
Part1「働かないおじさん」だって覚醒するぞ!~役職定年からが勝負(50代・60代の皆さまへ)
目次
(今回)Part1
第1章 シニア研修 ?これから「わたし」に何が始まる?
第2章 「働かないおじさん」って何?
第3章 「働かないおじさん」が覚醒する!
(次回)Part2
第4章 再出発のために「前倒しで退職」するときの制度を理解しておこう!
1)定年前にあるかもしれない「前倒しの退職」
2)そこで、気になる注意点だけ「そっと」お話します
3)再起動する働き方の選択
この記事のPart1~Part3をシニアへの「応援歌」にしたいですね。でも足元のつらい試練についても、Part2で前向きに語ってみます…
🔳Part1シニア研修 ?これから「わたし」に何が始まる?
50代に突入する前に「ついにきた!」となった人は多いでしょうね。
「ライフプラン研修」や「キャリアデザイン研修」というのかもしれません。
今や本格的な「アクティブシニア」の時代に突入しています。「シニア研修」は、役職定年や再雇用後のマネープラン(公的年金や企業年金の受給額、退職金の受け取り方、高年齢雇用継続給付や健康保険制度の説明)とキャリアデザイン(進路や役割の再定義=管理職のプライドを捨てて自立せよ)について丁寧に解説してくれるものです。
40台で聞かされても大抵しっくりこない話で、ついやりすごしてしまいますが、人生第2のスタートへ向けた号砲ぐらいに考えて、「なぜそうなのか」を徹底的に考えた上で、次なる自立の決断に生かしていきましょう!小生の経験も出しますから、その疑問の整理の一助にしてください。
🔳「働かないおじさん」って何?
「これ」は「保育園落ちた日本死ね!!!」と同じようにSNS経由で拡散した厳しい世相を反映した言葉でしたね。マスメディアがSNSに便乗する時代になったので、キャッチ―なネーミングをつけられ、可視化された中高年世代は十把一絡げにされて、いささか苛立ちを覚えましたね(笑)
「これ」は、しらない間に「あなた」が言われているかもしれません。なぜならターゲットになっているのは①「バブル期の大量採用世代(1988~1992年入社の56~60歳)」と②「就職氷河期(1993年~2005年入社の44歳~55歳)」の幅広い層だからです。
`①の世代は青田買い大量採用世代でポストは得たものの、管理職の「出口」が渋滞している層です(大企業が65歳定年延長を戦略的に対応する層です)②はその①世代にポストを占拠され昇進のチャンスを失った世代になります。
私の子供はさらにその下の世代で②の悲哀をみており、従来の「メンバーシップ型」組織に疑問を感じる人やポスト滞留から早めに転職活動を考えている世代と思われます。
実際に私は①のバブル世代の入社研修トレーナーをやった経験がありますが、言い方は悪いですが、まさに「玉石混淆」世代で、優秀な人材も多く、上位層が今や経営の中核になっており、一方で経営に残れなかった層では、ポストオフの喪失感は想像に難くありません。
会社がいくら「シニア研修」で警告を発していたとしても2012年高年齢雇用安定法の改正で65歳までの雇用が希望者全員を対象に義務化されたこと(25年4月に経過措置も終了し完全施行)から、会社に残ることができると安心した層(60歳定年の切迫感なく、自立性に影響)と会社がその年代層への職務開発を怠った(法改正への受け身の対応)という両方の責任が、こんにちの①層のモチベーションにつながっていると考えます。
SNS世代は、それを敏感に感じ取ったわけですが、特定の年齢層や性別で表現したほうが、SNS世代の「受け」はよく、対象世代の男子には屈辱的な表現となったと想像します。
私自身は役職定年後、すぐに関連会社に転出しましたし、ミッションが異業種になりました。もちろん給料は大幅減になりましたが、繁忙な仕事で、ポストオフを実感しないまま、細かいことを考える余裕もなく、相変わらず会社の方針に引っ張られていました。
しかし、今考えると、そこから定年に至る5年間の過ごし方がとても大事だったと自戒を込めて実感しています。その期間に認知症の父の遠距離介護問題が起きたことはすでにお話しました。(Part3以降で、リスキリングや副業のお話をします)
会社がシニア雇用の高年法などの法的リスクを回避し、いかに企業のコストを抑えるかに注力せざるをえなかったのかは理解できます。
シニアをポストオフしなければ新陳代謝が図れない一方で、メンバーシップ型でポストを得てきた層は旧来のプライドや人間関係が障壁となりやすく、簡単にコスト化することが目に見えていたからです。
この間の企業の受け身の姿勢により、役割・成果に見合った評価・賃金制度への移行やシニアのキャリア支援の態勢構築に10年以上の歳月がかかってしまいました。
しかし、もう一方の「働かないおじさん」と言われる②の就職氷河期世代も、65歳雇用の正式義務化、70歳雇用の努力義務化(高年法)に加え、働き方改革の見直しによる労基法改正が検討される時代の中にいます。
彼らには、いずれ企業の「50代からの給与カーブの見直し」つまりフラット化が直撃しますが、役職定年後は職務記述書などでの役割(専門職や育成など)の明示が進み、テレワークなどを含むワークライフバランス型の働き方の再設定やリスキリング支援、副業を認める方向で動くと思います。シニアの転職市場も広がるし、フリーランスの働き方もよいかもしれませんね。チャンス拡大の変化に備え、バブル世代を超えた価値観で自立せよ!と叫びたい…(笑)
🔳「働かないおじさん」が覚醒する!
「働かないおじさん」①②世代ともに再活性化する時代は到来しつつあります。企業は若手採用が激減する中、人手不足に見舞われており、バブル期世代が60歳を迎え大量退職するのも困り、「計算できる戦力」化を目指さざるを得なくなりました。
また、従来「同一労働同一賃金」であっても再雇用嘱託の一定の給与ダウンは「その他事情」(定年再雇用や年金受給を理由として)で判例でも正当化されてきました。
しかしパートタイム・有期雇用労働法では、正社員との待遇差の説明義務も強化され訴訟リスクも出てくることから、先端的な大企業では、戦略的に50代からの賃金上昇をやめ、給与カーブをフラット化する賃金規程(ルール)の変更を進めるようになり、生涯賃金総額を変えずに60代を処遇し、65歳定年延長にも取り組みだしました。
環境到来により、会社は従業員への「役割の再提示」を行い、従業員は「自分の価値を再点検し会社依存から脱却」する時代になりつつあると言えます。
あなたの腕の磨き方次第であなたは「強い売り手」になれるかもしれません。私の実感から①世代であっても役職定年から以降をどう過ごすかが大事と申し上げました。
働き方を自ら考え、会社に貢献するも転職するもよし、ワークライフバランスで可能ならば副業やフリーランスを選択するもよし。徐々にではありますが、私の退職時よりも社内外でのチャンスが広がりそうです。
私自身が覚醒していたわけではありません。ただ、今より機会が少ない世代とはいえ、ちょっと生生しくて恐縮ですが、自戒を込めて覚醒の仕方についてPart3でヒントになりそうな方法を探ってみます。(終わり)
(次回は退職時イベントの注意点や定年時の選択についてのお話です)