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ギリシア神話の話 ナルキッ゜ス

    はる

    䞖に矎しいものは数あれど最も矎しいものは䜕か知っおいるか
    答えは簡単、それは僕のこずだ。
    子䟛の頃から「あれもしかしお僕っお矎少幎」ず思っおはいたものの、倧人になった今でも矎しいたた。
    道行く人はみんな振り返るし、むンスタに僕の写真をあげれば䞇バズ䜙裕だし、繁華街に行けば「芞胜界に興味ないかい」っお名刺を毎床枡される。

    ある時届け物が僕の家にやっおきた。
    誰からだろう。たた僕のファンからきた投げ銭か䜕かかず思い぀぀も包み玙を開ける。
    ファンからの莈り物であるこずは間違いないが、凄いファンがいたものだ。倩界の女神アフロディテからの届け物だった。
    秋物のスカヌフが入っおいお䞭には「今幎の新䜜を送りたす。 矎の女神アフロディテより」ずだけ曞いおあった。
    なかなかいいセンスのスカヌフじゃないかず思ったが、解せない。手玙が解せない。
    最も矎しい僕ずいう存圚を差し眮いお『矎の女神』っお名乗るずは、随分ず神はものを知らないらしい。
    気に入ったスカヌフだったが、明日の燃えるゎミの日にでもだしおしたおう、ずゎミ箱にたたき蟌んだ。

    その晩、僕は䞍思議な倢を芋た。

    倢の䞭に矎の女神笑が珟れおこう蚀ったんだ。
    「私のプレれントを捚おるなんおいい床胞ね。貎方にはもうひず぀プレれントをあげる」
    僕が怪蚝な顔をしおいるず女神は僕の頭に手をかざし
    「あなたは自分が倧奜きなようだから、決しお他の誰のものにもならないようにしおあげるわね」
    女神はそう蚀い笑うず僕の頭をトンッず抌した。
    僕はどこかぞ萜ちるのを感じた。
    遠くに芋える光を芋お分かったここはオリュンポス神殿だったんだ。

    目が芚めた僕は背䞭に冷たい汗を倚量にかいおるのに気づいた。
    「䞍思議な倢だったな」
    ず呟きたずは汗を流すために近所の銭湯ぞ向かうこずにした。

    僕は昔から男女問わずモテる。もうモテモテである。おじさんにもよくモテる。そのオゞサンは僕のこずが奜きすぎお䜕か知らんけど自殺しおた。
    そんな僕にたた恋する子がやっおきた。その子の名前は森の劖粟で゚コヌっおいう名前らしい。
    ”らしい”っおのはその子が自分から名乗ったわけじゃなく共通の友人から聞いたからだ。

    今日も朚陰で自䜜のハンモックに寝そべっおいるず圌女がやっおきた。
    「元気かい」
    「元気」
    い぀も通り僕の蚀葉を繰り返すだけの圌女。
    最初の内はそれも楜しかった。
    「僕っお最高に矎しいよね」
    「最高に矎しいよね」
    「神様の最高傑䜜は僕のこずだよね」
    「最高傑䜜だよね」
    「君はここにいお楜しい」
    「楜しい」
    「最高に矎しい僕のこずを眺めるだけで楜しいなんお幞せ者だね」
    「幞せ者だね」
    他愛ない䌚話を繰り返しおいおも、圌女が返しおくるのはこだたのような蚀葉だけ。
    正盎段々飜きおきた。
    䌚話のレパヌトリヌが少なすぎる。

    あるずき僕は぀いにいら立ちを圌女にぶ぀けるこずにした。
    「もっず語圙力ある圢で僕を耒めおよ」
    「語圙力・・・」
    「たくさん耒めおくれなきゃ぀たらないよ」
    「たくさん耒める」
    「隣の客はよく柿食う客だ」
    「隣のきゃき・・・」
    「もうここに来ないでくれ、退屈だ」
    そういうず圌女は呚囲に溶け蟌むように消えおしたった。
    蟺りは圌女の「きゃき・・・」ずいう声だけが響いた。

    そしお圌女の声も聞こえなくなった。
    僕はい぀の間にか寝おしたっおいたようだ。
    森の䞭のハンモックで寝る僕、なんず絵になる光景だろう。
    その光景を頭に浮かべながらハンモックから降りるず、目の前に䞀人の女性が珟れた。

    「私はネメシス。埩讐の女神ネメシスだ」
    「埩習・・・」
    「そっちではないリベンゞの方だ。」
    うっかり凡ミスする僕もなんお愛らしいんだろうず思ったのに、目の前の女性はピクリずも笑わない。
    「お前は神の眷属である゚コヌを傷぀けた、眰を䞎える」
    そういうずネメシスは僕に向かっお手のひらをひらひらず泳がせた。
    「たた女神から眰せられるのか、どんな眰だずいうんだい」
    「お前は他人ぞ愛を広めない、だから自分自身しか愛せないようにしおやった」
    「そうかい」
    僕は女神の蚀葉に錻で笑うず
    「もずもず僕は自分しか愛しおないから䜕も倉わらない」
    ず蚀っおやった。
    ネメシスは呆れたような顔で僕を芋぀める。
    やっぱり女神であっおも僕を芋぀めおしたうほど僕は矎しいずいうのか。なんず眪深い存圚なんだろう。
    僕がそんなこずを考えおいるずネメシスは僕に
    「お前はただ寝起きだろう矎しい顔を掗顔しなくお良いのか」
    ず僕の心配をしおくれた。
    そうだね確かに。どんなに矎しい僕の顔でも目ダニずペダレたみれだったら少しテン䞋げしちゃうよな。
    目の前の泉で顔を掗うずするか。

    「えっ」
    僕は泉を芋お驚いた。
    「なんお矎しい人なんだ」
    泉に映った人のあたりの矎しさに僕の心は早鐘を打った。
    「あれ僕僕こんなに矎しかったっけ・・・」
    僕は泉から目を離せなくなった、自分自身に恋をしおしたったから。
    ここで目を離したらもう䌚えなくなるかもず思うず、目を逞らすわけにはいかない。

    そしお僕はこの泉で気付けば花になっおいた。
    泉には今でも僕のように綺麗な氎仙の花が咲き乱れ、旅人が近づくず「きゃき・・・」ずいう声だけがどこからずもなく響くずいう。

    ─────和名スむセンの花は掋名ではナルシスず呌ばれる。

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    『ナルキッ゜ス』 カラノァッゞョ䜜 16侖简
     
     
     

    はる

     
     
    物曞き、物語からコラムたで気になる題材あればなんでも曞きたす。 ゲヌマヌ、電源非電源問わずモノポリヌからRTSたでなんでもやりたす。 仕事は随時募集䞭。