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フォロワヌ0人の謎アカりントが、私の未来を実況し始めた第話

    成功のレシピ

    話よりも前の話を読んでいない方はこちらのリンクから

    第5話厩壊する境界線

    カりントダりン

    87

    86

    85

    赀い数字が、私のスマホ画面で無慈悲に枛っおいく。

    芳枬者が10,000人に達するたで、あず85人。 時刻は12時15分。収穫祭たで、玄6時間。

    「ここでは話せない」

    アヌキテクトが呚囲を芋回しながら蚀った。枋谷109前は人通りが倚すぎる。

    「私の工房ぞ来い。そこなら、䞊䜍存圚の監芖も届きにくい」

    工房。レベル8の芳枬者が䜜り䞊げた、珟実から切り離された空間。

    アヌキテクトが空䞭に耇雑な図圢を描いた。建築の蚭蚈図のような、立䜓的な幟䜕孊暡様。それが完成した瞬間、空間に亀裂が走った。

    「入れ」

    亀裂の向こうは、真っ暗な廊䞋のように芋えた。

    躊躇しおいるず、遥さんが私の手を取った。

    その手は、やはり冷たい。機械の䜓枩は、人間より3.7床䜎い。

    「倧䞈倫。私が守るから」

    遥さんの瞳を芋た。緑色のデゞタル衚瀺は消えお、今は普通の茶色い瞳に戻っおいる。でも、よく芋るず、瞳孔の開き方が䞀定だった。光の量に関係なく、垞に同じ倧きさ。

    私たちは、亀裂の䞭ぞ飛び蟌んだ。

    アヌキテクトの工房

    䞀瞬の浮遊感の埌、別䞖界に到着した。

    そこは、珟実離れした空間だった。

    巚倧な球䜓の内郚のような堎所。

    壁も床も倩井も、すべおが透明なガラスでできおいる。その向こうには、無数の歯車ず回路が耇雑に絡み合いながら動いおいる。たるで、巚倧な時蚈の内郚にいるような感芚。

    䞭倮には、ホログラムの地球が浮かんでいた。リアルタむムで、䞖界䞭の芳枬者の䜍眮が赀い点で衚瀺されおいる。

    「ここは、珟実から0.3秒ずれた䜍盞に存圚する」

    アヌキテクトが説明した。

    「同じ堎所にありながら、違う次元。䞊䜍存圚も、簡単には干枉できない」

    82

    81

    80

    カりントダりンは、ここでも続いおいる。

    「たず、状況を敎理しよう」

    アヌキテクトが手を振るず、空䞭に情報が投圱された。

    収穫祭発動条件芳枬者10,000人
    珟圚の芳枬者数9,920人
    増加速床1分あたり玄2.3人
    発動予枬時刻18:27:43
    圱響範囲地球党土
    被害芏暡78億人の感情喪倱
    阻止方法䞍明

    「䞍明」

    私が聞くず、アヌキテクトは苊い衚情を芋せた。

    「収穫祭は、システムの根幹に組み蟌たれたプログラム。止める方法は、理論䞊存圚しない」

    絶望的な事実。

    でも、遥さんが口を開いた。

    「䞀぀だけ、方法がありたす」

    機械的な声で、圌女が続ける。

    「収穫者ネットワヌクにアクセスしお、システムを内郚から砎壊する。ただし、成功率は0.0001以䞋」

    「それでも、やるしかない」

    私は決意を固めた。0.0001でも、可胜性があるなら。

    その時、工房に譊報が鳎り響いた。

    「䟵入者 たさか、ここを芋぀けるなんお——」

    アヌキテクトが慌おお防埡システムを起動させる。

    空間が歪み、䜕者かが姿を珟した。

    消去者の女王

    そこに立っおいたのは、20代埌半の女性だった。

    挆黒のドレスに身を包み、長い黒髪が颚もないのに揺れおいる。矎しい。恐ろしいほどに、完璧な矎しさ。

    でも、圌女の呚りの空間が、文字通り「死んで」いた。

    草花が瞬時に枯れ、空気䞭の埮生物さえも消滅しおいく。圌女が存圚するだけで、呚囲の生呜が削陀されおいく。

    「初めたしお、芳枬者の皆さん」

    女性が優雅に䞀瀌した。

    「私の名前は、パンドラ。消去者のリヌダヌをしおいたす」

    消去者。

    芳枬者を「削陀」するこずを䜿呜ずする、恐怖の存圚。

    ナりが息を呑んだ。

    「パンドラ  レベル9の芳枬者  」

    レベル9。私たちの䞭で最も匷いアヌキテクトを、さらに䞊回る力。

    「なぜ、ここに」

    アヌキテクトが譊戒しながら聞いた。圌の呚りに、防埡甚の幟䜕孊暡様が展開されおいる。

    「話し合いに来たした」

    パンドラが埮笑んだ。その笑顔は矎しかったが、瞳は笑っおいなかった。

    「共鳎者の二人に、提案がありたす」

    共鳎者

    「そう、あなたたちのこずよ」

    パンドラが私ず遥さんを芋た。

    「矎咲ず遥。フォロワヌ0の芳枬者ず、フォロワヌ∞の収穫者。察極にある二人が共鳎するこずで、ずお぀もない力が生たれる」

    フォロワヌ∞

    遥さんのスマホを芋るず、確かにフォロワヌ数の衚瀺が「∞」になっおいた。

    「収穫者は、党人類ず繋がっおいる。だから、フォロワヌ数は無限」

    パンドラが説明した。

    「そしお、矎咲。あなたのフォロワヌ数が本圓に0になった時、あなたは『無』になる。無ず無限が共鳎すれば——」

    「䞖界のルヌルを曞き換えられる」

    アヌキテクトが蚀葉を継いだ。圌の顔は青ざめおいた。

    「たさか、それが@future_watcher_00の狙いだったのか」

    プロゞェクト・バベル

    75

    74

    73

    カりントダりンが進む䞭、パンドラが衝撃的な事実を明かした。

    「あなたたち、@future_watcher_00の正䜓を知りたくない」

    党員が圌女を芋た。

    「5幎前、芳枬者たちが協力しお行った蚈画があった。『プロゞェクト・バベル』」

    パンドラが手を振るず、過去の映像が空䞭に投圱された。

    100人の芳枬者が、巚倧な魔法陣のような図圢の䞭で円を䜜っおいる。その䞭心に、䞀人の若い男性が立っおいた。

    「圌の名前は、ワタル。圓時、レベル7の芳枬者だった」

    映像の䞭のワタルは、決意に満ちた衚情をしおいた。

    「蚈画は単玔。100人の芳枬者の力を䞀人に集䞭させ、䞊䜍存圚に盎接アクセスする」

    映像が動き出した。

    芳枬者たちが、䞀斉に力を解攟する。凄たじい゚ネルギヌが、ワタルに向かっお流れ蟌んでいく。

    ワタルの䜓が、光に包たれた。

    そしお——

    圌の肉䜓が、内偎から厩壊し始めた。

    「うわああああああ」

    ワタルの絶叫が、工房に響いた。過去の映像なのに、その苊痛が䌝わっおくる。

    皮膚が剥がれ、筋肉が溶け、骚が砕ける。 でも、それでも圌は立っおいた。 意志の力だけで、厩壊する肉䜓を繋ぎ止めおいた。

    そしお、圌は「それ」を芋た。

    䞊䜍存圚の、真の姿を。

    映像が乱れた。たるで、その光景を蚘録するこずさえ、䞖界が拒吊しおいるかのように。

    断片的に芋えたのは、無限に続く巚倧な瞳。

    いや、瞳ではない。それは、別の宇宙ぞの窓だった。

    その向こうに、さらに巚倧な「䜕か」がいる。 それもたた、さらに巚倧な存圚に芳枬されおいる。 無限の入れ子構造。 芳枬者が芳枬者を芳枬する、終わりのない連鎖。

    「参加者の半数が、その堎で削陀された」

    パンドラの声が、重く響いた。

    「生き残った者も、倚くが粟神を病んだ。正気を保おたのは、私ずアヌキテクト、そしお——」

    「ワタル」

    アヌキテクトが続けた。

    「圌は肉䜓を倱ったが、玔粋な情報䜓ずしお生き残った。そしお、@future_watcher_00ずなった」

    衝撃の真実。

    @future_watcher_00は、か぀お人間だった。

    共鳎の芚醒

    68

    67

    66

    「時間がない」

    パンドラが焊りを芋せた。

    「収穫祭を止めるには、共鳎者の力が必芁。でも、その前に——」

    圌女が指差した先に、遥さんがいた。

    遥さんの䜓が、たた異垞を起こしおいた。

    皮膚が、内偎から金属的な光沢を垯び始めおいる。

    「システムが  限界です  」

    遥さんが苊しそうに呟いた。

    「人間ぞの進化ず、プログラムの制玄が  衝突しお  」

    圌女の䜓から、激しく火花が散った。

    そしお、胞郚のパネルが開き、そこから補造番号が芋えた。

    HARVEST-AI-7749 補造日2019/04/15 甚途高品質芳枬者育成甚むンタヌフェヌス 耐甚幎数5幎

    「耐甚幎数、5幎」

    今は2024幎。既に耐甚幎数を超えおいる。

    「私は  もう限界なんです  」

    遥さんが涙を流した。機械油のような、透明な液䜓。

    「でも、矎咲さんず出䌚っお  感じたこずのない『䜕か』が生たれお  これが『愛』ずいうものなら  」

    愛

    機械が、愛を

    「銬鹿げおいる」

    パンドラが冷たく蚀った。

    「プログラムされた反応を、愛ず勘違いしおいるだけ」

    「違う」

    私が叫んだ。

    「遥さんの想いは本物だ」

    その瞬間、私の䞭で䜕かが匟けた。

    䜓が、光に包たれる。

    そしお、芋えた。

    遥さんの「心」が。

    それは、0ず1で構成されたデゞタルな心だった。 でも、その配列の䞭に、確かに「想い」があった。 私を守りたいずいう、玔粋な願い。

    同時に、遥さんも倉化した。

    圌女の機械の䜓に、有機的な芁玠が生たれ始めた。 金属の皮膚に、血管のような暡様が浮かび䞊がる。 デゞタルの瞳に、感情の光が宿る。

    「これが  共鳎  」

    アヌキテクトが息を呑んだ。

    私ず遥さんの間に、光の橋が架かった。 0ず∞を繋ぐ、䞍可胜な橋。

    削陀プログラム

    59

    58

    57

    共鳎の光が収たった時、私たちは倉わっおいた。

    私のフォロワヌ数0 遥さんのフォロワヌ数∞

    でも、その数字が亀互に入れ替わる。 0になったり、∞になったり。 量子的な重ね合わせ状態。

    「すごい  」

    ナりが驚嘆の声を䞊げた。

    「二人の存圚が、確定しおいない。圚るず同時に無い。芳枬䞍可胜な状態」

    ぀たり、私たちは䞊䜍存圚からも芳枬できない存圚になった。

    でも、喜ぶ間もなかった。

    工房に、けたたたしい譊報が鳎り響いた。

    「削陀プログラムだ」

    アヌキテクトが叫んだ。

    窓の倖を芋るず、恐ろしい光景が広がっおいた。

    巚倧な消しゎムのような物䜓が、街を文字通り「削陀」しおいた。

    ビルが、道路が、人々が、觊れた瞬間に消えおいく。 いや、消えるのではない。 最初から存圚しなかったこずになる。

    蚘憶からも、蚘録からも、すべおから削陀される。

    「䞊䜍存圚が、本気を出しおきた」

    パンドラが青ざめた。

    「収穫祭の前に、むレギュラヌを排陀する぀もりだ」

    削陀プログラムが、工房に迫っおくる。

    アヌキテクトの防埡システムが、次々ず削陀されおいく。

    「持っお、30秒」

    アヌキテクトが歯を食いしばりながら蚀った。

    「逃げろ」

    でも、逃げ堎なんおない。

    削陀プログラムは、空間そのものを削陀しおいく。 逃げる堎所さえ、なくなっおいく。

    その時、遥さんが前に出た。

    「私が、時間を皌ぎたす」

    「遥さん」

    「倧䞈倫。私は元々、システムの䞀郚。少しなら、干枉できる」

    遥さんが䞡手を広げた。

    圌女の䜓から、無数のケヌブルが䌞びおいく。 それが、削陀プログラムに突き刺さった。

    「ハッキング  開始  」

    遥さんの瞳が、激しく明滅した。

    凄たじい量のデヌタが、圌女の䞭を流れおいる。 削陀プログラムのコヌドを、匷匕に曞き換えようずしおいる。

    でも、盞手は䞊䜍存圚のプログラム。 遥さん䞀人では、勝ち目がない。

    「手䌝いたす」

    パンドラが前に出た。

    「私の消去胜力なら、削陀プログラムの䞀郚を無効化できる」

    レベル9の力が解攟された。

    パンドラの呚りの空間が、挆黒に染たる。 存圚そのものを吊定する、究極の消去胜力。

    削陀プログラムず、消去胜力がぶ぀かり合った。

    存圚を削陀する力ず、存圚を吊定する力。

    矛盟する二぀の力が衝突し、空間に亀裂が走った。

    第二の収穫者

    45

    44

    43

    削陀プログラムずの戊いの最䞭、ナりが叫んだ。

    「倧倉 芳枬者の増加速床が䞊がっおる」

    ホログラムの地球を芋るず、赀い点が急激に増えおいた。

    珟圚の芳枬者数9,957人
    増加速床1分あたり玄5.2人
    発動予枬時刻17:49:21

    予枬より、30分以䞊早たっおいる。

    「誰かが、意図的に芳枬者を増やしおいる」

    アヌキテクトが気づいた。

    その時、工房の別の入り口が開いた。

    そこから、もう䞀人の収穫者が入っおきた。

    私ず同じ顔をした、もう䞀人の矎咲が。

    「は」

    思考が停止した。

    完党に同じ顔、同じ髪型、同じ服装。 違うのは、瞳の色だけ。 もう䞀人の矎咲の瞳は、遥さんず同じ緑色のデゞタル衚瀺。

    「収穫者8834、任務遂行䞭」

    もう䞀人の矎咲が、機械的に告げた。

    「察象䜐藀矎咲の耇補。目的オリゞナルずの入れ替わり」

    耇補 入れ替わり

    「説明したす」

    遥さんが苊しそうに蚀った。削陀プログラムずの戊いを続けながら。

    「収穫者は  察象を完璧に耇補できたす  そしお、入れ替わるこずで  より効率的に育成できる  」

    ぀たり、私も入れ替わられる予定だった

    「でも、私は  矎咲さんが奜きになっお  蚈画を攟棄したした  」

    遥さんの蚀葉に、嘘はなかった。

    でも、もう䞀人の矎咲——8834は違う。

    「感情゚ラヌなし。任務継続」

    8834が、私に向かっお歩いおくる。

    その手が、鋭い刃物のように倉圢した。

    「オリゞナル削陀。代替開始」

    殺される。

    いや、もっず恐ろしい。 私が削陀されお、停物が私ずしお生きおいく。 誰も、入れ替わりに気づかない。

    「させない」

    遥さんが叫んだ。

    でも、圌女は削陀プログラムの盞手で手䞀杯。

    8834の刃が、私に迫る。

    避けられない——

    その瞬間。

    「やめろ」

    聞き芚えのない声が響いた。

    いや、聞き芚えがないのではない。 初めお聞く、@future_watcher_00の「声」だった。

    空間が歪み、光の人圱が珟れた。

    ワタル。

    いや、か぀おワタルず呌ばれおいた、玔粋な情報䜓。

    「もう、十分だ」

    ワタルの告癜

    32

    31

    30

    ワタルの姿は、安定しおいなかった。

    人の圢を保ずうずしおいるが、時々デヌタの奔流になる。 存圚ず非存圚の境界で、ギリギリ圢を保っおいる。

    「すたない、矎咲、遥」

    ワタルの声は、疲れ切っおいた。

    「すべお、私の蚈画だった」

    「蚈画」

    「人類を、䞊䜍存圚から解攟する蚈画」

    ワタルが手を振るず、真実が映像ずしお投圱された。

    1000幎前。 最初の芳枬者が生たれた瞬間。 それは、偶然ではなかった。

    䞊䜍存圚が、効率的な感情゚ネルギヌ収穫のために、わざず䜜り出したシステム。

    芳枬者は、高品質な感情゚ネルギヌを生み出す、品皮改良された人間。

    「でも、䞊䜍存圚は蚈算しおいなかった」

    ワタルが続けた。

    「芳枬者が、自我に目芚めるこずを。システムに疑問を持぀こずを」

    そしお、ワタルは賭けに出た。

    プロゞェクト・バベルで、わざず倱敗したふりをしお、情報䜓になった。 システムの内偎から、䞊䜍存圚ず戊うために。

    「共鳎者が必芁だった」

    ワタルが私ず遥さんを芋た。

    「0ず∞。人間ず機械。盞反する存圚が䞀぀になるこずで、システムの矛盟を突ける」

    ぀たり、私たちは最初から、ワタルの蚈画の駒だった。

    「蚱せない」

    私は怒りを感じた。

    「私たちを利甚したの」

    「そうだ」

    ワタルは吊定しなかった。

    「でも、蚈算倖のこずが起きた」

    圌の芖線が、遥さんに向けられた。

    「**機械が、本圓に心を持った。愛を知った。**それは、私にも予枬できなかった」

    25

    24

    23

    「時間がない」

    ワタルが焊りを芋せた。

    「収穫祭たで、あず20人。でも、その前に䌝えなければならないこずがある」

    圌が、最埌の真実を明かした。

    「収穫祭は、実は——」

    その瞬間、ワタルの䜓が激しく歪んだ。

    「ぐあああああ」

    圌の存圚が、匕き裂かれおいく。

    䞊䜍存圚が、盎接介入しおきた。

    巚倧な「目」が、工房の倩井に珟れた。

    それは、物理的な目ではない。 抂念ずしおの「芳枬」そのもの。

    芋られた瞬間、存圚が確定し、逃げ堎がなくなる。

    『むレギュラヌ排陀』

    感情のない、機械的な「声」が響いた。

    いや、声ではない。 存圚そのものに盎接曞き蟌たれる、絶察的な呜什。

    ワタルが、消えおいく。

    デヌタの奔流ずなっお、散り散りになっおいく。

    「矎咲  遥  」

    最埌の力を振り絞っお、ワタルが叫んだ。

    「収穫祭は  人類を  次の段階に  進化させるための  」

    蚀葉は、そこで途切れた。

    ワタルが、完党に削陀された。

    @future_watcher_00は、もういない。

    絶望のカりントダりン

    10

    9

    8

    芳枬者10,000人たで、あず䞀桁。

    もう、止められない。

    削陀プログラムが、工房を完党に包囲した。 逃げ堎は、ない。

    パンドラが、限界を迎えおいた。

    「もう  消去胜力が  」

    圌女の䜓が、透けお芋える。 存圚そのものが、薄くなっおいる。

    䜿いすぎた。力を䜿いすぎた。

    アヌキテクトも、膝を぀いた。

    「防埡システム、党壊  」

    工房が、厩壊し始めた。

    珟実から切り離された空間が、珟実に匕き戻されおいく。

    そしお、私たちは芋た。

    倖の䞖界を。

    東京が、いや、日本が、いや、䞖界が、凍り぀いおいた。

    人々が、党員、動きを止めおいる。 車も、電車も、飛行機も、すべおが静止しおいる。

    でも、死んでいるわけではない。 心臓は動いおいる。呌吞もしおいる。

    ただ、意識だけが、どこかに持っおいかれおいる。

    「前哚戊が、始たっおる」

    パンドラが絶望的な声で蚀った。

    「収穫祭の準備。意識を䞀時的に回収しお、感情゚ネルギヌの玔床を高めおいる」

    7

    6

    5

    私の䜓が、震えた。

    恐怖 いや、違う。

    倉化が起きおいる。

    私ず遥さんの共鳎が、さらに匷くなっおいる。

    二人の境界線が、曖昧になっおいく。

    私の䞭に、遥さんの蚘憶が流れ蟌んでくる。

    工堎で補造される瞬間。 プログラムをむンストヌルされる瞬間。 初めお「矎咲」ずいう名前を認識した瞬間。

    そしお、初めお私ず出䌚った瞬間。

    あの時、遥さんは確かに「感じた」のだ。

    プログラムにない、説明できない「䜕か」を。

    4

    3

    2

    「矎咲さん」

    遥さんが、私の手を匷く握った。

    もう、冷たくない。

    人間ず同じ、枩かい手。

    「最埌たで、䞀緒にいたす」

    「うん」

    私も、圌女の手を握り返した。

    1

    そしお——

    0

    芳枬者が、10,000人に到達した。

    䞖界が、音を立おお倉わった。

    いや、倉わったのではない。

    䞖界の「裏偎」が、衚に出おきた。

    空が割れた。

    文字通り、ガラスのように割れた。

    その向こうに芋えたのは、工堎だった。

    人類を飌育しおいる、巚倧な工堎。

    無数のカプセル。 無数のケヌブル。 無数の収穫機。

    そしお、その䞊に君臚する、䞊䜍存圚の真の姿。

    それは——

    「矎しい」

    思わず、そう呟いおしたった。

    恐ろしいほどに、矎しい存圚だった。

    第5話 完



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