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#創作大賞2026 #ビジネス部門   AIは"今"を数値化できても、"未来の可能性"は見抜けない

    #創作大賞2026
    #ビジネス部門

    👤 編集・発行:K-Naoki
    タイトル:AIは"今"を数値化できても、"未来の可能性"は見抜けない
    テーマ:面接官は、未来を採用している


    はじめに


    ナオキです。

    今回は、創作大賞2026のビジネス部門に参戦させて頂きました。

    テーマは、ビジネスの現場で実際に起きていること。

    僕が日々、目の当たりにしている話を書きます。


    この時期は、なぜか面接が増える気がします。

    「今月は何人目だろう」

    1日5人ほど。
    今週はずっとそんな感じでした。
    ですが、今日は6人でした。

    しかし、私は集団面接を行いません。

    必ず一人ずつ、丁寧に向き合います。

    だから、6人の面接で1日が終わります。
    それが私の面接官としての流儀です。

    そんな日々を過ごしてきた私が、AIとどのように向き合ってきたか、それがこの文章のテーマです。

    その特別さの中で気づいたことを、
    この文章に込めました。


    面接官として人と向き合う時間は、私にとって特別な時間です。

    もちろん採用のためでもあります。
    会社に合う人材を見つけるためでもあります。
    けれど、それだけではありません。

    面接という場は、その人の未来と会社の未来が交わる場所だと私は思っています。

    だからこそ、本気で向き合います。
    面接を受ける人も人生を懸けている。
    会社も未来を懸けている。

    その両方を預かる以上、適当に判断することはできません。

    そんな中、あるニュースが私の耳に飛び込んできました。

    会議参加者の表情や反応をAIが分析し、その状態を数値化する技術です。

    うなずきの回数。
    表情の変化。
    発言量。
    集中度。

    そうした情報を収集し、会議の質の向上に役立てるというものでした。

    私はそのニュースを見て、素直にすごいと思いました。

    かつて未来の話だった技術が、もう現実になっている。

    そして同時に、こんな問いが頭に浮かびました。

    もし人の状態をここまで数値化できるのなら、面接という場ではどうなっているのだろう。

    実は、AI面接ツールはすでに実用化が進んでいます。

    回答内容の論理性を分析する。
    表情を解析する。
    声のトーンや話す速度から心理状態を推定する。

    過去の採用データと照らし合わせ、合格可能性を算出する。

    効率化という意味では、とても価値のある技術です。

    私自身も、その価値を否定するつもりはありません。

    むしろ活用すべきだと思っています。

    私の仕事もかなり楽になります。

    しかし、その技術の進歩を見ながら、私はある問いの前で立ち止まりました。

    面接官の仕事は、本当の意味で、いずれAIに置き換わるのだろうか。

    今日は、その問いについて考えてみたいと思います。


    第一部 AIにできること

    まずは、フラットに事実を整理したいと思います。

    AIは何ができるのでしょうか。

    現在の面接評価ツールは、回答内容のテキストを解析し、論理構成や一貫性、企業が求めるキーワードとの一致度などをスコア化できます。

    表情解析技術を使えば、笑顔の頻度や緊張による微表情の変化を検出することも可能です。

    さらに、声のトーンや話す速度から、ストレスレベルや心理状態を推定する技術も存在します。

    これらはいずれも、「観測可能なデータ」を扱っています。

    言い換えれば、
    「今、この瞬間に何が起きているのか」
    を数値化する技術です。

    そして、それは決して的外れな評価ではありません。

    むしろ、人間の面接官が無意識に抱えているバイアスを減らし、より公平な評価を実現する可能性を秘めています。

    見た目の印象。
    出身校への先入観。
    過去の経験則による思い込み。

    人は、自分では公平に見ているつもりでも、
    知らず知らずのうちに影響を受けています。

    私自身も例外ではありません。

    実際、AIが示した分析結果を見て、
    「ああ、この部分を見落としていたかもしれない」と気づかされたことがあります。

    AIは単なる評価ツールではありません。
    時には、面接官自身を映し出してくれます。

    ここまでは、私も素直に技術の進歩を歓迎したいと思っています。

    ただ、面接という場の本当に重要な部分を考え始めると、話は少し変わってきます。

    AIは「今」を分析できます。
    では、「未来」はどうでしょうか。

    AIも未来を予測しようとするが、それは確率でしかない。

    その問いが、私の中で消えなかったのです。


    第二部 面接官が見ているもの

    私が面接で必ず聞く質問の一つに、
    こんな内容があります。

    「将来、私たちとどのような仕事がしたいですか?」

    「そして、あなたは何を目指していますか?」

    とてもシンプルな質問です。

    多くの候補者は、事前に準備してきた答えを話します。

    企業研究をしっかり行い、論理的に整理された回答をする人も少なくありません。

    AIがこの回答を評価すれば、おそらく高いスコアがつくでしょう。

    論理性も高い。
    企業の方向性との整合性も取れている。
    面接対策としては十分です。

    そして、それは社会人として当然求められる姿勢でもあります。

    私は、その努力を否定するつもりはありません。

    むしろ、しっかり準備してきた人ほど好感を持ちます。

    ただ、面接官として多くの人と向き合っていると、それだけでは見えてこないものがあります。

    面接が始まったばかりの頃は、誰もが緊張しています。

    用意してきた回答を思い出しながら、一生懸命話します。

    しかし、面接が進み、
    「なぜそう思ったのですか?」
    「なぜその仕事をしたいのですか?」
    「その目標は、いつから考えていたのですか?」

    と、一歩踏み込んだ質問をすると、少しずつ違いが見えてきます。

    ある人は言葉に詰まります。
    沈黙することもあります。
    必死に考え、自分の経験を振り返りながら答えようとします。

    決して上手な受け答えではありません。
    模範解答から外れているかもしれません。
    それでも、その話に引き込まれることがあります。

    なぜなら、その人自身の言葉だからです。
    自分で考え、
    自分で悩み、

    自分で決めてきた人の言葉には、不思議な重みがあります。

    反対に、完璧な回答を続ける人もいます。
    受け答えは流暢。
    内容も整理されている。
    企業研究も十分。

    それでも、どこか違和感を覚えることがあります。

    間違ったことは何一つ言っていない。
    それなのに、その人自身が見えてこないのです。

    まるで、どこかにある正解を丁寧に再現しているような感覚です。

    一人、忘れられない男性がいます。

    新卒の面接でした。

    ちょうどクリスマス前の時期だったので、休日の過ごし方から話が広がり、「クリスマスはどう過ごすの?」と聞いてみました。

    料理が趣味だという彼は、「自分でつくって、友達とパーティーします」と答えました。

    私は心の中で、「彼女に手料理か。若いっていいな」と思っていました。(笑)

    しかし話を聞いていくうちに、違和感を覚えました。

    よく聞いてみると、仲の良い男友達との食事会だと言うのです。

    その瞬間、私の中で何かが動きました。

    クリスマスに、親友と過ごす。
    仲間が集まる環境を彼は手に入れている。

    そしてそれを、
    目を輝かせながら、
    少し照れながら嬉しそうに話せる。

    私はその日、その理由だけで彼を採用しました。

    履歴書には書かれていない。
    数値にも表れない。
    でも、確かに私には見えたものがありました。

    人と本気でつながれる人間だということが。

    結果は、予想通りでした。
    職場でのコミュニケーションは申し分なく、
    周囲からの信頼も厚い人材になりました。

    AIがこの採用を評価したなら、
    おそらく「根拠不明」と判定するでしょう。

    それでも私は、間違っていなかったと思っています。

    もちろん、それだけで判断することはありません。

    面接官は占い師ではありません。

    短い時間で人を完全に理解することなどできません。

    それでも、人と向き合い続けていると感じることがあります。

    その人が、自分の未来について話す瞬間です。

    やりたい仕事。
    実現したい目標。
    挑戦したいこと。

    そうした話になったとき、ふと目の奥に熱が宿る人がいます。

    急に声が大きくなるわけではありません。
    表情が劇的に変わるわけでもありません。

    それでも、「あ、この人は本気だな」と感じる瞬間があります。

    私は、この違いを勝手に「本気度」と呼んでいます。

    誤解しないでいただきたいのは、
    本気度とは気合いや根性の話ではないということです。

    大きな声を出すことでもありません。

    その人の言葉と、その人自身が一致しているか。自分の未来を、自分の言葉で語っているか。

    私はそこを見ています。

    実際、面接の場では、
    今はまだ実績が少ない人もいます。

    経験も不足している。
    知識もこれから。
    それでも採用したいと思う人がいます。

    なぜなら、その人の未来を見ているからです。

    今の能力だけなら、他に優秀な人がいるかもしれません。

    それでも、
    「この人は伸びる」と思うことがあります。

    逆のケースもあります。

    現在の能力は非常に高い。
    実績も十分。
    受け答えも完璧。

    それでも未来が見えないことがあります。

    面接官の仕事は、「この人が今どれだけ優秀か」

    を評価することだけではありません。

    「この人がこれから先、どう変わっていくのか」を見る仕事でもあります。

    言い換えれば、未来を見る仕事です。

    回答の完成度は、「今」のその人を映し出します。

    過去の実績も、「今」までの積み重ねを映し出します。

    しかし、本気度は違います。

    それは、その人の未来に向かう力を映し出しているように私には見えるのです。

    だから私は、面接のたびに考えます。

    この人は五年後、どんな人になっているだろう。
    壁にぶつかったとき、乗り越えられるだろうか。
    新しい挑戦に踏み出せるだろうか。
    仲間から信頼される人になるだろうか。

    その答えは履歴書には書かれていません。
    面接マニュアルにも載っていません。

    そして、おそらくAIが最も判断に悩む部分ではないでしょうか。

    何故ならAIが分析しているのは、
    まさに「今」だからなのです。

    しかし、面接官として私が見ようとしているのは、「これから」なのです。

    私は、その違いがとても大きいと思っています。


    第三部 揺れる気持ち

    正直に言えば、こうした「言葉にならない感覚」を判断材料にすることに、私自身、葛藤がないわけではありません。

    「目の奥に熱を感じたから採用した」
    「本気度を感じたから採用した」

    そんな理由を、果たして誰かに説明できるでしょうか。

    客観性や説明責任が求められる時代において、
    それはあまりにも曖昧な言葉です。

    実際、AIによる評価が広がる背景には、
    「人間の判断には限界がある」
    という極めて正当な問題意識があります。

    人は間違える。
    先入観を持つ。
    感情にも左右される。

    だからこそ、AIによる客観的な評価が求められるのです。

    私自身も、その考えを否定できません。

    むしろ賛成です。

    振り返れば、過去の面接で
    「何となく違和感がある」と感じ、
    見送った人もいました。

    その判断は本当に正しかったのだろうか。

    もしかすると、その人は大きく成長したかもしれない。

    もしかすると、私の思い込みだったかもしれない。

    今となっては分かりません。

    もしかすると、AIが評価した候補者のほうが、
    長期的に見て正解だったケースもあるのかもしれない。

    私が「本気度がある」と感じた人が、入社後に思うように活躍できなかったこともあります。
    反対に、「どこか違和感がある」と感じながらも採用した人が、予想を超えた成長を見せたこともある。

    そのたびに思います。

    私が見ているのは「未来」ではないのかもしれない。
    その人の中にある、まだ開いていない可能性を見ようとしているだけなのかもしれない、と。

    面接官を長く続けていても、自分の判断が常に正しいとは思っていません。

    だから私は、AIが示してくれるデータを軽視するつもりもありません。

    むしろ、そのデータに助けられることもあるでしょう。

    今はまだAIが「本気度」を読み取ることは難しいでしょう。

    しかし技術は進化しています。

    視線追跡。
    瞳孔の変化。
    表情筋の動き。

    私が感覚的に捉えているものも、
    いつかは数値として可視化される日が来るのかもしれません。

    もしそうなったとき、面接官の役割は何が残るのでしょうか。

    面接官の仕事は、本当にAIに置き換わるのでしょうか。

    正直に言えば、この問いに私はまだ答えを持っていません。

    ただ、一つだけ確信していることがあります。

    それは、
    「うまく話せること」と、「伝わること」は、
    まったく別のものだということなのかもしれません。

    私は、さらに考えてみました。

    もしAIが現在の能力や適性を高精度で評価できるようになったとしても、社会経験の少ない新卒の未来まで見通せるのでしょうか。

    極端な話、学歴や成績、適性検査の結果だけで採用が決まるのであれば、面接そのものが不要になるはずです。

    しかし現実には、多くの企業が今も面接を続けています。

    それは能力以外の何かを見ようとしているからではないでしょうか。


    第四部 「伝わる」ということ

    私は、この話は面接だけの話ではないと思っています。

    「将来どんな仕事がしたいですか?」

    その問いに対して、たどたどしくても、自分の言葉で未来を語ろうとする人がいます。

    言葉に詰まることもある。
    うまく説明できないこともある。
    汗だくになりながら。

    それでも、不思議と伝わってくるものがあります。

    その人が本気で考え、本気で目指している未来だからです。

    反対に、流暢に話していても、何も伝わってこないことがあります。

    言葉は正しい。
    それでも、なぜか心に残らない。

    私は面接のたびに、その違いを感じています。

    そして、その違いは面接だけではありません。

    プレゼンテーション。
    商談。
    会議。
    日々のコミュニケーション。

    私たちは仕事の中で、常に「伝える」ことを求められています。

    だからこそ、多くの人は話し方や伝え方を学びます。

    もちろん、それは大切なことです。

    しかし、本当に人の心を動かすのは、話し方の上手さだけではありません。

    この人は本気でそう考えている。
    この人は本気で実現したいと思っている。

    そう感じたとき、人は初めて相手の言葉を受け取っているのではないでしょうか。

    面接も同じです。

    模範解答を覚えることよりも、自分の言葉で、自分の未来を語れること。

    それこそが、AIには真似のできない、その人だけの価値なのだと思います。


    おわりに

    「AIは"今"を数値化できても、"未来の可能性"は見抜けない」

    これが、長年面接官として人と向き合ってきた私が、現時点でたどり着いた答えです。

    もちろん、私はAIを否定したいわけではありません。

    むしろ、これからの面接においてAIは欠かせない存在になるでしょう。

    人間では気づけない傾向を発見し、客観的なデータを提示してくれる。

    面接官の思い込みや先入観を減らし、より公平な判断を支えてくれる。

    その価値は、これからさらに大きくなっていくはずです。

    私自身も、これからAIの力を活用していくと思います。

    しかし、人を採用するという仕事を考えたとき、最後まで残る問いがあります。

    その人の未来に賭けるのは誰なのか。
    その人の可能性を信じるのは誰なのか。
    面接官の仕事は、過去を確認することだけではありません。

    履歴書を見る。
    実績を確認する。
    能力を評価する。

    それも大切です。

    けれど、本当に見ようとしているのは、その先です。

    この人は、これからどんな成長をするのだろう。
    どんな壁を乗り越えるのだろう。
    どんな未来をつくっていくのだろう。
    その問いに、明確な正解はありません。

    だからこそ、面接は難しい。

    そして、面白いのだと思います。

    AIは判断材料を与えてくれます。

    とても優秀なパートナーです。

    しかし、その情報を受け取り、考え、決断する責任まで引き受けてくれるわけではありません。

    最後に決めるのは、人間です。

    その人の未来を信じるのも、人間です。

    AIと共に生きる時代だからこそ、私はこれからも人と向き合い続けたいと思います。

    そして、目の前の人が語る未来の中にある「本気度」を、見失わない面接官でありたいと思っています。

    最後に、ひとつだけ問いかけを残したいと思います。

    あなたの未来に広がる可能性を、
    あなた自身は信じられていますか。


    #創作大賞2026 #ビジネス部門 #面接官 #本気度 #面接の未来 #AIの未来





     
     
    サラリーマンデザイナーです。 形を作るより、考え方や判断する仕事が多めです。 AIと仕事、日々の気づきを、自分の言葉で綴ります。 🐶カニヘンダックスのサブロウ(6歳)と暮らしています。 時々、3行日記に登場します。

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