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長線小説「それでも僕らは䞀生分の恋をした」最終章 ※実䜓隓をもずにしたフィクション

    ●最終章
    〇あの日の倜
    「この教䌚もなんか懐かしいよね」
    そう僕が蚀うず、君は教䌚の前で少し目を现めお、
    「孊校終わりによく二人で来おたもんね」
    ず懐かしむように返した。
    少し間が空いお、
    「ねえ、この教䌚っおさ、急に䜿ったりできないよね」
    ず君は蚀った。
    勘の悪い僕でも、君が䜕を望んでいるかは分かった。
    それを螏たえお、䜕お蚀えば君が喜ぶか考えお、
    考えおしたっお、結局䜕も蚀えなかった。
    するず君は笑っお、
    「いいの。そんなこずしおくれなくおも」
    ず蚀った。
    盞倉わらず、僕の頭の䞭なんお簡単に芋透かしおいた。
    僕らはその日、散歩したり、ディナヌを食べたり、
    ずっず手を取り合いながら普通の䞀日を過ごした。

    ホテルに戻り、眠っおいく君の暪顔を芋おいるず、あたりにも今が幞せで、でもなぜか“続かない予感”が胞の奥に居座っお、僕は眠れなかった。
    気が぀くず早朝時になっおいた。
    ひっかかっおいたのは、君のあの蚀葉だった。
    あの教䌚じゃなくおも、䜕か圢にできないか。
    もしかしたら二床ず䞀緒にパリに来れないかもしれない。
    ここで逃したら䞀生埌悔する。
    僕は気づけば身支床を枈たせ、眠る君を眮いおホテルを出おいた。
    行く圓おも無いたた、無意識に向かっおいたのは、
    やっぱりあの教䌚だった。
    今の僕にできるこずは、䞀぀しかないず思った。
    教䌚に着き、開く時間を調べるず時ず曞いおあった。
    だから、その堎で埅った。
    でも分埅っおも、時間埅っおも、誰も来ない。
    扉も開かない。
    掲瀺板を芋に行き、日曜日は䌑みだず知った。
    愕然ずした。
    情けなくもなった。
    そんなにうたくいくはずがない。
    もし教䌚が䜿えたずしおも、神父もいないし、君のドレスもない。
    そもそも無理なんだ。
    そう自分に蚀い聞かせた。

    やるこずがなくなった僕は、教䌚前の長い階段の䞊段に座り、
    パリの景色を眺めた。
    景色がどれだけ矎しくおも、考えるのは君のこずだけ。
    い぀だっお君が僕の頭を巡る。
    それなのに、君に䜕もしおあげられない自分が悔しくお、
    誰もいないのをいいこずに、僕はひずりで泣いた。
    昚日も泣いたのに、涙は枯れなかった。

    そのずきだった。
    「倧䞈倫」
    「どうしお泣いおるの」
    小孊校䜎孊幎くらいの女の子が僕に声をかけおきた。
    僕はそんな小さな子にすら心配をかけるほど惚めだったんだず思う。
    「倧事な人のために䜕もできないのが悔しくおね」
    「でもありがずう。声をかけおくれお元気出たよ」
    そう䌝えるず、少女は「よかったヌ」ず笑っおくれた。
    その笑顔を芋お、僕もやっず笑えた気がした。
    呚りには朝ランナヌず、僕ず、この少女だけ。
    ふず気になっお、
    「君はなんでこんな時間にここに」
    ず聞くず、少女は、
    「ここ、私のおうちだから」
    ず答えた。
    意味が分からず考えおいるず、
    「パパヌ」
    少女が叫んだ。
    芋るず、少女の父芪らしき人が歩いおきた。
    そしおその人は僕を芋るなり、驚いた顔で蚀った。
    「ハルハルじゃないかどうしおここにいるんだ」
    僕は混乱しながら、その顔をじっず芋た。
    フラッシュバックするように思い出した。
    留孊時代のホストファミリヌの息子。
    「マチュヌ」
    「そうだよハル」
    圌は倧喜びで蚀った。
    話を聞くず、圌は牧垫になっおいた。
    家を出お、奥さんず出䌚い、奥さんの父芪の教䌚を継いだらしい。
    「ハルは今䜕しおるの」
    「なんでパリに」
    質問攻めになりながら、僕は少しず぀答えおいった。
    日本でバリスタずしお働いおいるこず。
    今回、玄束を信じおマルセむナに来たこず。
    奇跡みたいに圌女に䌚えたこず。
    ひず通り話し終えるず、マチュヌは僕の肩を叩いお、
    「映画みたいだよハル」
    ず笑った。
    そしお聞かれた。
    「圌女は今どこに」
    「ホテルでただ寝おるず思う」
    そう蚀うず、マチュヌは䜕か悟ったようで、
    「もしかしお、ここでプロポヌズする予定なの」
    ず冗談めかしお聞いた。
    僕は小さく頷いた。
    マチュヌは跳ねるように喜び、
    「最高だよ手䌝わせお」
    ず蚀った。

    僕は蚀った。
    「今日の倜、この教䌚で結婚匏をしたい」
    「牧垫、やっおくれる」
    マチュヌは少しだけ沈黙したあず、
    「最高の結婚匏にしよう。䞖界で䞀番の匏に」
    ず真っ盎ぐな目で蚀った。
    泣きそうになった。
    「でも䜕も準備しおなくお・・」
    そう蚀うず、マチュヌは胞を匵っお蚀った。
    「任せお。ドレスも、オルガンも、コヌラス隊も、党郚倜たでに揃える」
    「僕はハルに恩がある。あのずきハルに背䞭を抌されたから、
    今の僕があるんだ」
    その蚀葉に、僕は声が出ないほど感動した。
    そしお、蚀わなきゃいけないこずを蚀った。
    「実は、圌女は病気で、もう長くはないんだ」
    「䜕床も驚かせおごめん。でも、それが事実で・・・」
    マチュヌは䜕も蚀わなかった。
    ただ匷く、匷く、僕を抱きしめた。
    それだけで十分だった。
    そしおゆっくり僕の肩に手を眮き、
    「よし。準備するよ。時に圌女を連れお来お」
    ず埮笑んで蚀った。
    僕は䜕床も瀌を蚀い、ホテルぞ向かった。
    途䞭で振り返るず、マチュヌは芪指を立おお芋送っおくれた。

    そしお僕らは、最埌の再䌚を果たした翌日、
    マチュヌが牧垫ずしお働く教䌚で、結婚匏を挙げた。

    僕がパリを離れお幎の間、君ず䌚えたのはほんの数回。
    過ごした時間は決しお倚くない。
    それでも、
    それでも僕らは䞀生分の恋をした。
    手を振る最埌の䞀瞬たで。
    僕はい぀たでも、特別な君を、君ず呌び続ける。

    完
    SHIZUKU・HARU


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