
言葉をもぐもぐする。
コミュニケーションが苦手って、割と詰む。
でも、私なりの考え方で生きるしかない。
1.真面目に語ってみる
私は昔から話すことが苦手だ。
会話のラリー中、瞬時に言葉が出てこない。
頭の中にモヤがかかったみたいになって、自分の思いも言葉も、何も出てこなくなる。
テンプレみたいな相槌か、「ドゥフフwww」とかいう気持ち悪い愛想笑いで、その場をしのぐのが精一杯。
あとで1人になってから、
「あの時こう言えばよかった」
「これも言えたのに」
処理落ちから復活したパソコンみたいに、いくらでも言葉が出てくる。
会話の最中には何も出てこないくせに、終わってからだけ饒舌になる。
本当に自分が嫌になる。
2.おくびょうもの
「夢や目標を言葉にすると実現する」
言霊ってやつ。
私は昔から、それをあんまり信用していない。
言葉にすると逃げられちゃう気がして。
まだうまく育ってない気持ちや、輪郭の曖昧な夢ほど、口に出すのが怖い。
だから私は、大事なことほど口の中にしまっておく。
もぐもぐする。
飲み込むわけでもなく、外に出すわけでもなく、ただ口の中で転がしている。
前に、大谷翔平選手がインタビューで
「自分以外のことは、言うと叶わないような気がするのであまり言いたくない」
と話しているのを見たことがある。
比べるのも失礼なくらい住む世界が違うけれど、「言葉にすると何かが逃げていく気がする」という感覚だけは、少しわかる気がした。
私はむしろ、自分のことほど言いたくない。
夢も、目標も、本音も。
口にした瞬間に逃げられそうで怖いから。
あ、一旦おこがま死しておきますね。
3.ほんとは全部肯定したい
否定的なことも、なるべく外には出さないようにしている。
頭の中には、わりと常にある。
「めんどくさいな」とか、「嫌だな」とか、「なんでこうなんだろう」とか。
そういう黒っぽい感情は普通に湧く。
でも、なるべく口には出さない。
一瞬の不機嫌や、流れていくはずの感情まで、わざわざ自分で輪郭を与えてしまう気がするから。
それに誰かに向けた棘のある言葉って、結局いちばん近くにいる自分にも刺さる気がする。
相手に向けたつもりの言葉でも、自分の耳がいちばん近くで聞いている。
だからせめて、言い方はやわらかくしていたい。
本音がなくなるわけじゃない。
心の中で思うことを全部きれいにできるほど、私はできた人間じゃない。
それでも、誰かを無駄に傷つける言葉にはしたくないし、自分まで嫌いになるような言葉はなるべく使いたくない。
たぶん全部、過去の自分があまり好きじゃなかったからだと思う。
セルフ反面教師。
話せなくて、うまく言葉が出てこなくて、愛想笑いで誤魔化して、あとから一人で反省会をする。
そんな自分が昔からあまり好きじゃなかった。
だからこそ、せめて今は、自分が使う言葉くらいは少し丁寧に扱いたいと思っている。
4.もぐもぐもぐもぐもぐ
話すのは今でも苦手だ。
会話の途中で頭が真っ白になることもあるし、あとから「やっぱり変なこと言ったかも」と落ち込むこともある。
それでも、言葉を雑には扱いたくない。
うまく話せなくてもいい。
すぐに言葉が出てこなくてもいい。
それでも、自分の中にあるものを見ないふりせず、ちゃんと向き合っていたい。
口に出せないなら、まずは書けばいい。
会話では間に合わなくても、書くことなら少しだけ考えられる。
言葉を急かされずに、自分のペースで選ぶことができる。
口の中でもぐもぐしていたものを、少しずつ外に出して、並べて、眺めて、ようやく「私はこう思っていたのか」と気付くこともある。
だから今日も私は、言葉をもぐもぐする。
すぐには飲み込めないし、うまく差し出せないことも多い。
それでも、自分の中にあるものをなかったことにはしたくないから。
いつか、ちゃんと誰かに渡せる形にできたらいい。
そんなことを思いながら、今日も私は、言葉をもぐもぐする。