
あの頃の自分にかけてあげたかった言葉を、今も探している
10代前半、中学生。思春期。多感な時期。
周りからはその言葉で片付けられたけど、
自分からすれば冗談じゃなかった。
可愛がってくれる先輩たちがいた。部活動でたまたま一緒になって、毎日のように遊んだ人たち。
昼休みは部室に集まって駄弁り、放課後は練習し、休日は遊びに出かけた。
毎日、そんな時間を繰り返した。
みんな大好きだった。僕はなんて恵まれているんだろうって、心の底から思っていたんだ。
だけど、些細なすれ違いが積もりに積もって重なって
先輩たちは互いに距離を置くようになった。
僕の前では笑ってくれるけど、どこかぎこちない。
何かできることはないか、聞いてみた。
「はるは悪くないよ」
そう言われた。
また仲良く笑ってほしい。
その一心で、あれこれと頑張ってみたりもした。
前のようにカラオケに誘ってみたり、部室で遊ぼうと言ってみたり、
毎日のように電話をかけて、話をしたり。
僕の気持ちは皆、わかってくれていたけど、
その気持ちに応えることはできないようだった。
それが思春期だ。人間関係はギクシャクするものだ。
男女が絡めば、余計にそうだ。
頭ではわかっていたけど、僕はそんなことを理由にしたくなかった。
必死だった。どうしてなのかはわからない。
ただ、何かに取り憑かれたのかと言わんばかりに必死だった。
崩れてほしくない。壊れてほしくない。
楽しい日々が続いてほしい。できれば永遠に続いてほしい。
より良くなることは許容するけど、変わらないでほしい。
身勝手な言い分を、独善を、振り撒いた。
泣き喚いたこともあった。
これはとても些細な出来事だ。
誰かの人生を大きく変えるような重大な事件なんて何もない。
実際、別に誰も困っていなかった。
当の先輩たちだって、他の仲間たちと楽しく日々を過ごしている。
疎遠になったと言っても、顔を合わせれば喧嘩するような関係でもない。
居合わせてしまうことがあれば、ただ他人行儀な会話しかしなくなっただけだ。
周りの人間はこう言った。
「まあまあ、思春期なんだから。仕方ないよ」
冗談じゃなかった。
誰かが死んだとか、深く傷ついたとか、そんなことじゃない。
他の誰にも理解してもらえないだろうけど、
僕は、どうしても僕を許せなかった。
「周りだけが傷ついて、僕だけが無傷だった。
みんな、僕とは仲良くしてくれた。
でも、先輩たち同士はそうじゃなかった。
みんな、僕だけにはずっと優しかった。」
傷つくなら、平等に傷つくべきだ。
誰も僕を傷つけてくれないのなら、
僕が僕を傷つけよう。
そうして僕は、僕を嫌いになる努力を始めた。
あの頃の僕が本当に欲しかったものってなんだったんだろう。
本当は、なんて言葉をかけて欲しかったんだろう。