
#8とりわけオスの三毛猫はさすらわされる運命である
猫にまつわる世界遺産#8
家の中で飼いましょうと言われる今とは違って、猫は遠くまで船旅に駆り出された。
そして船と言えば''オスの三毛猫''が思い浮かぶ。
オスの三毛猫は船内で悪さをするネズミ退治としてだけでなく、安全に航海するためのお守りとしての存在も大きい。
なんでも南極観測隊に同行し、昭和基地に一年以上滞在した「たけし」はオスの三毛猫で皆に可愛がられていたんだとか。
なぜオスの三毛猫はそんなに希少なのか?
そしてなぜ船に乗せられたのか?
三毛猫の毛色を決める遺伝子は、性別を決める染色体と深く関係しているらしい。
一般的にオスはXY、メスはXX。
三毛模様になるためには、黒と茶色の毛色を持つ2つのX染色体が必要だ。
そのため三毛猫のほとんどはメスとして生まれる。
ところが、ごくまれに染色体の異常によってXXYのオスが誕生することがある。
これがオスの三毛猫。
その確率は約3万匹に1匹。
私は未だに一度もお目にかかったことがない。

あまりにも珍しいことから、船乗りたちは「幸運を呼ぶ猫」と信じ、航海の守り神として大切にしたという。
そうやって人間の都合で猫が世界中へ広がった。
しかし、その長い航海の歴史の中で、誰よりも珍しい旅人がいた。
オスの三毛猫である。
さて、その猫たちが渡った海の先にある世界遺産が、北米最古のフランス植民都市のひとつ、ケベック旧市街。
フランスの修道士と共に海を渡った猫たちも、石畳の街を歩いていたのかもしれない。
ケベック旧市街の歴史地区(カナダ)
1985年 文化遺産 (ⅳ)(ⅵ)
フランス文化が色濃く残る北平唯一の城塞都市
イギリスとフランスが植民地建設をめぐり争っており、ケベックはフランスの植民地
「ヌーヴェル・フランス」(新しいフランス)となった。その後はイギリス領となったが、ケベック法を制定し信仰や言語などフランス文化は色濃く残った。
アッパー・タウンは行政と宗教の中心地でシャトー・フロントナック(ホテル)や修道院が残り、ロウワー・タウンは商業や海軍施設が残る。
現在のケベックはカナダ政府の基金により維持されている。