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日日是好日 #007|ニュースをきっかけに蘇った昭和の記憶

    ニュースをきっかけに蘇る昭和の記憶

    ニュースで、アライグマが住宅街に現れたと報道されていた。
    アライグマは可愛らしい姿をしているけれど、実際には農作物や住宅への被害も多く、各地で対策に苦労しているらしい。
    そんなニュースを見ながら、私は別のことを思い出していた。
    そういえば、私が子どもの頃は、猿が逃げてもニュースにはならなかった。
    私は、長野の山の中で生まれ育った。
    小学生の頃、地域に流れる有線放送で、
    「猿が逃げていますので、ご注意ください」
    と放送されたことがあった。
    今なら、テレビ局が来そうな話である。
    けれど、当時は違った。
    その猿は、なぜか我が家の蚕屋に逃げ込んだ。
    私は、猿が捕まるまで、ずっとその様子を見ていた。
    見物人は、私と家族だけ。
    そして、捕獲する人が一人と、駐在所に勤務する警察官が一人。
    それだけだった。
    そう考えると、今は本当に情報が広がる時代になった。
    昔なら、村の中だけで終わっていた出来事が、今では全国ニュースになる。
    アライグマもそうだし、熊もそうだ。
    もちろん、本当に増えているものもあるのだろう。
    でも、以前よりも多くの出来事が「見えるようになった」ということも、大きいような気がする。

    山は、子どもたちのテーマパーク

    子どもの頃の私たちにとって、山はテーマパークだった。
    小学生の頃、近所の子どもたちと一緒にヨモギを摘んだことがある。
    業者に売ったお金で、町へラーメンを食べに行こうという計画だった。
    今思えば、小さな共同事業だったのかもしれない。
    ヨモギを詰めた袋を持って、業者のトラックの前に並ぶ。
    受け取ったお金を握りしめ、みんなでラーメン屋へ向かった。
    その時、一人の男の子が得意げに言った。
    「袋の底に石ころを入れたんだぜ!!」
    みんなで大笑いした。
    あれから、何十年も経った。
    誰が一番たくさんヨモギを摘んだのかは、もう覚えていない。
    でも、ラーメンを食べた時のうれしさと、その一言だけは、今でも覚えている。
    もちろん、誰も真似はしなかったけれど。

    蜂の子を焼いた日


    別の日には、
    「蜂の子を焼くとうまいらしい」
    と言い出した友達がいた。
    その子が蜂の巣から蜂の子を取り出し、私はフライパンで焼いた。
    醤油を少し垂らして、みんなで一口ずつ食べた。
    今思えば、なかなか勇気のいる話である。
    でも、不思議と楽しかった。
    便利な時代になった。
    その代わり、何もない山の中で、自分たちで遊びを作ることは少なくなったのかもしれない。
    だからだろうか。
    アライグマのニュースを見ながら、私は少しだけ昔を思い出していた。
    猿が逃げた日も、
    ヨモギを売った日も、
    蜂の子を焼いた日も。
    あの頃の山は、私たちにとって最高のテーマパークだった。
    今思えば、特別なことは何もなかった。
    でも振り返ると、宝物のような一日ばかりだった。

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    子供時代の想い出(昭和)

    子ども時代の想い出


    平成生まれの娘は、こんな経験をしたことはない。
    でも、それでいいのだと思う。
    時代が違えば、冒険の形も変わる。
    ただ、アライグマのニュースを見ながら、私は少しだけ思う。
    あの頃の山は、お金のいらないテーマパークだったなあ、と。
    何も用意されていなかったからこそ、
    私たちは、自分たちで遊びを見つけていた。
    笑ったことも、驚いたことも、少し危なかったことも、すべてがあの山の中に残っている。
    あの頃は気づかなかったけれど、
    一緒に歩き、笑い、遊んだ時間そのものが、かけがえのない宝物だったのだと思う。
    🌙Moon Hill🌙

    *****************

    追伸


    未来の孫へ。
    蜂の子は一度だけ食べたものであり、常食していたわけではありません。
    また、ヨモギは山で採取したもので、自家栽培ではありません。
    でも、あの頃は本当に楽しかったのです。
    🌙Moon Hill🌙

     
     
    🌙Moon Hillの館 館長・タロット案内人。未来を当てるのではなく、流れを読み、現実を少し動かすために。タロットの学びと日々の気づきを綴る、永遠に完成しない「生きた研究ノート」です。迷ったとき、視界を少し広げる灯りになれたらうれしいです。そして、時々物語と遊び心も。

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