
「あの時ああしていれば」という名の幻影【ショート】
夜中、ふと「どこで間違えたのだろう」と過去を悔やむ。
あの時こうするのが正解だったのではないか。そんな考えが、頭の中を延々と巡ることはありませんか?
私も時折、そんな終わりのない脳内反省会を開催しては、すっかり疲弊してしまいます。
世間には「過去を振り返らず前を向こう」といった、明るくポジティブな言葉が溢れています。しかし、現実の私たちはそこまで器用ではありません。
私たちは「今」しか生きていないのに、まるで過去に都合の良い「完璧な別の選択肢」が存在したかのように錯覚してしまいます。
選ばなかった架空の道と現在を比較して、勝手に自分を許せなくなる。
そのループにはまると、他人も自分も嫌になり、ただここに存在していることすら途方もなく面倒に感じてしまうものです。
「生きるのに向いていない」
そう感じるほどの虚無感は、あなたが自分の思考の矛盾に気づけるほど、物事を冷静に観察できている証拠でもあります。
「自己肯定感」なんていう流行語も、こういう時には何の役にも立ちません。
過去の幻影に囚われて心が削られたときは、無理に自分を納得させるのをやめてみませんか。
次に同じ思考のループが巡ってきたとき、あなたはその厄介な脳のバグと、どう距離を置きますか?