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Photo byankou_onna

トヨタ、アメリカ、カナダ間で何が起こっている?フェンタニル、移民、エネルギー問題がまだ解決していない今。

    スタントンはる子

    「2026年2月20日(NY時間)の最高裁判決により、関税合戦は法廷闘争という新フェーズに突入しました。トヨタが『関税還付』を勝ち取れるかどうかが、今後の株価と新車価格を占う最大の焦点になりそうです。」

    まとめ:
    「アメリカ第一主義による関税の圧力を、カナダが必死に押し返し、その板挟みでトヨタがコスト増と戦っている」。

    現在、アメリカとカナダの間では、トランプ政権による関税政策と、自由貿易協定(USMCA)の再交渉を巡って非常に緊迫した状況が続いています。

    トヨタを含む自動車業界は、その「爆心地」にいると言っても過言ではありません。

    主な動きを3つ

    1. 「関税」を巡る激しい攻防と混乱
    トランプ大統領は、カナダからの輸入車や鉄鋼・アルミニウムに対して25%の関税を課す方針を強めています。
    • 米最高裁の動き: 2026年2月20日、米最高裁はトランプ大統領が「国際緊急経済権限法(IEEPA)」を用いて課した一部の関税を「権限逸脱」として違法とする判決を出しました。これにより、一部還付の可能性が出ていますが、政府側は別の法的根拠で関税を維持しようとしており、現場は混乱しています。

    • カナダ側の反撃: カナダも米製品に対して25%の報復関税を実施中。さらに、アメリカがカナダ産EV(電気自動車)を冷遇することへの対抗策として、独自の補助金制度や中国メーカーへの接近を模索するなど、揺さぶりをかけています。

    2. トヨタへの直接的な影響
    トヨタにとって、カナダは北米市場向けの重要な生産拠点(RAV4やレクサスRXなど)であるため、この事態は死活問題です。

    • 異例の値上げ示唆: トヨタの幹部は、関税コストを吸収しきれず、2026年中に最大3回の値上げが必要になる可能性を警告しています。

    • 「フォロワー(追随者)」への転換: これまで市場をリードしてきたトヨタですが、関税によるコスト増を背景に、強気な価格設定や販売目標を避け、市場の様子をうかがう「受け身」の姿勢に転換せざるを得ない状況です。

    • 生産の優位性: 一方で、GMやフォードがカナダ生産を縮小する中、トヨタとホンダはカナダ国内生産の約75%(2025年実績)を占めており、カナダ政府からは「雇用を守る功労者」として優遇措置(関税の免除・還付など)を受ける交渉も進んでいます。

    3. 「USMCA」の運命を決める2026年
    2020年に発効した北米自由貿易協定(USMCA)は、今年(2026年)7月に、見直し(レビュー)の時期を迎えます。

    • ルール厳格化の懸念: アメリカ側は、自動車の部品がどれだけ北米産であるかという「原産地規則」をさらに厳しく(例えば85〜90%以上など)しようとしています。
    • 工場の「厚い壁」: 以前のように「国境がないかのように部品をやり取りする」モデルが崩れ、トヨタなどのメーカーはサプライチェーンを根本から作り直すか、巨額の関税を払うかの選択を迫られています。

    🔴トヨタの米国株(ADR)はどうなる?

    結論から言うと、現在のトヨタ株は「強い向かい風の中での我慢比べ」の状態にあります。投資家が注目しているのは以下の3点です。

    • 利益の下押し圧力: 2026年3月期の決算見通しでは、米国関税の影響だけで1兆円規模の減益要因になると試算されています。米国市場での利益率が低下しているため、短期的には株価が跳ね上がりにくい状況です。
    • 「上方修正」の力強さ: 一方で、トヨタは関税の直撃を受けながらも、ハイブリッド車(HEV)や電気自動車(EV)の販売が極めて好調です。厳しい環境下でも「通期予想を上方修正」するほどの底力を見せており、これが株価の暴落を防ぐ強い下支えになっています。
    • 為替のジレンマ: 日本の会社であるため、円安になれば業績が膨らみますが、現在はトランプ政権の通商政策への警戒からドル安・円高に振れやすく、これまでのような「円安メリット」を享受しにくくなっている点が、株価の上値を抑えています。

    見通し: しばらくは、関税交渉のニュースが出るたびに上下する「神経質な展開」が続くでしょう。しかし、北米での現地生産拡大(5年間で100億ドルの投資計画など)が進めば、関税の影響を回避できる「強靭な会社」として、長期的には再評価される可能性が高いと見られています。

    🔴トヨタ以外で「アメリカ vs カナダ」で何が起きている?

    自動車以外でも、両国間では「隣国ゆえの激しい衝突」が起きています。
    資源とエネルギーの争奪
    • 水資源と電力: カナダは豊富な水力発電によるクリーンな電力をアメリカに供給していますが、アメリカ側が自国のハイテク産業(AIデータセンターなど)のために「より安く、より優先的に」回すよう圧力をかけており、価格交渉が決裂寸前になる場面が増えています。
    • 重要鉱物: EVバッテリーに必要なリチウムやグラファイトなどの重要鉱物について、カナダは「中国に依存しないサプライチェーン」の鍵を握っています。アメリカはこれを取り込もうとしていますが、カナダは「自国の加工産業を育てるのが先だ」と主張し、輸出規制をちらつかせながら交渉しています。
    国境と移民問題
    • フェンタニル対策: アメリカ側は、カナダ国境からの薬物(フェンタニル)流入や不法入国が増えているとして、国境警備を大幅に強化しています。これが物流の停滞を招き、自動車部品だけでなく生鮮食品などの物価高にもつながっています。
    • 移民受け入れの温度差: カナダが2026年から「一時滞在者(学生・就労ビザ)」の受け入れを大幅に削減する方針を固めたため、行き場を失った人々がアメリカへ流れ込むことを恐れ、アメリカ側が神経質になっています。
    デジタル課税と文化
    • デジタルサービス税: カナダが米テック大手(GoogleやAmazonなど)に課税しようとしていることに対し、アメリカが「差別的だ」と猛反発。農産物(カナダ産の乳製品やワインなど)への追加関税という形での報復合戦が現実味を帯びています。
    /以上

    haru

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