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僕は頭が悪いから


    今日は会社の関係でアルバイトを十五時に退勤させられた。毎朝何も考えずに服を拾って着ているから、サンサンと照らす陽の下でヒートテックを着込んだ状態で帰ってきた。もちろん暑い。
    帰宅後、腹が空いていたので簡易的なケチャップライスを作って食べることにした。冷やご飯にウインナーをちぎり入れてレンチンする。温まったそれに白胡椒をかけて味のバランスを最低限保つ。何口か食べ進めていると途端胃がそれを受け付けなくなったが、最近は体重が減りすぎているから無理矢理牛乳で流し込んだ。こういう時は牛乳で流し込むのがミソである。牛乳にはかなりのカロリーと脂質が含まれているから、ちょこちょこと摂取することである程度の活力源になる、はず。
    腹が苦しくて横になっていると眠気がやってきた。現在僕が享受できる眠気は、この血糖値の上昇による眠気だけ。久しぶりのうつらうつらとした感覚に酔いしれ、抗うことなく受け入れた。夢の話はつまらないから、割愛。
    何度も経験しているから分かってはいたが、この食事睡眠による起床後の胃のむかつきは何回目でも不愉快である。睡眠中は口呼吸だから、喉も痛い。ベタついた口内をゆすいで煙草を吸う。戻ったら冷やしておいた水を一気に飲み込んで胃の不快感を和らげる試みをする、成功した試しはない。祖母が観ているテレビを横目で流し見していると、ギャルタレントが「キャパい」と言う言葉が今の若者の間での流行り言葉だと話していた。「キャパい」、記憶だともっと昔からこの言葉は使われていたはずで、いつの間にか僕も使っている言葉でもある。流行り言葉への抵抗はあるが、いかんせん同年代における共通言語として便利すぎる。わざわざ「自分の容量では受け止めきれない」なんて言い回しをしてもぎこちないだけだろう。
    母親が帰ってきてすぐに祖母が説教された。祖母はボケが始まって、と言うか既に半分はボケていて、今朝はソーセージを食べると言いながらスモークチーズを皿に並べていた。こういう時にどうするべきなのか悩んだ末、それはチーズである、と伝えた。祖母はそれを否定しチーズを食べたかと思うと、「これソーセージじゃないじゃない」と一人で憤慨していた。祖母がウチに泊まるようになり一週間が経とうとしているが、こんなことが茶飯事である。父と母は祖母に注意をすることで回復を促そうとしているらしいが、聞いていて気持ちのいいものではない、しんどい。接し方はそれが正しいのかもしれないが、僕にはそれを判断するだけの知識が無いから、しんどい。こういった時は快若しくは不快の感情が判断基準になっている。これは僕の悪癖であり、昔からの因縁の奴である。自分が知る領分は知識及び理性に基づいた判断ができるが、知らない領分に関しては主に快不快が判断基準となっている。僕は色々な知識を身につける、という浅はかな対策しか思いつかないから、せっせと必要不要に関わらずあるだけの知識を拾おうと試みている。しかし僕の脳が膨大な量の知識を受け止めようとするとキャパくなってしまうのだ。
    僕は頭が悪いから。

     
     
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