
私は子どもにひらがなを教えませんでした
こんにちは!
子育てを振り返ると、「あれは変わったやり方だったな」と思うことがあります。
私は、子どもにひらがなを早く覚えさせようとはしませんでした。
周りを見ると、「もう読めるんだって!」「字が書けるなんてすごいね!」という声をよく聞きましたが、不思議と焦りはありませんでした。
むしろ、絵本なら文字より、絵を見てほしいと思っていたのです。
絵を見て、お話を聞いて、頭の中で想像する。その時間の方が大切だと思っていました。
ひらがなは、小学校に入れば嫌というほど書くことになります。だから幼児のうちから急いで覚えなくてもいい。そんなふうに考えていました。
そんな私が、長男の小学校入学前にひとつだけ用意したものがあります。
日本全国の駅名が載った電車の本です。
当時の長男は電車が大好きでした。
私はその本を選ぶとき、「ルビがしっかり振ってあること」だけはこだわりました。読み仮名さえあれば、私に聞かなくても一人で読めるようになると思ったからです。
すると想像以上のことが起きました。
長男はその本にドはまりしたんです。
駅名を覚え、地名を覚え、気づけば漢字まで覚えていました。
私は文字を教えたつもりはありません。でも本人は好きなものを通して、どんどん学んでいました。
これはうれしい誤算でした。
次は長女です。
彼女は当時、サッカーを頑張っていました。「サッカーの本なら喜ぶかな」と思い、小学生用のテクニック本のようなものを渡してみました。
ところが反応は今ひとつ。
あれ?と思っていたら、いつからか、漫画にはまり始めました。
そこから、漫画をどんどん読むようになりました。
銀魂、鬼滅の刃、鋼の錬金術師、銀の匙、ワンピース、らんま1/2、Dr. stone……。
なぜか少年漫画ばかりです。少女漫画にはほとんど興味を示しませんでした。
親としては、時々出てくる下ネタに困ることもありましたが、娘は漫画やアニメからたくさんの言葉や表現を吸収していきました。
三人目の末っ子は、また違いました。
上に兄姉がいるので、幼稚園の頃からゲームが身近にある環境です。これはゲームにかなりハマりそうだなと感じました。
そこで私が渡したのはゲームの攻略本でした。
夫には「ネットで調べればいい」と言われましたが、私はあえて紙の本を選びました。
スプラトゥーン2の分厚い攻略本です。
その本をボロボロになるまで読み込んでいました。
武器の特徴も、ステージの構造も、家族の中でずっと詳しくなっていました。
その後もマリオ、どうぶつの森、マインクラフトと、攻略本はどんどん増えていきました。
さらに末っ子は、家にある漫画も読み始めました。同じ本を何度も何度も繰り返し読みます。本は漫画にとどまらず、かいけつゾロリやサバイバルシリーズ、星新一まで広がっていき、気づけば読書好きになっていました。
振り返ると、三人とも好きなものはまったく違いました。
電車。
漫画。
ゲーム。
でも共通していたことがあります。
それは、「好きだから学んだ」ということです。
私は「勉強しなさい」とは言いませんでした。
その代わり、一緒に楽しむことを意識しました。
私も漫画を読む。ゲームもする。
そして、「何か面白いことがあったら教えて」とお願いしました。すると、「日本で一番長い駅名はね……」とか、「このステージはここに気をつけるんだよ」とか、子どもたちは得意そうに教えてくれました。
語学でも同じことが起きました。
私がDuolingoを毎日続けていたら、子どもたちも興味を持ち始めました。
末っ子は英語版チェスに夢中になり、娘は韓国語を学び始めました。
誰かに言われたわけでもありません。自分で面白そうだと思ったからです。
本来、人は学ぶことが好きなのかもしれません。大人が無理やり引っ張らなくても、興味の種が見つかれば勝手に伸びていく。
親にできることは、「勉強させること」ではなく、「夢中になれる環境を用意すること」なのかもしれません。
振り返ると、私は子どもたちに何かを教えるというより、それぞれが好きなものに出会えるよう手伝っていただけだった気がします。
その方法は家庭の数だけあっていい。
同じ家で育った我が子たちでさえ、夢中になるものはまったく違いました。
あなたの家には、あなたの家だけの学び方があるのだと思います。