
短編:最後のマスカラ
「手品じゃありふれてるか」
「ありふれてるというより飽きる」
話を振ると想像通りの返事が返ってきた。
聞こえないように小さく溜息を付く。
「なに萎れた顔してんのよ」
「こっちは真面目に悩んでんだ。
...昔の仲間に招集かけて、2、3曲演(や)るかな」
「自分が主役の二次会、出し物で
悩む新郎なんてあなたくらいなものね」
明日は妻となる恋人が、私の悩み顔を見て笑う。
二次会は気の置けないパーティにしたい。
そう思い、ナイトテーブルに置いている
スマートフォンを手に取った。
「メンバーは集まったの?」
「家でホコリを被ってる楽器、
持ってくるって言ってるよ」
「そっか。安心したところで、
最後のアイメイクをしようかな」
「最後?」
彼女の言葉に疑問を投げると、
サーモンピンクの唇が笑みの形を作る。
微笑みのまま、言葉を紡いだ。
「そう。独身最後のマスカラを付けるの」
まだ色が乗らぬ睫を揺らしながら
明日の妻が笑った。
「明日は結婚最初のマスカラだな」
「そうね。最後から最初に変わるのよ」
【End】
初参加で要領を得ておらず、問題があるやもです。総字数420字ほど。
410字をちょっとオーバーしていますし(汗)
問題がありましたらご放念くださいませ(深謝)。
蛇足。マスカラの起源?的サイトをリンク。
……言い訳&愚痴?都会的&ちょっと不思議な文体に関し、つくづくセンスがない物書きです。精進重ねて参ります、これからも(不得意分野は程々に埋めておくに限ると思うのです、表現の幅を拡げるために)。