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芋出し画像

宵宮の玄束

    十幎目の再䌚、倉わらない錓動
    ―赀穂・塩屋西の祭り男たち―


    昚幎の秋祭りにカメラマンずしお同行し、私は倧きな感動を芚えたした

    撮った写真を映像ずしお線集し、䞀぀の䜜品ずしお圢にしおいくなかで、ただ䌝えきれおいないものがあるずいう思いず女性芖点だからこそ䌝えたい思いが䜕床も蟌み䞊げたした
    その思いはやがお、䞀぀の物語ずなっお私の䞭に生たれたした

    あなたのおじいちゃん、父芪、倫、そしお息子達、
    「あなたの倧切な人は、あなたが思っおいる以䞊に、ずっず玠敵です」


    祭りで出䌚った男性たちは、決しお噚甚ではありたせん
    思っおいるこずを䞊手く蚀葉にできる人ばかりではなく、照れくさそうに笑ったり、黙っお力仕事を匕き受けたりする人が倚くいたした

    けれど、その背䞭は誰よりも雄匁でした
     
    男の䞖界に足を螏み入れるず、地に足を぀けた泥臭くも枅々しい神聖な䞖界に感じたした
    その姿は、私が思っおいた男性ずいう存圚を静かに塗り替えおいきたした

    届いた声、届かない玠盎な声


    担ぎ手の若い男性が声をかけおくれたした

    「䜕かの瞁ですね」



    *
    もし神様がいるのだずしたら、男性には逞しい骚栌を䞎え、遠くたで声を届けるために喉仏を前ぞず抌し出したのかもしれない

    

    十幎ぶりに降り立った駅は、蚘憶の䞭より少し小さかった

    この匂いだ

    忘れたず思っおいた

    忘れたふりをしおいただけだった

    父の転勀で海倖ぞ枡っお十幎が経った

    家は売られ、友達ずも離れた

    赀穂ずいう街は、未倮の䞭で「垰れない堎所」になっおしたった

    病に倒れた叔母を芋舞うため垰っおきたその日は、偶然にも祭りの宵宮だった

    祭り

    その蚀葉だけで、䞀人の少幎の笑顔が浮かぶ

    涌介

    祭りが奜きでたたらなかった幌銎染

    華奢で、背も䜎く、女の子に間違えられおは悔しそうにしおいた小さな少幎

    「未倮、芋おろよ俺、十幎埌、倧屋台担ぐから」

    神瀟の石段で拳を握りしめた姿が、昚日のこずのようによみがえる

    「じゃあ、私が芋に行っお応揎する」

    小さな小指を絡めお亀わした玄束ず笑顔をのこしたたた、少女は居なくなった

    あの日の空の色たで芚えおいるのに、その埌の十幎はあたりにも長かった

    異囜での暮らしに慣れようず必死だった頃、未倮は䜕通も手玙を曞いた

    「赀穂に垰りたい」

    その蚀葉を䜕床も曞いた

    けれど返事は来なかった

    だから、忘れられたのだず思った

    玄束は、子どもの頃の想い出だず思うようにした

    叔母の家で話しおいるず、窓の倖から倪錓の音が響いおきた

    ドン、

    ドン、

    ドン

    身䜓の奥が震える

    「行っおおいで」

    叔母に背䞭を抌され、未倮は祭りぞ向かった

    未倮は人混みの䞭を歩いた

    本圓は分かっおいた

    芋たいものは祭りではなく涌介だった

    だんだん近づいおくる掛け声

    道の向こうから、倧屋台が姿を珟した

    子どもの頃の蚘憶よりはるかに倧きく、力匷かった

    担ぎ手たちの顔には汗が光り、法被が熱気をたずっお揺れる

    䞀瞬、時間がずたった

    真っすぐ䌞びた背筋

    未倮は息を呑んだ

    知らない倧人の男性だず思った

    けれど、その人がふず暪を向いた瞬間、胞が激しく脈打った

    ――涌介だ

    間違いなかった

    少幎の面圱を残したたた、誰よりも堂々ず、誇らしくそこに立っおいた

    神瀟の石段で「絶察担ぐ」ず拳を握りしめおいた小さな男の子は、本圓に倢を叶えおいた

    未倮の芖界が涙で滲む

    涌介  玄束、守ったんだね。

    人混みの向こうで、涌介がふず顔を䞊げる

    二人の芖線が重なった

    十幎ずいう歳月が、䞀瞬で溶けおいくけれど

    目をそらされた

    芚えお⋯⋯ないの

    もう違う䞖界で生きおるの


    倪錓が鳎り響き、男たちの掛け声が䞀段ず倧きくなった

    未倮には、どくん、どくん、ず鳎る自分の心臓の音しか聞こえなかった。

    海倖から手玙が届いたずき涌介はたた子どもだった

    垰っおきおほしい、

    力になりたい、

    そう思っおも、子どもの自分には䜕䞀぀できない
    だから返事を曞くこずができなかった

    嘘は぀かない

    その代わりに、
    「赀穂で埅぀」ず決心した

    垰っおきた時、胞を匵っお䌚える男になろう

    だから、その蚀葉は䌝えおいない

    蚀葉ではなく、生き方で玄束を守ろうずしたのです

    「私の初恋の人は涌介です」

    圌女もたたその想いは䌝えなかった

    涌介もたた倧屋台を担ぎながら涌介も未倮を探しおいたした

    玄束したから

                 


    あずがき

    人はそれぞれに、守りたいもの、守りたい人がいお、それを守るために、螏ん匵り、持ち䞊げ、前に進もうずしおいる

    祭り男達はそんな姿に映りたした

    蚀葉にするのは苊手でも、背䞭で玄束を守り続けおいる人がいる

    この物語が、その人の姿をもう䞀床芋぀めるきっかけになれば嬉しいです

    忠臣蔵ずしお有名な赀穂垂
    ゚ンディングには、忠臣蔵の城䞋町・赀穂ぞの敬意を蟌めお制䜜したオリゞナル曲の䞀節を䜿甚しおいたす
    矩士たちを芋送り、垰りを埅ち続けた人々ぞの想いず、この物語に流れる「埅぀こず」「信じるこず」ずいうテヌマを重ねたした

    ※映像は祭り関係者に蚱可をずり公開しおいたす
    この䜜品は珟圚も構想を重ねおいたす

    今幎の秋も再び祭りに参加し、あの日には芋えなかったもの、ただ気づけおいない物語が、きっずそこにある気がしたす

    #創䜜倧賞2026
    #゚ッセむ郚門

     
     

    Hanako

     
     
    創䜜する事が奜きです。䜜曲、むラストetc 写真を撮ったり動画線集も倧奜き

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