
私、意外と大丈夫。
私が苦手なことのひとつは
「不測の事態」。
私に限らず、そういう人は多いと思う。
日々生きてると時々、予想もしていなかったことが起こることがある。
先々週のこと。
初めて出かけた大型スーパーの…
だだっ広い駐車場で…
車のエンジンが止まった。
買い物の間の、ほんの15分ほど停めておいた車のエンジンが突然かからなくなったのだ。
エンジンスイッチを何度も押してみたが、何も起こらない。
うんともすんとも言わない、という訳では無く、
『カチッ』
という小さな音だけはする。
こういう時、まさに不測の事態。
自分は混乱してパニックになるタイプだと思っていた。
ところが違った。
このスーパーの道路を挟んだ向かい側に大きなセルフ式のガソリンスタンドがあった。
「スタンドのスタッフなら何か分かるかも。
そしたら自分でどうにかできるかも。」
と考えて、すぐに聞きに行った。
スタッフの方を見つけて状況を説明した。
すると忙しいなか、それはそれは親切に聞いてくださった。そのうえで考えられることをいろいろと教えていただいたのだけど、
「申し訳ありませんが、私はここから離れられないので直接見ることはできなくて…申し訳ありません…」
「いえいえ!
こっちこそ急に押しかけてごめんなさい」
と、ささっとお礼を言って車に戻った。
その後車に詳しい夫にLINEすると、JAFに連絡するよう指示。
そこで早速連絡してみたが、私は家族会員ではなかったため料金が発生するという説明を受け愕然とした。(22000円!)
その後仕事中の夫とは連絡をとるのが難しくなってしまい、一瞬途方に暮れた。
しかし、この日の私は折れなかった。
次に思いついたのは、いつもお世話になっている車の修理工場の方。
友達ってほど大して親しい訳でもないその方を、私たち夫婦は勝手に
『大ちゃん』
と呼んで、とても頼りにしていた。
すぐにその、『大ちゃん』に電話してみた。
すると大ちゃんは、
「あー、だったら保険のロードサービスが使えるんじゃないですかねー?
もしロードサービス使えたら、うちに運んでもらってくださーい。
あ、もし保険の代車特約なかったら代車も出せますんでー」
と、いつものさらさらと飄々とした話し方で教えてくれた。
この時、車や保険に関してほとんど夫任せにしていたことを心から後悔した。
少なくとも、どんな保険に入っているかの話は聞いていたつもりだったのに、嘘みたいにまったく覚えていない。これには我ながら驚きを通り越して呆れた…がっかりした。
でも、ここで落ちこんではいられない。
車検証やなんかが入っているケースの中を探すと保険のロードサービスの連絡先のコピーを発見。
なんとかこれでロードサービスに連絡がついた。到着まで30分程かかかるということだったので、お昼を食べていなかった私はスーパーのベーカリーでピザを買い、食べながら待つことにした。
大ちゃんにも代車をお願いすることにして、連絡をした。
30分ほどで保険会社の提携整備工場の方やって来て、バッテリーのチェック。
ところが、バッテリーが原因ではなかった。
いろいろ見て結論、
「セルモーターがダメですねー。
車載トラック呼びますけど、どこにお運びしますか」
と訊かれ、大ちゃんの工場の連絡先と名前を伝えた。
ここでもうひとつロードサービスの方に訊かれた。
「今日はこれからどうしますか?バスとか?
代車は呼べますか?」
「え?これから?どうする?」
そうだった…
バタバタし過ぎてか、はたまた年齢のせいか、次々といろいろなことが抜け落ちていく。
大ちゃんは小さな整備工場をひとりで回しているため、お迎えには来てもらえないということをすっかり忘れていた。しかも、工場はここからかなり離れた場所にある。
(ここで改めて保険の内容を見てみると、タクシーなどを使って帰宅した場合の料金をカバーしてくれる保障はあった。)
「どうしよう…」
悩んだ。
悩んだ末に私は、
「お義父さんにお迎えに来ていただく!
そして代車は明日取りに行く!」
という結論を出した。
緊張しながら電話をかけると、すぐにお義母さんが出た。
(実は私は電話も苦手。ふだんはほとんどかけることはない)
状況を説明すると、
「お父さんと直接話したほうがいいね。
お父さんと電話変わるね。」
少ししてお義父さんが出た。
再び状況、場所などを説明すると、
「いいよー」
と、あっさり。
その声が少し笑っていて、その笑顔が想像出来た瞬間、一気にほっとして力が抜けた。
実はこの日まで、私がひとりで何かをお願いしたことはほとんどなかった。
何か頼むときは夫が間に入るのが常。
仲が悪いという訳では無く、義父母との関係はむしろ非常に良好。
ちなみに我が家は2世帯同居なのだが、
これまでもふだんはお互いに干渉し過ぎず、でも必要なときはちゃんと頼ることができていた。これもひとえに義父母の人間性によるところが大きいと思う。
なんやかんやありながら、おかげさまで無事に帰宅。
翌日には大ちゃんのところへ代車を受け取りに行くことになり、そこへもお義父さんに送ってもらえることになった。
多謝。
今回改めて思ったことがある。
私は“だんだんに”大丈夫になったんだな、
ということ。
それはシンプルに、
“歳を重ねた”
“経験値を積んだ”
ということなんだろうなと思う。
伊達にこの年月生きてないもん。
イヤだった生い立ちや家庭環境も、
親の言いなりににしかできなかったことも、
摂食障害を20年近く患ったことも、
正規雇用で働いた経験がないことも、
何をやっても長続きしなかったことも、
前の結婚も、前夫のDVも、出産も、離婚も、
障害児育児も。
ずっと自分にはネガティブ要素しかないと思っていた。でもその中で必死に生きてきた全ての経験が、私の中にちゃんと蓄積されて、だんだんに私の
「大丈夫」を作ったんだ。
もちろんそんな経験はしない方がよかったと思う。もっと早い時期にいろいろ気づけていたら、もっとラクに生きることができたかもしれない。そのうえ私には、未だに許せていない人やことがたくさんある。
でも意外と大丈夫、生きていける。
実際、生きてこれたし。
何かあったらいろんな人が助けてくれるし。
怖いことや不安があっても、多分大丈夫。
ちなみにその翌日。
お義父さんの運転で代車を借りに行くと、予定より早めに修理が終わっていた。
ほっとして車を引き取り、そのまま諸々の用事を済ませた。その帰りに給油をしようと立ち寄った近所のガソリンスタンドで…
またエンジンが止まった。
2日間で2回、もう笑うしかない。
でも経験値を積んだ、意外と大丈夫な私は迅速に対応出来た。
スタンドの方に声をかけ、邪魔にならない場所に車を移動してもらった。
その後ロードサービスを手配して、大ちゃんに連絡。
その時、ガソリンスタンドの方がバッテリーのチェックをしながら、
「でもスタンドだったから良かったですよね!路上で止まらなくて。」
と言ってくれた。
確かに!
昨日もだだっ広い駐車場だったしなー。
なんやかんやツイてるかもな。
良かった良かった。
そう思える私になれて良かった。