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私小説【にの぀ぎにんげん】前線

    ※ これはnote創䜜倧賞2026ぞの応募䜜品です
    ─────────────────
     その日、えみちゃんが「にの぀ぎにんげん」をやめた。
    きっかけはケンちゃん。えみちゃんを少しの間奜きだった男の子。
    えみちゃんは28歳、恋倚き女であったが、経隓した䞭でも䞀番悲しい恋ずなった。
    ‚ケンちゃんは26歳、えみちゃんによっお童貞を卒業させおもらった男であった。

     その日はケンちゃんにずっお人生で類を芋ないほど最悪な出来事が続く日だった。
    電車では知らないおっさんに30分ほど足を螏たれ続けた。自信を持っおやった䜜業が実はかなり倧きな勘違いをしおいた。誰のものかわからない倱敗が自分のせいになった。
    午前の仕事が終わり、お昌ご飯。瀟員食堂のテレビはい぀もニュヌスが流れおいる。
    あるニュヌスに芋知った顔があった。幞せな倧型犬みたいな笑顔で䌚芋に臚んでいるパンツスヌツ姿の女の人。
    えみちゃんだった。ペンネヌムこそ違うけれど、間違いなくえみちゃん。ケンちゃんの元カノ。
    えみちゃんは䜕か倧きな文孊賞を取ったらしく、授賞匏の様子が報道されおいた。
    ケンちゃんは胞に重い石が茉せられる感芚があった。埌悔が少し。䜕より倧きいのは心を八方から刺すような矚望。
    「えみちゃん」
    メラミンのお盆は軜いはずなのに、い぀もよりずっず重くお、ケンちゃんは掗い堎たで持っおいくのが憂鬱だった。

    ‚ ケンちゃんずえみちゃんはマッチングアプリをきっかけに出䌚った。‚ケンちゃんから芋おアプリの女達はみんな加工でどこずなく䌌た写真になっおいた。えみちゃんだけは違った。
    えみちゃんの写真には加工特有のがんやりしたフィルタヌや倉に顔に艶が出る加工が䞀切なかった。加工がなくずもぱっちりした目。倚分染めたこずがないであろうナチュラルな黒髪ロングヘア。誰かに呌ばれお振り向いたような満面の笑み。笑うず癜いほっぺがふっくらしお幞せな倧型犬みたいだった。‚‚そんな愛嬌のあるプロフィヌル画像のおかげでか、えみちゃんはアプリでトップレベルのいいねをもらっおいた。
    ケンちゃんは半幎ぐらいアプリをやっおいた。毎月皋よく課金をしおいたが、出䌚えた人は二人。そのうち䞀人はおそらくマルチ。
    ケンちゃんはアプリに流星の劂く珟れおナチュラルに可愛くおやたらいいねをもらうえみちゃんをサクラでは無いかず思った。‚‚けれど実際のプロフィヌルでケンちゃんは䞀瞬で恋に萜ちた。
    えみ 28才
    ‚「はじめたしおえみです✚‚商瀟の営業事務で働いおいたす
    奜きなものは猫ちゃんずハムちゃんです🐈‍⬛🐹‚い぀かお迎えしたいず思っおいたす♪
    䌑日は矎味しいものを食べにお出かけするのが奜きです✚‚おすすめのお店あれば教えおください🍺
    よろしくお願いしたす🙇‍♀  」
    サクラにはこの文は曞けない。童貞のケンちゃんはそう信じきっおいた。
    ケンちゃんはいいねを送る事にした。‚すぐにありがずうが垰っおきた。‚ケンちゃんは内心浮き足だっおいた。早速デヌトに誘う事にした。

    ケン‚「はじめたしおマッチングありがずうございたす😊‚ケンです‌‚早速ですが、お䌚いしたいので、盎近で䌚える日を教えおください」 
    えみ‚「はじめたしおえみです✚よろしくお願いしたす🙇‍♀‚今週土曜日空いおたすよ☺」
    ケン‚「ありがずうございたす♪‚ちなみに最寄駅を教えおもらっおもいいですか」
    えみ‚「䞭曞島駅です✚」
    ケン‚「ありがずうございたす♪‚でしたらその沿線付近でカフェ行きたせんか☕」
    えみ‚「ケンさんはどちらですか❓👀」
    ケン‚「僕は長岡京駅ですね」
    えみ‚「じゃあその䞭間の京郜河原町駅でデヌトにしたせんか❓👀」
    ケン‚「いいですね♪助かりたす☺‚13時に6番入口で埅ち合わせたせんか‚お店探したす」
    えみ‚「りょうかいです‚ありがずうございたす✚」

    ‹(こんなキラキラした文面ではあったが、えみちゃんはちょうどその頃、家族が差し向けた42歳のお芋合い盞手からのモラハラず特殊な性癖に耐えかねお、どうにかこうにか逃げ出したずころだった。)

    ケンちゃんは目に芋えおワクワクするようになった。‚職堎の同僚に「䜕かいい事ありたした」ず蚀われるほどに。‚‚ケンちゃんは日課のゞム通いをより䞀局匷めたり、アプリのモテ女たるえみちゃんずの出䌚いに向けお玠敵なお店を探したり、充実した1週間を送った。
    無事に1週間を終え、土曜日を迎えた。‚‚京郜河原町駅の6番出口。13時。‚写真通りの玠敵な女の子、えみちゃんがいた。‚いや、写真より、実物の方が可愛い。‚ケンちゃんは昂る興奮を抑えお、えみちゃんに話しかけた。‚‚

    「えみさん、ですよね」
    ‚‚えみちゃんはプロフィヌルどおりの倧型犬のような満面の笑みで答えた。
    ‚‚「そうです‚ケンさんですよねはじめたしお」

    そのたた近くのむギリスをモチヌフにしたカフェに入った。‚ケンちゃんはコヌヒヌが飲めないから玅茶が良かったし、えみちゃんはアメリカよりむギリスっぜい雰囲気でもあったからちょうど良いかもしれないず思ったのだった。‚‚ケンちゃんはミルクティヌず掋梚のタルト、えみちゃんはストレヌトの玅茶ず季節のパンケヌキを泚文した。‚
    ‚ ケンちゃんはドキドキしおいるこずがバレないようあたり觊りの無い䌚話から始めるこずにした。

    「はじめたしお。」
    ‚「はじめたしお䌚えお嬉しいです」
    ‚「ありがずうございたす。甘いものずか奜きなんですか」
    ‚「ええ時々䜜ったりもしたすよ」
    ‚「うわ、いいなヌ。俺、料理はからっきしで。埗意なものずかあるんですか」
    ‚「甘いものだったら硬いプリンずにんじんケヌキずかですかね。ご飯系だったら、なんだろう、茶碗蒞しずかですかねヌ」
    ‚「うわヌ、すっごい。食べおみたいです」
    ‚「ぞぞヌ、ありがずうございたす。」

    ケンちゃんにずっおえみちゃんは返答も衚情も、すべおが玠敵に芋えおいた。芁は䞀目惚れ。えみちゃんの方が幎䞊のはずなのに、なんかやたら可愛い。いわゆる結婚適霢期の女の人はもっずサバサバギスギスしおいるものをむメヌゞしおいたケンちゃんはえみちゃんにゟッコンだった。䜕よりえみちゃんには写真では芋えなかったけれど、たわわなおっぱいもあった
    ケンちゃんはしっかりえみちゃんの分もお䌚蚈を出した。えみちゃんは倧型犬の笑みでケンちゃんにお瀌を蚀った。

    「ご銳走様です䌚えおよかったです」
    「こちらこそです よかったら、LINEを亀換したせんか」
    「もちです」

     結局ケンちゃんはその日、早く仕事を切り䞊げお本屋に向かった。えみちゃんのペンネヌムの䜜品を䞀床芋おやろうず思った。雚がざあざあ降る䞭、靎䞋たでびしょ濡れになっおえみちゃんの本を探した。すぐに芋぀かった。倧きい賞だったから店頭でポップたで䜜られお、特蚭コヌナヌで平積みになっおいた。別れおすぐ、えみちゃんの方からLINEをブロックした。僅差でケンちゃんもブロックした。
    ケンちゃんはニュヌスを芋お、ブロックを解陀しおメッセヌゞを送った。
    ちゃらくならないように。でも自分はただ想っおるずいうこずも䌝えられるように。でも気軜に。本圓に理由があっお自分達は別れるこずにしたのだず䌝わるように。

    「久しぶり。ニュヌス芋たよ。すごいじゃん。䞀回どこかで䌚わない」
    「お久しぶりです。ニュヌス芋たした。䞀回䌚えたせんか」

    最埌にどうしゃべっおいたかも芚えおいないから2パタヌン䜜っおみる。結局気軜さはないけれど埌者を送っおみる。

    思えばえみちゃんず付き合っおいたのは1ヶ月くらい。けれど別れ際、えみちゃんはすごく泣いおいた。泣く理由は、この䜜品だったのだず思う。えみちゃんが文孊賞をずった短線小説にはケンちゃんをモデルにした人物が登堎しおいた。あたりにもケンちゃん。家族か誰か、近い人間が芋たらわかるほど緻密な描写だった。
    えみちゃんず付き合っおケンちゃんはなぜか自分ばっかりがえみちゃんを奜きなような、そんな感芚に襲われおいた。けれどこの䜜品で、えみちゃんはえみちゃんなりにケンちゃんを愛しおいたずわかった。

    ケンちゃんはその日あたりにもダメな日だったけれど、やたら懐かしくおシクシク痛むのに、久々に䌚えお嬉しいような、そんな感情が霧のように胞を芆っおいた。

     ケンちゃんは2回目のデヌトでえみちゃんに告癜した。2回目のデヌトはえみちゃんにぎったりのおしゃれなビストロを遞んだ。倜はバヌずしおも営業しおいるのでい぀か行っおみおもいいかなず思ったり。ケンちゃんはお酒が飲めないけれど。
    ランチのメニュヌは前菜にサラダが出お、メむン料理に立掟なステヌキが出た。えみちゃんは意倖ず犬歯が鋭くおよく肉奜きにみられるこずを笑いながらしゃべった。ケンちゃんも思わず笑った。笑い方が犬っぜいずずっず思っおいたから。食埌にケンちゃんはハヌブティヌ、えみちゃんぱスプレッ゜を泚文した。
    ビストロは京郜タワヌの近くにあった。぀いでに京郜駅内を散歩するのにぎったりな、たるで自分達が祝犏されおいるような少し肌寒くお、冬の始たりの透明な空気が満ちた日が暖かい優しい倩気だった。
    ランチを食べ終えるずケンちゃんは腹ごなしに散歩をしようず提案した。えみちゃんは笑顔でいいよず答えた。

    ケンちゃんは自分が祝犏されおいるような気分だった。えみちゃんず出䌚うたでケンちゃんはたくさん努力をしたから。いい倧孊に入るこず。立掟な孊歎を぀けるこず。遞ばれる人間であるこず。
    ずっず欲しかったものが目の前に居る。

    「付き合いたしょう」
    「えっ」
    「話しおお、なんかいい感じだったから、付き合っおほしい」
    「私でいいの幎䞊だよ」

    その答えですら、ケンちゃんには愛おしかった。愛おしいず思えた時期があった。
    えみちゃんず䌚ったのは結局5回だけだったのに。

     えみちゃんは疲れ果おおいた。42歳のお芋合い盞手に぀いおだ。家族、䞻に母から「いい人だから是非䌚っおみお」ずお薊めされ、京郜駅盎結ホテルグランノィアの䞭にある喫茶店でお芋合いをした人だった。確かにいい人ではあった。でも誰かが蚀ういい人ずはおそらく「自分ずは合わないが誰か異性を求める奎に勧めたらいい人リストの䞭にいる奎」ず蚀うこずで実際のずころあんたり印象に残らない人だずこっそり思っおいる。

    䞀幎前にお芋合いをした。実際お金はあるらしく、ロヌンを組んでマンションも買っお、株だかNISAだかを運甚できるくらいにはお金に匷い人だった。
    お断りはせず詊しに付き合っおみた。でも実際のずころ、42歳でようやく焊っお子䟛が欲しいからお芋合いをしおいたり、運動䞍足で匛んだ䜓の割にはえみちゃんに「倪るなよ」ず蚀っおきたたり、なんずも無様な男でえみちゃんはうんざりしおいた。䜕より初めおのセックスもそれ以降のセックスにも、スケスケのブルマだ安っぜい生地のセヌラヌ服だを持ち出しお「これ着お、同玚生だず思っお、䞊に乗っおほしい」ず蚀い始めたり。えみちゃんはできるだけセックスを拒吊したが、その床盞手は苛立っおいった。孊生時代にある皋床の自尊心を育たないず金は持っおいおもこうなっおしたうのか。(コスプレの内容からおそらくこい぀は孊生時代にコンプレックスがあるずえみちゃんは分析した)醜い成れの果おをえみちゃんは䜓感した。同時に自分が悲しくなった。自分はこんな人にふさわしいかお薊めされるくらい嫌われおいるのか。それずも結婚しおいない女は「やばい」から結婚の看板だけを䞎えようずしおいるのか。
    えみちゃんはえみちゃんにこのお芋合い盞手を薊めた人たちず党おの瞁を切る事にした。
    そこで始めおみたのがマッチングアプリ。えみちゃんはマッチングアプリが間違いなく苊手だったけれど、お芋合い盞手よりも間違いなくいい人がいるず蚀う確蚌があった。えみちゃんはい぀か撮っお自分らしいず蚀われた写真のいく぀かず、運営がお薊めするプロフィヌル文をアレンゞしお登録した。
    初心者だったからかすぐにいいねが来た。その䞭で䜕人か䜏んでいる堎所が近そうで、わかりやすい人。その䞭にケンちゃんがいた。

    ケン 26才

    「プロフィヌルをご芧いただきありがずうございたす。
    ○○補䜜所 本瀟で勀務しおいたす。
    仕事も萜ち着いおきたのでいい関係になれる人がいればず思い登録したした。
    よろしくお願いしたす。
    【孊歎】
    ○○倧孊 博士課皋卒
    【趣味】
    筋トレ
    ラむブ
    お笑い
    サりナ
    カフェ巡り」

    えみちゃんはずりあえずこの人ず䌚っおみるこずにした。ケンちゃんは写真でもわかるくらい、芋た目に特城があったから。えみちゃんにずっお、その特城があったからこそ、䌚っおみようず思えたのだった。

     えみちゃんから返事が来たのは3日埌だった。ケンちゃんは通知ず画面に衚瀺された名前ずアむコンをみた瞬間心臓が匟け飛びそうだった。別れた3幎前からアむコンも名前も倉わっおいなかった。えみちゃんは倚分ただ結婚をしおいない事実にケンちゃんはドキドキしながらも安堵しおいた。

    「久しぶり。ありがずう。」
    「今床䌚えるできれば土日がいいんだけど」
    「いいよ。今週の土曜日でいいかな」
    「うん。JR京郜駅䞭倮口で14時でいいかな」
    「了解」

    最初のやりずりずは打っお倉わっおあっさりしたメッセヌゞ。䞀床ブロックしおいたからやりずりは䞀切残っおいない。

     回目のデヌトで焌肉ぞ行ったこずは芚えおいる。
    よりお互いを知ろうず、食べ攟題で色んな話をした。
    えみちゃんは意倖ず酒豪だった。ケンちゃんは䞀滎もお酒が飲めないのでずっずゞンゞャヌ゚ヌルかコヌラを飲んでいた。

    「ケンちゃんお酒飲めないんだね」
    「うん。家族も酒飲めないんだ。効だけやたら飲むけど」
    「えヌ、じゃあ効ちゃんず話合いそう」
    「かもね。えみちゃん、兄匟いる」
    「   いない。ひずりっこ」
    「ぞぇヌ、意倖。姉っぜい」
    「よく蚀われるヌ。䞖話焌きなんだよね。」
    「かもね。俺も結構䞖話焌き。」
    「セッティング䞊手だもんね。嬉しい」
    「そんな耒めおもらうこずじゃないよ。」
    「私は嬉しいよ。そういえば圌女いたんだっけ」
    「   うん。倧孊でできたけど、院に進んで色々しおる間に連絡取らなくなった。えみちゃんは元カレずかいる」
    「元カレ、ずいうかお芋合いかな。母の薊めで。」
    「なんかすごい䞖界が来た」
    「倧したこずじゃないよヌ。42歳の人ず䞀幎付き合っおみたけど、色々あっお。」
    「えみちゃんも倧倉だったんだね」
    「でもケンちゃんず䌚えお、すごく嬉しい」
    「俺も」

    ケンちゃんも、えみちゃんも、この時お互いに䞀぀ず぀嘘を぀いた。
    ケンちゃんは圌女がいたこずがない。でもケンちゃんはデヌトをリヌドできる䜙裕が自分にある事の蚌明に圌女がいた時期があるずいうこずにした。
    えみちゃんの嘘は兄匟構成。
    えみちゃんには匟がいた。けれどもう10幎ほど前に事故で亡くなった。
    お互いに倚分蚀わない方が良いず思ったこずだった。

    この日もケンちゃんはちょっずした眪悪感から奢るず蚀ったが、えみちゃんも眪悪感があったからお互い割り勘にした。
    この時の二人はどこか同じ気持ちを抱えおいた。

     ケンちゃんは恋をした事がない男ずいう蚳ではない。倧孊時代奜きな同じ孊幎に奜きな女の子が居た。
    勇気を出しお告癜した。玉砕した。
    1番蟛かったのは、その事実を孊幎のLINEグルヌプに冗談めかしお拡散された。

    「ギョロ目が告癜しおきたww笑えたw」
    「えたじ」
    「りケる」

    ギョロ目はケンちゃんの事だ。
    ケンちゃんはすぐに孊幎LINEグルヌプの通知を切った。
    奜きで、玠敵だず思った女の子は内心ずっず自分の事を芋䞋しおいた事実が䜕よりも蟛かった。
    ケンちゃんは女の子もそれを笑う同玚生も芋䞋しおいた。芋䞋す人間であろうず思った。ずにかく勉匷した。卒業しお就職しお䌚瀟でぞえこら営業で駆けずり回る人間になるより、ずにかく頭で勝負しようず思った。博士号たで取った。
    悔しさを歊噚にケンちゃんは登り詰めた。
    登り詰めただけのものが欲しかった。
    マッチングアプリの人気者の、えみちゃん。
    かわいくお、おっぱいが倧きくお、色んな人が求めるであろう女の人。それが自分のものになっおいる喜び。


    結局ケンちゃんはえみちゃんず別れお半幎くらいしおも良い人ず出䌚えなかったのでそのたたアプリをやめた。別のアプリも始めおみようかず思ったが、えみちゃん二の舞になりそうだったのでやめた。
    結局のずころケンちゃんは、自分が芋䞋せるであろう存圚自分の心を匕っ掻き回すのを良しずできなかった。

    ケンちゃんにずっお恋も愛も、欲しくおも受け取れない異物だったけれど、ケンちゃんはその事実を自分でも気づけなかった。

     ケンちゃんは4回目のデヌトでえみちゃんを抱くこずにした。
    ラブホテルに行った事はなかったし、ケンちゃんの家は瀟宅だったので、えみちゃんの家で始めおを枈たせようず思った。
    次のデヌトに぀いお、電話しようず玄束しおいた。
    「ケンちゃヌん、お぀かれさた」
    「えみちゃんもお疲れ。今倧䞈倫」
    「うん、倧䞈倫よヌ。次のデヌトやんね」
    「うん。あのさ、えみちゃんの家っお䞭曞島駅近くであっおたっけ」
    「そうよヌ。行きたいずころあるの」
    「あヌ、えっず、䞲カツそう䞲カツで、いいずこあるっおむンスタで芋おん」
    「あヌ、倚分あの店かな最近バズっおた」
    「そうそうそこ行きたいなヌっおおもっお。それで   」
    「うん」
    「倜営業だし、俺、できたら泊たりたいなヌっお、思っおお」
    「私の家に」
    「うん」
    「   いいよ」
    「え、ありがずう」
    「掃陀しずくね。散らかっおるんだヌ」
    「倚分俺の家の方が汚いで」

    ケンちゃんは内心ガッツポヌズを決めた。
    そしおしばらく自慰は控えるこずにした。






     
     
    「生きづらくずも、生きる。」 架空結瀟ハリヌ商䌚は、䞀人芝居を通じお 生きる尊さ を描く結瀟です。 䞀人芝居歎5幎。目指せ党囜䞀人芝居ツアヌ。京郜・倧阪を拠点に、芳る者の心に刺さる䜜品を創䜜・䞊挔しおいたす。 壊されながら生きる 人々ぞ愛を蟌めお。

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