
第二章 最終回:言えなかった、本音。
『目を覚さないことも考えられます。』
この日から、
もう何日経ったのか、
思い出せない。
それでもなんとか前に進もうと思うのに、
どっちを向くことが前なのか…
分からなくなった。
あーちゃんをようやく授かった日のこと。
不安な妊娠期間のこと。
それでも無事に生まれた日のこと。
幸せだった日々のこと。
その記憶はしばらく、
頭の中の奥の奥へ、
封印した。
手術をした日のこと。
予期せぬ心停止のこと。
その記憶だけが、走馬灯のように
頭の中を、
何度も、何度も、
駆け巡った。
そして今回、
目を覚さないかもしれないと言われたこと…。
辛いって言えなかった。
悲しいって言えなかった。
怖くて怖くてたまらないって…
言えなかった。
『そんなはずない。
きっと大丈夫だよ。』って、
思いたかった。
本当はね…。
あの日。
あなたの手を、
離さなければ良かったのかな。
あの日。
行かなくていい。
ママのそばにいていいよ。
そう言えば良かったのかな。
それでも、
あの日。
ママはどうしても、
生きていて欲しいと、
願わずにはいられなかった。
今日も笑顔で、
あーちゃんに会いに、
ICUへ行くからね。
次回──第三章『絶望と共に、生きる。』
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