
悪夢の別れ方
嫌な夢を見た。
追いかけられる夢。
逃げられなくて、
ようやく、目を覚ました。
もう半分過呼吸みたいで苦しくて、慌てて部屋の電気をつける。
荒い呼吸でほんの少しだけ迷って
リモコンに手を伸ばして、YouTubeを流す。
聞き慣れた声のゲーム実況。
会ったこともない人の、そのいつも通りと思える声に、
とてつもなく安心する。
現実の居場所、確認したくて
しばらく聞いていた。
今までのわたしだったら、
起き上がってトイレに行って、
ドキドキする心臓をつかみながら、
それでもまた眠らなきゃ、
ちゃんとしなきゃ、
寝ないと明日がきついからって、
無理に目を閉じていたけれど。
ちゃんとすることよりも大事なことが、
今はある。ような気がしていて。
つらい、苦しいと思った。自分を、許してあげようと思った。
だってしんどいよ、ただの夢でも
「たかが夢ごときで」
「それは現実じゃないから大丈夫」
なんてやさしい言葉で潰したりしないで。
苦しいことは苦しいまま、
苦しくなくなるまで、ゆっくり自分にやさしい時間を過ごそうよ。
最近はそういうふうに思っているから。
この夜は、あなたの声を聞きながら、電気もつけっぱなしで、
じんわりあたたかな気持ちで、もう一度目を閉じた。