変革が「その場だけ」で終わるとき、何が起きているのか。
運命レボリューション Season 14「変革の技術」EP07
チームの中では変わった。
でも、それが外に出ていかない。
自分の中では整理できた。でも、周囲には届いていない。
「場の内側での変化」と「変革」には、違いがある。その違いを生むのが「境界」だ。
変化が「内部の変化」に留まるとき
場の中で起きた変化は、その場の人たちにとってはリアルだ。会議の雰囲氣が変わった。チームの関係性が変わった。自分の考え方が変わった。
だが、それが場の外に届かなければ、変革の力は内部で完結する。
変革は、境界を越えたとき初めて「変革」になる、と考えることもできる。
内部での変化と外部への接続。この二つが重なるとき、変化は広がっていく。
境界をまたぐ人の存在
アンドリュー・ハーゲドンは、異なる組織やコミュニティの間をつなぐ役割を持つ人物を「バウンダリースパナー(境界連結者)」と呼んだ。
境界連結者は、一方の場にある知識やアイデアを、別の場へと持ち込む役割を担う。それぞれの場では当たり前になっていることが、別の場では新しい視点になる。この「翻訳」と「移動」が、変革の広がりをつくることがある。
自分が参加している複数の場の間で、情報や視点を持ち運ぶ役割を意識したことがあるだろうか。
弱い紐帯が変化を広げる
マーク・グラノヴェッターは、社会的なつながりの強度と情報の広がり方の関係を研究した社会学者だ。
直感に反するかもしれないが、彼の研究が示したのは「弱い紐帯」のほうが情報の伝播に効果的な場合があるということだ。
強いつながりの人(親しい友人や同僚)は、多くの場合、自分と似たような情報を持っている。
一方、弱いつながりの人(あまり頻繁に会わない知人)は、自分とは異なる文脈に属していることが多い。そのため、弱い紐帯を通じて情報が流れると、全く異なる場へと届く可能性がある。
変革を境界の外へ届けるために、強いつながりだけでなく、弱いつながりにも目を向けることが設計の一つになる。
境界を越える設計をする
境界を越える変革を設計するために、具体的に何ができるか。
一つの問いを出発点にするとしたら、「自分の今の場にある知識や経験で、別の場の誰かの役に立てることはないか」という問いだ。
役立てることが見つかれば、それを届ける接点をつくることが、境界連結の第一歩になる。
境界を越えることは、必ずしも大きな動きを必要としない。別の場にいる人との対話が、変化の橋渡しになることがある。
今日の一手
今、自分が持っている知識や経験で、「自分とは異なる場にいる人の役に立てそうなこと」を、一つ書き出してみると、境界を越える設計の出発点が見えることがある。
「この業界では当たり前だが、別の場では知られていないかもしれないこと」「自分が苦労して学んだことで、誰かの役に立てること」という視点で探してみると、見つかりやすい場合がある。
あなたに聞いてみたい
異なる場や文脈をつなぐ役割を担ったことがありますか。そのときに感じたことを、よければ教えてください。
次話へ
境界を越える変革の設計を考えたとき、次の問いが出てくる。
変革は「今この瞬間」だけで設計するものか。それとも、時間をまたいで設計できるものか。
次話では、変革が次の世代の根付きの土台になる設計について見ていく。
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