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研修296日目|樹のささやきが教えてくれた“危険信号”

    イランカラㇷ゚テ!(アイヌの言葉で「こんにちは!」)

    好きなスパゲティーは、ミートスパゲティです。
    たっぷりの粉チースをかけて食べるのが好きな研修生Hataです。

    いつもご愛読ありがとうございます。


    朝の見回りで、いつもの瑞々しい緑の向こうに、ぽつりと茶色く萎れた葉を見つけました。近づくと、紫がかった小さな実まで変色し、茎は黒ずみ、枝先全体が力なくうなだれています。──まるで「助けて」と囁くように。

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    異変の名は灰カビ病(ボトリティス)。ハスカップが開花期から結実期にかけて最も警戒すべき病害のひとつです。実のつけ根に残った“花がら”が湿ったまま残ると、そこから菌が侵入し、枝内に広がるのが特徴。北海道の春らしい昼夜の寒暖差と高湿度が、ちょうど菌にとって温室のような環境をつくってしまうのです。

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    “削ぎ落とす勇気”が畑を守る

    放置すれば被害は瞬く間に隣の枝、隣の樹へ──。迷う暇はありません。私たちは病変部を健全部から10 cmほど下で潔く剪定し、畑の外へ持ち出しました。
    妻はパラソルの下で、私は汗ばむ陽射しの中で、ひと枝ひと枝に耳を澄ませるように確認しました。切り口が広がるこの季節は、剪定後すぐに乾かし、雨前後は作業を避けるのがコツ。

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    風通しを確保するため、株元の不要枝を間引きて蒸散を促すと、病気だけでなくアブラムシの定着も抑えられます。

    こうした“見えない湿度”との闘いは、果実の糖度や香りを守るための舞台裏。病気と向き合うほど、ハスカップが健やかに色づく日が待ち遠しくなります。


    収穫まで、あと一ヶ月

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    剪定で空いた赤いリヤカーが徐々に満杯になる頃、畑には爽やかな風が通り抜けるようになりました。
    空を見上げると、澄んだ青に若い実の未来が重なります。「この枝は救えなかったけれど、畑全体の命は守れた」──そんな安堵と決意を胸に、私たちは再び列の奥へと足を踏み入れました。


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    今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

    スイ ウヌカラアン ロー!(アイヌの言葉で「またお会いしましょう!」)

    了

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    兵庫県出身。現在は北海道在住。 豊かな暮らしをするために、いろんなことに興味を持って、チャレンジ中。 27年間の教員生活を終え、2024年4月からは、厚真町地域おこし協力隊として、農業研修員に。 2027年からはハスカップ農家として新規就農予定。

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