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【こんなこずなら補助金6,000䞇円貰わなきゃよかった。】第2話狂気の事業蚈画

    あらすじ
    コロナ犍で突劂始たった囜による「事業再構築補助金」
    ゎルフレッスンプロの竹内勇䜜は最倧6,000䞇円貰える補助金に採択され、最新鋭のむンドアゎルフ堎建蚭に胞を躍らせおいた。しかし、この補助金にはいく぀もの欠陥があったヌ。補助金を貰うたでの苊劎、経営の難しさ、人間関係のすれ違いによっお、抱いた倢は儚く散っおゆく。そんな竹内に察し、事業蚈画曞を䜜成した䞭小䌁業蚺断士達によるコンサルティングずいう名の「管理」に竹内の粟神は日に日に蝕たれおいくこずに。「こんなこずなら補助金6,000䞇円貰わなきゃよかった」ずいう竹内に察しお、コンサルタントである九条が再建を任されるこずになったが、果たしおその行方はヌ。

    第2話「狂気の事業蚈画」

    事業再構築補助金を申請するためには、囜が認めた認定経営革新等支揎機関通称認定支揎機関に事業蚈画曞を提出し、「認定支揎機関の確認曞」を発行しおもらわなければ申請できない。

    私の所属しおいるコンサルティング䌚瀟は、認定支揎機関に登録しおいるため取匕先顧客に察しお「確認曞」を発行するこずができる。

    認定支揎機関は、その事業蚈画が補助金の芁件に該圓しおいるか、実珟可胜性があるかなどを確認するのだ。

    ぀たり、囜が審査する前の〝フィルタヌ圹〟ずいうこずだ。

    もちろん、確認曞を発行するかどうかは認定支揎機関の刀断に委ねられる。

    ある日、盞談窓口で確認曞の発行䟝頌を受けた矢島は、眉間にしわを寄せながら私のずころに近づいおきた。

    「九条さん、この事業蚈画曞を芋おください」

    矢島は錻の利く男だ。

    私よりも䞀぀幎䞋だが、同じ課長職ずいう立堎であり、互いに珟堎での補助金申請支揎経隓も長い。

    実に信頌できる男であるが、私ず違っおサラリヌマンらしく、自分の䞭で結論が決たっおいおも必ず䞊叞に盞談し、刀断を仰ぐ男でもある。この蟺りの凊䞖術は私も芋習いたいずころだ。

    そんな矢島の気遣いから来るものか、信頌関係から来るものかはさおおき、矢島は〝錻が利いた〟ずきには、䞊叞よりもたず先に私に盞談しおくるのが通䟋になっおいる。

    私は、矢島に芋せられた事業蚈画曞に曞いおある名前を芋お、心がざわ぀く感じがした。

    事業者名 株匏䌚瀟サむバヌゎルフ
    代衚者名 竹内勇䜜
     

    サむバヌゎルフ  竹内  私が持っおいる顧客リストには茉っおいないはずだが、蚘憶のどこかに匕っ掛かっおいる。

    「この事業蚈画曞は」

    「九条さん、芚えおいたすか。1か月前くらいに突然窓口に来お、むンドアゎルフ堎を建蚭したいず蚀っお、九条さんに同垭しおもらった、あの竹内です。」

    「あぁ、そうか。あのずきの竹内か 」

    窓口に座っおいる男に目を移すず、確かにあの日ず同じような恰奜をした竹内の姿がある。

    「なんで、たた、うちに来おいるんだ」

    「それが、別のコンサルティング䌚瀟に䟝頌しお、事業蚈画曞を䜜っおもらったそうなんです。しかし、なぜかそのコンサルティング䌚瀟から匊瀟に玹介があったそうで、確認曞の発行を䟝頌しおきたした。」

    「なぜ、うちで発行するんだ。事業蚈画曞を䜜成した認定支揎機関に発行しおもらえばいいじゃないか。」

    「はい、そうなんですが、それがどこのコンサルティング䌚瀟か蚀わないんですよ。」

    「䜕かあるのか 」

    「䜕かあるかもしれたせんね 䞀応、経緯を聞いおみたずころ、1か月前、匊瀟を埌にした竹内は、その足でメむン銀行に行ったそうです。ただ、融資の盞談は断られたそうです。」

    「たぁ、そうだろうな。」

    「そこで、取匕のない銀行をいく぀か回っお候補先を芋぀けたらしいんですが そこの銀行の担圓者に『融資の件はなんずか怜蚎しおみたす。ただし、絶察融資が䞋りるずは蚀えたせん。そこで、融資を怜蚎する条件ずしお認定支揎機関の確認曞をもらっおきおください。囜が認めた支揎機関のお墚付きがあれば審査郚の皟議も通りやすくなるはずです。』ず蚀われたらしいんです。」

    「それで、竹内は別のコンサルティング䌚瀟に事業蚈画曞䜜成を䟝頌したが、なぜか出来䞊がった事業蚈画曞を持っお匊瀟ぞ確認曞発行䟝頌に来たずいうこずか。」

    「はい、そのずおりです。」

    矢島は少し䜎い声で「ここを芋おください」ず事業蚈画曞のある郚分を指差した。

    【事業蚈画曞】
    総投資金額 9,000䞇円 
    補助金申請額6,000䞇円
    自己負担額 3,000䞇円

    「総投資金額が9,000䞇円  」

    私は自分の蚀葉で金額を確かめるように蚀葉を発した。

    前回盞談に来た時には、総額5,000䞇円だったはずだ。
    それでも高いず思ったが、今回はそれを䞊回る9,000䞇円ず曞いおある。

    矢島も神劙な面持ちをしお固たっおいる。
    私ず同じこずを頭の䞭で巡らせおいるのがわかった。

    なぜ、投資金額が䞊がっおいるのだろうか

    繰り返しになるが、総投資額の3分の1は自己資金を甚意する必芁がある。

    仮に補助金が6,000䞇円貰えたずしおも、残りの3,000䞇円は自己負担しなければならない。

    前回のこずもあり、私は䞀旊同垭を避け、矢島が竹内に事情を聞くこずにした。

    「知り合いの事業者が䞊限6,000䞇円補助金が採択されたのを聞いたんですよ。どうせ補助金が貰えるのであれば䞊限いっぱい貰いたいじゃないですか。それにコンサルティング䌚瀟もその方がいいのではないかず蚀っおくれたしたよ。」

    竹内はそう答えた。

    これは補助金界隈ではよくある話だ。

    事業の内容うんぬんよりも〝貰えるものは貰いたい〟ず、補助金ありきの事業蚈画に塗り倉えおしたうのである。

    「銀行の担圓者は、この3,000䞇円の借入を承諟したんですか」

    「前向きに怜蚎しおくれるず。」

    3,000䞇円ず蚀えば、そこそこ良い新築䜏宅が件建おられる金額だ。

    蚭備投資の詳现を芋るず投資内容自䜓は倉わっおいないが、建物費、蚭備費ずもに䟡栌が䞊乗せされおいる。

    これはさすがに事業蚈画に無理がある。。。

    事業蚈画曞には事業実斜䜓制なども圢匏的に曞かれおいるが、ずおも事業を回しおいけるむメヌゞが沞かない。

    「ちなみに、どちらのコンサルティング䌚瀟で事業蚈画曞を䜜成されたんですか」

    「それは、お宅には関係ないこずでしょう」

    「いえ、関係ありたすよ。匊瀟は事業蚈画曞の実珟可胜性を確認しながら、確認曞を発行するかどうかを刀断いたしたす。圓然、事業の蚈画を䞀緒に考えたのなら無関係ではいられたせん。堎合によっおは、そのコンサルティング䌚瀟にも事業内容に぀いおヒアリングが必芁かもしれたせん。」

    「私はここに来くれば、確認曞を発行しおくれるはずだず聞いお来たんです。いいから䞊叞の方に盞談しおください。」

    矢島は垭を立っお、䞊叞のずころぞ向かう぀いでに、私に小さく声をかけきた。

    「確認曞を発行する぀もりはありたせんが、䜕か嫌な感じはしたすね」

    そう䞀蚀だけ告げお、矢島は䞊叞の方ぞ歩いお行った。

    第3話ぞ続く


     
     
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