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「このまま人生終わるのは嫌だ!」魂が叫んだ60歳  第6話〈希望〉

    2024年3月、私は、
    20年間勤めた職場の定年退職を迎えました。
    かつて共に働き、今は別の拠点に異動した、
    たくさんの方々が次々と私の職場までお祝いに来てくださり、とても温かい気持ちに満たされた最後の一日でした。

    20年間、家と職場とスーパー…
    小さな三角形の世界を行き来するだけの私でしたが、改めて、たくさんの方々に支えられて今日を迎えられたのだと実感しました。

    さらに、
    家に帰ると、思ってもみなかったことが起きました。

    すでに家を離れ、自立している3人の子供たちが、平日にもかかわらず家までお祝いに駆けつけてくれたのです。
    どうやら、私に内緒のサプライズ企画だったようです。

    20年間勤め上げた原動力、
    それは、          
    間違いなく3人の子供たちでした。

    何の取り柄もない平凡な主婦の私は、
    子育てする中で、
    『不甲斐ない親でごめんなさい』と、思う場面をいくつか経験してきました。
    そして、その度に何か一つ、
    子供に誇れるものが欲しいと思う自分がいて、
    『定年退職まで勤めあげよう』というパワーになっていました。

    …とはいえ、
    なかなか思い通りにいかないのが人生…

    責任が重い業務を担っていたので、
    常に精神的緊張が抜けず、
    年と共に心身の負担が増していきました。

    仕事上の問題だけでなく、
    プライベートでは母の介護が始まり、
    実家に寝泊まりし、
    職場には、遠く離れた実家から通うことになったり、

    また、
    コロナに罹患したのがきっかけで、
    思いがけず喘息を発症したり、

    夫が脳内出血で倒れ、3週間近く意識不明になったり…

    次々と先が見えない状況に見舞われ、
    自分を見失わないようにするだけで
    精一杯な私でした。

    かつて…
    憧れであったさくらさんのブログや、
    メルマガを毎日読んでは、
    さくらさんと共に、キラキラした笑顔で写真に映る受講生の女性たちを見て、
    胸がキュッと痛んだ私…。


    家族のために尽くすことは
    私にとって当たり前のことでした。
    むしろ、その日常の中に幸せを感じていました。
    私は間違いなく幸せ者でした。

    それでも一方で、
    仕事と家事だけで人生が終わることに、
    心の奥で疑問を抱く自分もいたのです。

    その、相反する自分の気持ちのモヤモヤに、
    いつも蓋をして、
    見なかったことにして私は生きていました。


    私は、
    さくらさんのブログに映るその女性たちのように、キラキラ輝けたのでしょうか?

    残念ながら、そうではありません…

    キラキラどころか、悩んで苦しんで、
    格好悪い姿の私がそこに見えるような気がします。

    そんなみっともない私ですが、
    私の人生を愛おしいと思える自分に、
    変わることができました。

    周りの人と自分を比べて落ち込んだり、
    自分をないがしろにしてまで、
    他者を優先することも、少なくなりました。

    私が変われたのは、
    『このまま人生終わるのは嫌だ!』という
    私の内側から湧き起こる魂の叫びを
    しっかりと受け止め、
    勇気を振り絞り、
    小さな世界を飛び出した自分がいたからです。

    小さな世界を飛び出した先で
    私は様々なことを学び、
    たくさんの挑戦をし続けてきました。

    その、学びと挑戦を通して、
    自分は本当は何を思っているのか?
    どうしたいのか?
    なぜ気持ちがモヤモヤするのか?
    そんな心の声を無視せず、
    聞き続けるようになったこと…

    この積み重ねで私は、
    少しずつ自分の人生を取り戻してきましたが、
    その過程で得た一番大きなものは、
    『自分との信頼関係』だったのかもしれません。


    私は、有名になったわけでも、
    何か肩書きを得たわけでもありませんが、
    私にとってもっとも大切な、
    『自分の人生を生きること』を取り戻せたのです。

    今はもう、
    何が好き?…と聞かれて
    答えられない私ではありません。

    何がしたい?
    どう生きたい?

    それらにも、ようやく明確な答えを持つことが
    できるようになりました。

    私は決して、
    一人でここまで来たわけではありません。
    夫や子供たち、そして、
    長年寄り添ってくれた愛猫たち…
    たくさんの存在に支えられて
    今の私がいることを、しみじみと感じています。


    私たちは、
    自分が生きたいように生きるしかありません。

    それは、
    人生という航海で、
    希望に向けて漕ぎ出すのは、『自分』しかいないということです。

    私は、すでに67歳になりました。

    もう67歳…と弱音を吐きそうになったら、
    自分にこう言ってあげます。

    「今日が人生で一番若い日!」

    今、私の人生はまだ道半ばです。

    これからの私も
    築き上げた『自分との信頼関係』を大切にしながら、色んなことにチャレンジしていきます。
    そして、
    自分の人生に起こるあらゆることに
    悩み、苦しみ、それらを受け止め、
    時に笑いながら、自分らしい人生を歩んでいきたいと思います。


    #創作大賞2026 #エッセイ部門

     
     
    保護猫と暮らして67年。 飼い主さんの心を整えることで、猫との関係や日常がやさしく変わるお手伝いをしています。頑張りすぎる方へ、心が少しゆるむ時間をお届けしています💕 創作大賞2026応募作品『このまま人生終わるのは嫌だ!魂が叫んだ60歳』(全6話)はマガジンにまとめています

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