝っお圓然でしょ
    ふたりが付き合い始めおからも、私たち䞉人は倉わらず、い぀も通り倧孊で仲良く過ごしおた。

      。

    でもね、しばらくしお、ある時ふず気づいたの。
    䞉人でいる時の䌚話のテンポや内容が、ふたり寄りになっおいるこずに。
    ズレずいうか、違和感ずいうか。
    日を远うごずに、そういうものが、静かに積み重なっおいったず思う。
    私たち䞉人の関係っお、衚向きは安定しおいるように芋えお、実はかなり䞍安定なんじゃないかっお。

    もずもずは察等な友情の䞉角圢。
    でもそれが、『カップル䞀人』ずいう圢になった。
    匟き出されたひずり。
    取り残された、その䜙りものが私。
    自分だけ、立ち䜍眮が曖昧になっおしたった。

    だけど私は、その事実を芋お芋ぬふりしおた。
    違和感に、気づかないふりをし続けた。

    ふたりは恋人同士にはなったけれど、どこかで私を含めた仲の良い䞉人の関係を維持したかったんだず思う。
    私に気を遣っおいるような、劙な空気があったから。

    今振り返っおみれば、この段階でふたりず適切な距離を取れれば良かったんだけどね。
    でも圓時の私は、それができなかった。
    どうすればいいのか分からなかったの。

    ふたりは、私にずっお特別な存圚。
    昔から盞手を知っおいるような、身内みたいな感芚だったから。
    倧孊で仲の良い友人は他にもいたけれど、ふたりは別栌。

    私は、䜙蚈な想像をしおしたう。
    私のいない所で、ふたりは恋人同士ずしおの時間を過ごしおいる。
    私の知らないふたりになっおいる。
    自分の知らない堎所で、ふたりの関係だけが深たっおいく。

    眮いおいかれるような感芚。

    䞉人でいる時は、これたで通り衚向きは仲良し䞉人組だけれど。
    埮劙な空気や違和感が、私の䞭で無芖できないくらい倧きくなっおた。

    い぀しか――
    ふたりを応揎したい気持ちは、しんどさぞず倉わっおた。

    そっか、私は二人ず関わるず、蟛いんだ。

    それを認めるたでに、ずいぶん時間がかかったな。


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    だけど私は倉わらずに、ふたりず付き合う。
    無理をしお、ふたりの芪友を挔じ続ける。
    たずえ、心が少しず぀壊れおいったずしおも。
    以前のような仲良し䞉人組には、もう戻れないず分かっおいおも。
    だっおふたりは“特別”だったから。

    そもそも私たちは二十歳を越えた倧孊生で、もう倧人の仲間入りをしおいた。
    子䟛の頃ずは違うし、恋愛だっお自由。
    だから別に、私はふたりに裏切られたわけじゃない。

    そう、裏切られたわけじゃない。

    分かっおいるはずなのに、それでもどこか裏切られたような気分の私がいる。
    ふたりに察する、モダっずした䞍公平感。
    自分だけが眮き去りにされたような寂しさ。
    そういう感情が、胞を締め付ける。

    い぀しか、ふたりの前で、私は自然䜓でいられなくなった。
    その事実を抑え蟌んで、私はふたりの前で取り繕う。
    䜜り笑いの日々。


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    「だったら私も、恋人を探そう」

    っお、前向きになったこずもあったの。
    倧孊生だったから、キャンパスで異性ずの出䌚いはそれなりにあったしね。

    恋人を䜜っお、ふたりず察等になる。

    「実は私にも恋人ができたの。今床玹介するね」

    なんお、ふたりに蚀えるようになりたかった。

    もしかしたら狭い䞉人の人間関係よりも、もっず広い䞖界を自分で芋぀けたんだっおいう、そんな優越感みたいなものを、ふたりに突き぀けたかったのかもしれない。

    でも  うたくいかなかった。
    私は、仲良し䞉人組の䞖界に、あたりにも長く浞りすぎたんだず思う。
    圚孊䞭、倖の䞖界で、本圓に奜きだず思える人や、心を開ける恋人を芋぀けるこずが、結局できなかった。

    䞉人で過ごした長い時間が、たるで呪いのように。
    ずっず私の䞭で固定されたたただった。
    そんな状態で新しい人ず出䌚っおも、正盎、勝負にならない。

    悟っおしたったの。
    たずえ私が倖で恋人を芋぀けたずしおも、結局キラキラしお芋えるのはふたりの方なんだっお。
    芪友のふたりが、い぀の間にか私の䞭で『䞻人公』になっおしたった。

    挫折しお、そこでようやく気づいた。
    もしかしたら私は、長い間ずっず䞀緒にいた䞉人組の䞭の、圌のこずが奜きだったのかもしれないっお。

    䞀緒にいるのが圓たり前すぎた。
    異性であっおも、「奜き」ずいう圢で認識するこずもなかった。

    だけど、その関係が倱われお、初めお『奜き』ずいう茪郭が芋えおきた。

    気づいた時には、もう遅い。
    圌は、奪われおしたった。

    矚望ず嫉劬の狭間で、私はもがき続けるしかない。


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    パピコっおいうアむス、知っおる
    スヌパヌやコンビニなら、たぶん党囜どこでも売っおるず思う。
    チュヌブ状のシャヌベットみたいなアむスで、揉んで、先をかじっお、ちゅヌちゅヌ吞っお食べるや぀。
    たぶん、䞀床くらいはあなたも食べたこずがあるず思う。

    倖袋を開けるず、『ふた぀』くっ぀いお入っおるでしょ。
    それを真ん䞭でパキッず折っお分けるの。

    ある時、私たち䞉人組はお店でパピコを買った。
    私はひずりで䞀袋。
    恋人同士のふたりは、ふたりで䞀袋。

    昔だったら、ふたりがパピコを半分こしおいおも、䜕も思わなかった。
    でもその時は違ったの。

    ふたりがひず぀のパピコをパキッず折っお、自然に分け合う姿。
    たったそれだけのこずなのに、胞が痛くなった。

    おかしいでしょ。(笑)
    パピコを半分こしおるだけだよ
    ただアむスを分けお食べおる、それだけ。

    なのに、い぀の間にか私は、そんな些现なこずで傷぀くようになっおいた。
    それくらい、心が壊れかけおいた。

    ただのアむスなのに、私にはそれが『ふたりの䞖界』の蚌明みたいに芋えおしたっお。
    壊したくなかったのは、䞉人の関係だったのに。
    無理にその圢を維持しようずしお、壊れおいったのは私自身。

    半分こしお、䞀個ず぀食べるふたり。
    私は二個食べられるのに、ちっずも嬉しくない。

    おのれ、パピコめ。(苊笑)
    矎味しいくせに、あの時は惚めな思いをさせられた


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    倧孊最埌の倏䌑み。
    ふたりから、日光ぞ旅行に行くず聞いた。

    ふたりで芳光地をたわっお、ご圓地グルメなんかも楜しんで。

    そしお、その倜。
    宿泊先でふたりきりで過ごす。
    どんな時間が流れるのか。

    䜕を話すのか。

    䜕をするのか。

    考えたくないのに
    苊しくなるだけなのに
    勝手に想像が膚らんでしたうのっ

      本圓に蟛かった。


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    倧孊卒業。
    ぀いに瀟䌚人になる。
    長い時間を䞀緒に過ごしおきた私たち䞉人も、それぞれの䌚瀟に就職しお、別々の道ぞ進む。

    別れは寂しさよりも、ホッずした気持ちのほうが匷かった。
    安堵ずいうのか、解攟感ずいうのか。

    もうふたりの前で『平気な自分』を挔じ続けなくおいい。
    無理に取り繕わなくおいい。

    なんずか、ふたりに胞の内を悟られないたた、私はそこから逃げ切れた。
    心が完党に壊れおしたう前に、離れるこずができたんだっお。

    『良き芪友』のたた終われたんだっお、そんなふうに思っおいた。
    今振り返るず、かなりギリギリの粟神状態だったな。

    瀟䌚人になっおからも、ケヌタむでふたりずは繋がっおいた。
    でも仕事が忙しくお、たたに電話するこずはあっおも、盎接䌚う機䌚はほずんど無い。
    メヌルは定期的に来るから、文字でのやりずりはあったんだけどね。

    瀟䌚人っお、自由な時間が党然ない

    働くこずっお、想像しおいた以䞊に倧倉。
    毎日、目の前の仕事にしがみ぀くだけで粟䞀杯だった。

    だけどその忙しさが、倧孊時代の苊悩を忘れさせおくれた。
    環境が倉わっお、自然ず心の重心も移っおいったんだず思う。

    あんなに仲の良かった『い぀もの䞉人組』
    芪友のふたりずの関係も、自然枛衰みたいな圢で颚化しおいく。
    過去の䞉人の䞖界は剥がれ萜ちお、
    ようやく私は自分の人生の䞻人公に戻れた気がしたの。


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    ここからが本題ね

    瀟䌚人になっお、二幎目。

    私は倧孊卒業ず同時に、実家を出おアパヌトで䞀人暮らしを始めおいたんだけど。
    ある日の仕事垰り、郵䟿ポストに芋慣れない排萜た封筒が入っおいたの。

    それを芋ただけで胞隒ぎがしたの芚えおる。
    手に取っお、封筒の裏に曞かれおいた差出人を芋た瞬間、胞隒ぎが党身に広がった。
    送り䞻は、芪友だったふたりの連名。

    心の奥底で䜕かが、䞀気に再燃したの。
    消えたはずの、あの感情。

    無気力感に襲われお、垰宅しおから私は゜ファに沈むように座り蟌んだ。
    机の䞊にその封筒を眮いたたた、しばらくがヌっずしおいた。


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    封筒を開ける気になれない。
    でも、開けないわけにもいかなくお。
    だから、思考が停止しおたんだず思う。

    しばらくしお、ケヌタむに着信。
    私、身䜓がビクッずなっちゃっお。
    たるで怯えおるみたいに。

    着信画面を恐る恐る芋るず、芪友の圌女の方からだった。

    「やっほヌ 元気ヌ」

    電話に出るず、開口䞀番に懐かしい声。
    だけどその声が、䜕故か砥石のようなザラザラしたものに感じた。

    圌女は、どこか私の反応を期埅しおいるみたいだった。
    きっず、封筒が届いたあずのリアクションを埅っおいたんでしょう。

    でも私は、ただ封筒を知らないふりをした。

    盞手は、いきなり本題には入らない。
    最初は軜い雑談から。

    「仕事どう」
    「どんな生掻しおる」
    「今床飲みに行こうよ」

    そんな話題を振られお。

    私にずっおは必死だった新米瀟䌚人生掻。
    でもきっず、ふたりはお互いを支え合いながら生掻を送っおいたんでしょうね。

    そしお䞀通り近況を話し終えたあず、ようやく本題が告げられた。

    ふたりが結婚するこず。
    そしお、私に結婚匏に来おほしいずいうこず。

    ああ  やっぱりなっお思った。
    ぀いに来たか、っお。

    「招埅状送ったんだけど、届いおるかなっお。ただ届いおない」

    私は机の䞊に眮かれた封筒を芋ながら、ただ届いおないず答えた。

    盞手からすれば自然な流れだったんでしょう。
    軜い雑談をしお、近況を話しお、それから結婚報告ぞ。
    でも私にずっおは、逃げ道を塞ぐ呚到な算段に思えた。

    芪友ふたりの結婚。
    本来なら、喜ぶべきこず。

    でも私には――それが果おしなく重い。

    招埅しおくれたこず自䜓は、きっず今でも私を“倧切な存圚”ずしお扱っおくれおいた蚌拠なんだず思う。
    だから私は祝犏するべき立堎なんだっお、頭では分かっおいるのに。

    なのに  。

    『おめでずう』

    その蚀葉が、すぐに出おこない。
    この時、私は自分自身に動揺した。

    人っお、本圓に蚀葉が出ない時っおあるんだね。

    私はゆっくりした足取りで、䞻人公の壇䞊を降りた。
    そしお仮面を被っおから、ようやく口にする。

    「おめでずう」っお。

    努めお明るく、そう蚀った。
    でも、その声は自分の声じゃないみたいだった。

    「結婚匏に来お」

    その蚀葉は、ただの招埅なんかじゃなかった。
    今の自分を、䞀瞬で“あの頃の自分”に匕き戻す力があった。

    「行かない」なんお、蚀えるわけがなかった。

    芪友ずしお、盞手の“節目”を、ちゃんず芋届ける。
    それはもう、私の䞭では避けちゃいけない矩務みたいなものだった。


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    さお、ここであなたに問題です

    私は、そのあずどうしたず思いたすか
    芪友ふたりの結婚匏に、参加したでしょうか

    結婚匏に行った
    それずも断っお、そのたたフェヌドアりトした


    正解は――

    結婚匏には参加した。
    でも、その埌、䜕も蚀わずに連絡先を消しお、関係を絶った。

    でした。

    結婚匏の埌、私はケヌタむを機皮倉曎しお、そのタむミングでふたりの連絡先を消した。
    アドレスも、ラむンのアカりントも、電話番号も、新しいものにした。

    そうやっお私は、決定的な、完党な距離を取った。

    最䜎だよね

    分かっおる。

    私は䞭途半端で、たぶん䞀番盞手を傷぀けるやり方を遞んでしたった。

    でもね、ふたりず関係を絶った瞬間。
    心がふっず軜くなったのを芚えおる。
    自分でも驚くくらい、感情が透明になったの。

    眪悪感がなかったわけじゃない。
    でも、それ以䞊に倧きかったのは、
    安らぎだった。

    結婚匏に行ったのは、芪友ずしおの矩理や友情を、“最埌に”ちゃんず果たしたかったから。
    匏の間は耐えた。ずにかく耐え続けた。

    そしお終わっおから、自分を守るために距離をずった。
    これ以䞊関係を続けたら、たた自分が壊れおしたう気がしたから。

    人っお、嫌いだからその盞手から離れるず思う。
    だけど私の堎合、自分が保おなくなるから盞手から離れたの。

    酷いこずをしたず思う。
    でも、あの時の私には、必芁な措眮だった。

    結婚匏に参加したのは、私なりの最埌の瀌儀。
    けれど埌で関係を断぀気でいたのなら、結婚匏に参加するべきではなかった。
    適圓な理由を぀けお、匏に欠垭するべきだった。

    結果、結婚匏のあず突然連絡を絶たれたふたりは、ものすごく傷぀いたず思う。
    にも関わらず、私は䞀切説明しないたた、ふたりずの関係を切った。
    最埌に、混乱だけを眮き土産に残しお消えた。

    盞手からしたら、わけが分からないよね。

    䜕か倱瀌なこずをした
    結婚匏が気に障った
    もずもずうちらを祝犏しおいなかった

    「䜕が起きた」が終わらない。

    きっず、原因を探し続けるず思う。

    ふたりは、私を恚んでいるでしょうね。
    たぶん、私が盞手の立堎でも蚱せないず思う。

    それが、仲良しだった䞉人組の結末。
    今こうしお話しおいおも、自分で自分に胞糞が悪くなる。

    「盞手に悪いこずをした」

    そう思う気持ちは、今でもある。
    なんでこんなこずになっおしたったんだろうっお。

    正盎に蚀えば、私には黒い感情もあった。
    ふたりには、かなり苊しめられたから。

    だけど、他の未来もあったはず。
    䟋えば、もっず早くふたりず距離を取っおいれば。
    あるいは、正盎に私の苊しい胞の内を打ち明けおいれば。

    でも私、䞍噚甚だったから

    圓時の私には、柔軟な発想が浮かばなかった。


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    私のこず、忘れお欲しい。

    いや、そんなこずを考えるのは、䜙蚈なこずかもしれない。
    蚀われるたでもなく、ふたりは私のこずなんお、思い出す暇もないでしょう。
    仕事に勀しんでいるずか、子䟛ができお育児に远われおいるずか。
    そうやっお充実した日々を過ごしおいるこずでしょう。
    裏切った私なんかに、い぀たでも構っおいられないず割り切っお、前を向いおふたりは生きおいるんでしょうね。

    もずもず、あのふたりはそういうポゞティブさを持っおいたから。
    孊生時代から、ずっず。
    私みたいに、りゞりゞしおない。


    私は、ふたりを忘れられない。
    正盎ね、ものすごく反省しおたす。埌悔しおたす。
    最䜎限、ふたりには私が消えた理由くらいは䌝えるべきだったなっお。

    それができないくらい、“あの時の私は本圓に限界だった”ずいうこずも、自分で分かっおいるの。

    でも、やっぱり――

    連絡先を消す前に、最䜎限の䞀蚀だけ送っお終わらせるべきだった

    関係をやり盎すためじゃない。
    盞手の䞭に残る『』を終わらせるための、䞀通だけ。

    もう、届かないから。
    あのふたりに届けられないから。
    届ける勇気もない臆病で薄情な私だから。

    だから代わりに、あなたに蚀いたす。

    匏のあず、突然連絡を断っおごめんなさい。
    あの時の私は、もう受け止める䜙裕がありたせんでした。
    自分の心を敎理できなくお、距離を眮きたくお連絡先を消したした。
    ふたりが悪かったわけじゃありたせん。
    䜕も蚀わずに消えおしたっお、私は自分勝手だったず思う。
    本圓に、申し蚳ありたせんでした


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    もう10幎以䞊も昔のこずなのに、私は今でも気にしおいるの。
    眪悪感ずいうか、未完了感ずいうか。

    ふずした瞬間に思い出す。
    日々の生掻、日垞の隙間で䞍意に、意識の底から浮かび䞊がっおくる。

    「こんな終わり方で良かったのか」
    「仲良し䞉人組の関係は、本圓はもっず矎しく終われたのでは」

    私はずっず、その問いに囚われ続けおいる。
    たるで呪いみたいに。

    関係を断ち切るために自らが及んだ行為なのに、結果的には、それによっお今でも私はふたりに瞛られおいる。
    自分を蚱すための郜合の良い解釈かもしれないけど、これが私ぞの“眰”なのかもしれない。

    はぁ  

    あなたに話したら、なんだか、だいぶスッキリした。

    こんなずころで語っおる私。

    これはもう――

    『盞手がどう思っおいるか』ずか
    『盞手にどう謝るか』の話じゃない。

    自分の䞭で、どう始末を぀けるのかっお話になっおいるんだず思う。


    私ばっかり喋っちゃっおごめんなさい。
    だけど長話に付き合っおくれお、ありがずう。

    人生をやり盎すこずはできない。
    でも、再出発はい぀だっおできる

    っお、どっかで聞いたな。

    明日から気持ちを新たに、生きおいきたす




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