
仕送りを辞めた日、子どもが見せた意外な変化
みんな、何のために働いているんだろう。
お金のため、生活のため、家族のため。
理由は人それぞれだと思う。
独身の頃の私は、
自分の欲しいものや旅行のために働いていた。
でも、子どもができてからは違った。
「家族が不自由しないように」
その一心で働くようになった。
仕事と家庭の両立に必死だった頃、
ふと頭をよぎったことがある。
——私、なんのために働いているんだっけ。
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上の子が大学生になり、県外で一人暮らしを始めた。
初めての生活に不安もあって、
最初は生活費をほとんど仕送りしていた。
そんなとき、夫に言われた。
「大学生なんだから、
少しは自分で生活する分くらいは
働いてなんとかさせた方がいいんじゃない?」
正直、すぐには納得できなかった。
心配の方が大きかったから。
でも同時に、どこかで思っていた。
「確かに、その通りかもしれない」と。
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まずは、現実を伝えてみることにした。
学費、家賃、光熱費。
生活にはこれだけお金がかかっていること。
「卒業しても一人暮らしを続けるなら、
自分で生活していくことになるよ」
そう話すと、子どもは驚いたように言った。
「そんなにかかってるの?生活できないじゃん」
その一言で、はっとした。
やっぱり、知らなければ分からないんだ。
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その後、子どもはコンビニでバイトを始めた。
最初は「大学が忙しい」と言っていたのに、
今では「楽しい」と話すようになった。
ある日、電話がかかってきた。
「お金の使い方が悪くて、
バイト代がなくなったから
少し振り込んでほしい」
でも、今までとは少し違った。
どこか申し訳なさそうで、遠慮があった。
そしてこう続けた。
「ちゃんと考えて使うようにする」
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それから、追加でお金を頼まれることは
ほとんどなくなった。
むしろ、
「いつもありがとう」と言ってくれるようになった。
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バイト先では、いろいろな人と関わっているらしい。
目の不自由な常連のお客さんが来たときは、
わかりやすく説明するようにしていると話してくれた。
その話を聞いたとき、思った。
ああ、この子は今、
親の手の中じゃなくて
社会の中で育っているんだな、と。
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これまで私は、
「困らせたくない」という思いで
与えることばかりを考えていた。
でも、気づいた。
守ることだけが、
子どものためじゃなかった。
体験すること。
自分で感じること。
その中でしか学べないことが、確かにある。
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子どもの成長を見て、
母親として素直に嬉しいと思った。
同時に、
この年になっても、子どもから
教えられることがあるんだと気づいた。
気づけば、子どもたちは
あっという間に前に進んでいる。
少し手を離したことで、
見えてきたものがあった。
下の子にも、塾代などお金の話をするようにした。
最初は「そんなにかかってるの?」と
驚いていたけれど、
最近では「働いて生活するって大変なんだね」と言うようになった。
お金のことは、
誰かがきちんと教えてくれるものではないのかもしれない。
知らないまま大きくなった私も、その一人だ。
だからこそ、
体験の中で学んでいくことには意味があるのだと思う。
体験してはじめて分かることがある。
そしてそれは、いつからでも遅くないのかもしれない。
忙しい毎日の中で、あとから気づいた
"小さな大切なこと"をまとめています。
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