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飛行機

    うんと小さい頃、はじめて飛行機に乗った時のことを思い出した。たくさんの真っ白なもこもこした雲と、その隙間からわずかに見える、透き通ったエメラルドグリーンの海。斜め上を見上げていくと、絵本に描いたようなきれいなパステルブルーが現れ、雲の白さとまじって優しく滲む。やがて飛行機は雲の中に溶け込んで、辺り一面が真っ白に染まる。見たことのない世界。そんな、お母さんからもらった飴玉のような懐かしさを抱えたやさしい気持ちのまま、私はゆっくりと目を閉じ、眠りにつく。


    どれだけの間そうしていたのだろうか。再び戻る意識と共にうっすらと目を開けると、まつ毛の隙間から差し込む金色の光に目が眩んだ。慌てて目を瞑り、再びゆっくりと目を開ける。

    もなみは、飛行機の窓から外を眺めるのが好きだった。一番窓側の席でお気に入りのシルバーのヘッドホンをつけて洋楽を流し、白い雲と青い空を眺めながらただただ物思いにふける時間が。海の、空の青さを眺めていると、自分がどれだけちっぽけな存在であるか思い知り、でもだからこそ、何でも出来るような気がしてくるのだった。

    #創作大賞2026  #エッセイ部門

     
     
    エッセイ、小説にするほどではない、でも、どこかに遺したい、ことばのかたまり

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