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Photo byshizuku_compass

“全部同じ顔に見える”と思った日の話


    最近、忘れっぽい。
    手帳が手放せない。これがないと、スケジュールがまったく分からない。完全に頼りっぱなしだ。
    人の顔も覚えていられない。
    「あっ、こっこさん!」と呼び止められて、名前が出てこない――なんて話はよく聞くけれど、わたしの場合は名前どころか、顔にまったく見覚えがない。
    まだボケているわけでは……ない、と思いたい。
    そんなことが増えてきて、ひとつ気づいた。
    覚えられない「種類の顔」があるのだ。
    それは――おじさんの顔。
    わたしも立派なおばさんなので、たぶん同年代か、少し年上くらいの人たち。
    なぜか、みんな同じに見えるのである。
    スーツ、短い髪、落ち着いた色味。
    違いはあるはずなのに、記憶に残らない。
    昨日会った人も、今日すれ違った人も、ぜんぶ「どこかで見たおじさん」に上書きされていく。
    少し調べてみたら「他者同質性バイアス(outgroup homogeneity bias)」っていう心理現象で自分にとってあまり関わりが深くないグループの人たちが似たように見えやすくなるらしい。
    なるほど。もしかして、向こうから見たわたしも
    「どこかで見たおばさん」なのだろうか。
    そう思うと、ちょっとだけ、おあいこな気がした。

    #創作大賞2026 #コミックエッセイ部門

     
     
    はじめまして‪‪🫶🏻︎♡ ̖́- いささか こっこと申します🐤 42歳、シングルマザー、営業職 パニック障害や子宮腺筋症からの子宮全摘、子どもの成長と反抗期に向き合いながらもお料理🍳や日々の小さな幸せにほっとする時間を大切に過ごしています✨️ ゆるりと読んでもらえたら嬉しいです💛

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