
【エッセイ】編集者はサンタクロース?
40度のクリスマスなんて、想像できますか。
こちらでは、「サンタさんはソリではなく、サーフボードでやって来る」とよく冗談で言います。
⽇本やアメリカでは、クリスマスプレゼントは25⽇の朝に開けますよね。
親は⼦どもに「早く寝ないとサンタが来ないよ」と⾔ったりするのでしょうか。
日本の反対側にあるこちらでは、24⽇の夜に家族で集まり、0時になるまで話したり⾷事をしたりして過ごします。そして0時になると同時に、あちこちから花⽕の⾳が聞こえてきます。

みんな庭やバルコニー、あるいは家の外に出て、空⼀⾯に広がる花⽕を楽しみます。
⼦どもたちはもちろんサンタクロースの姿を⾒たがるので、24⽇はクリスマスツリーの周りをうろうろしていることが多く、親はなかなかツリーの下にプレゼントを置くことができません。
そのため、子どもたちが花火を見に外へ出ている隙に、親はこっそりプレゼントを置くことが多いのです。
花⽕が終わって家に戻ると、なんとサンタが来ています。
「今年もまた会えなかったなあ」
と思いながら、⼦どもたちはプレゼントを開けて、すぐにおもちゃで遊び始めます。
(家族や⼦どもの年齢にもよりますが、だいたい夜中の3時ごろまでお祝いが続きます。25日は祝日ですから)
私はこれまで「朝になるまでプレゼントを開けられない」という楽しみを味わったことがありませんでした。
けれど、似たような経験があります。
実は、私が書いた小説を読んでコメントをくださる編集者がいます。コンテンツマーケットで出品している方です。
執筆は孤独な作業です。だからこそ、私の原稿を真剣に読んでいただき、細かいところまで丁寧にコメントをくださる方がいることは、私にとって本当に心強いことです。
コメントには褒め言葉が一切なくても、構いません。私にとって嬉しいのは褒められることではありません。作品をより良くするために、一緒に考え、力を貸してくださる。そのこと自体がありがたいのです。
ちなみに、この編集者さんはとても忙しい方で、原稿を読んで初回のコメントが返ってくるまでに2週間ほどかかります。
数回お世話になっているので、だいたいいつコメントが来るのか予想がつきます。
それは、日本時間でいうと、日曜日の午後です。これまではそうでした。
半日の時差があるので、私の土曜日の夜にあたります。
なので、その夜はなかなか眠れません。何度もスマホの画面を更新して、通知が来ていないか確認するんです。
「もしかして、もう来てるかな? ……あ、まだだった」
「いや、とにかく寝よう! 寝たほうが早く⽇曜⽇になる」
「でも、やっぱり眠れない――」
きっと、サンタクロースを待つ⼦どもの気持ちはこんな感じなのだろうな、とふと思いました。
ところがある日、いつものように原稿をお願いしてコメントを待っていると……なんと購入して三日後に! しかも平日に! その方から通知が入りましたあああ。
恐る恐るトークルームを開くと、なんとコメントが来ていました――。
そのときはまるで、10⽉にプレゼントを開けさせてもらったような気分でした。
改めて、心待ちにできるものがある人生って素敵だなーと思いました。
サンタさんのプレゼントを待ちわびる子どもの頃のように、大人になってからも胸を弾ませながら待てる何かに、みなさんも出会えますように。