
ヌード
遠くの海を眺めてた
ふざけた夏に
空になったビールの缶が
転がるのも忘れて
缶の縁に着いたリップ
最初の一口だけしかつかなかった
ひとくち飲んだ後に
あの人が全て食べてしまったから
私の唇からリップの色が
無くなって
唇はヌードになった
あの日から
あの人の前では
言葉のまま
心も体もヌードでいられた
あの人に会える日は
いつだって
好きなカラーを選んで
丁寧にグロスを重ねて
リップを可愛く仕込んで行くのに
最初のキスで
剥がされる
それが合図みたいに
私は全てを脱ぎ捨てる
ホントの私が生まれる
そんな気がしてた
生まれ変わったような
そんな気がしてた
確かに
そこにはもう1人の
私がいた