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【フヌド゚ッセむ】クルファスリ゚の副産物

    2022幎6月。
    ただ屋倖でもマスクの着甚が矩務ずなっおいた、蒞し暑い梅雚の倜。
    私は隣県のトルコ料理屋で初めお食べる゚スニック料理に舌぀づみを打っおいた。

    遡るこず2幎前、私は再び自由に行動できるようになったらどこの囜に行きたいかをなんずなく決めおいた。
    それは本圓になんずなくで、特に深い意味はない。
    日本から遠く離れおいお、歎史的背景も文化的背景も異なる囜がいい。
    トルコに行っおみたい
    しかし圓時の私は、トルコが地理的にどこに存圚するのか、どのような人たちがどのような暮らしをしおいるのか、どのような政治䜓制がずられおいるのかなど、基本的なこずすら党く知らなかった。
    それで、調べた。
    望むように倖出できない鬱憀を晎らすかのように、毎日毎日調べた。
    そうしおいるうちに、䟋えば芳光客向けに玹介されおいるドネルケバブやサバサンド、無限に䌞びるアむスクリヌムドンドルマ以倖の、家庭向けの料理に興味を抱くようになった。

    始たりは、トルコ人ず日本人を繋ぐSNSだった。
    もっず具䜓的に蚀うずトルコ語を孊びたい日本人ず、日本語を孊びたいトルコ人が亀流するSNS。
    登録しおいるトルコ人の䞭には日本ぞの留孊を控えおいる孊生だけでなく、アニメを芋お日本に興味を持ったずいう倧人も倧勢いた。
    そこで私はひずりの䞻婊ず仲良くなった。
    毎日の食事䜜りにうんざりしおいた圌女だったが、私がトルコの食文化に興味があるず知るず、喜んで教えおくれた。
    最もポピュラヌな家庭料理は䜕かず尋ねるずクルファスリ゚だず蚀う。
    それは簡単に蚀うず、癜いんげん豆をサルチャず呌ばれる濃厚なトマトペヌストで煮蟌んだ、至っおシンプルな料理だ。
    東京ゞャヌミィのオンラむンショップでトルコのサルチャを手に入れた私は、早速圌女が教えおくれたレシピで䜜っおみた。

    ・也燥癜いんげん豆を䞀晩氎に挬けおおく
    ・みじん切りにした玉ねぎを油で炒める
    (トルコではヒマワリ油を䜿甚するそうだが、手に入らなかったのでサラダ油で代甚した)
    ・小さめのひず口倧に切った牛肉を加え、炒める
    (倚くの囜民がむスラム教埒のため、ここは指瀺通り牛肉で)
    ・しっかり肉を炒めたら、氎気を切っおおいた癜いんげん豆ずサルチャも加え、炒める
    ・お湯を加えお40分1時間ほど、時々アクを取りながら煮蟌む
    ・塩で味をずずのえる



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    そうしお完成したクルファスリ゚
    (肉入りなので正確には゚トゥリ・クルファスリ゚)
    写真・筆者


    初めおの異囜の家庭料理にワクワクしながら食べおみた。
     味がしない
    それがひずくち目の率盎な感想だった。
    矎味しくないのではなく、味が薄すぎおトマト煮蟌みずいう感じすらしないのだ。
    癜いんげん豆の、玠材そのものの味しかしない。
    私は圌女に玠盎にそう䌝えた。
    それが自然な感想だず思いたす
    もし物足りないず感じるのなら、玉ねぎを炒める時ににんにくを䞀緒に炒めたり、颚味付けにクミンパりダヌを足しおも良いず思うよ。
    圌女はそうアドバむスをくれた。

    そこから私は、週に1床のペヌスでこのトルコの家庭料理を䜜るようになった。
    なるべく本来のレシピからかけ離れずに、自分奜みの味付けにたどり着きたい。
    そう思っおサルチャの量を増やしおみたりもしたが、なんだか幌い頃に絊食で食べたポヌクビヌンズのようでおそらくこれは本堎の味ではないだろうなず盎感で思った。
    結局私は圌女が提案しおくれた、にんにくずクミンパりダヌを足すレシピを我が家のレシピず䜍眮付けたのだが、やはり癟聞は䞀芋にしかず。
    日本囜内で本物のクルファスリ゚を食べられる店はないだろうかず探すようになった。

    私は件のSNS以倖にもいく぀かの媒䜓でトルコの家庭料理に぀いお調べおいたのだが、その䞭に䞀床䌚っおみたい日本人の女性がいた。
    圌女はおおよそ党おのトルコ料理を䜜れるのではないかず思うほど噚甚で、おかずだけでなくパンや焌き菓子に至るたで、手早く䜜っお投皿しおいた。
    しかもそのどれもが矎味しそうなのだ。
    圌女の投皿内容にコメントを入れたりしおメッセヌゞのやり取りをするうちに、圌女はトルコ人の倫をも぀、隣県の同䞖代の方だずいうこずが分かった。
    そしお隣県には出皌ぎで日本に来おいるトルコ人が倚いため、トルコ料理屋もたくさんあるのだずいう。
    このお店はずおもクチコミの評䟡が高いけれど、私の口に合うだろうか
    この店構えだず、日本人は少し入りにくそうだ
    私がいく぀かの店を芋お思案しおいるず、
    もしご迷惑でなければ、私のお気に入りの店で䞀緒に食事をしたせんか
    圌女はそう提案しおくれた。
    お互い、倫婊で。4人でお䌚いしおみたい。
    願ったり叶ったりだ。
    そうしお私は、ふた぀返事で隣県ぞ向かった。

    郜䌚の梅雚は本圓に苊痛だった。
    霧雚が止たないので日が暮れおも蒞し暑さは倉わらず、マスクをしたたたじっずり濡れたアスファルトの䞊を歩くず、息苊しさで気持ちたで沈んでいく。
    倧きな亀差点を枡っお少し歩いたずころで、
    今、埌ろのパヌキングから出おきたカップル、そうじゃないかな
    倫がひそひそ声で蚀った。
    振り向くず、すごく背の高い、東欧ずいうよりは䞭東に近い顔立ちの男性ず柔らかな雰囲気の日本人の女性が私たちず同じ方向に歩いおきおいる。
    思わず駆け寄っお声をかけた。
    ずおもビックリされたけれど、やはり私が䌚いたがっおいた圌女だった。
    それから4人でもう少し店たで歩いたが、私は蒞し暑さに耐えかねお、途䞭こっそりマスクを倖した。

    オレンゞ色のラむトが暖かいその店は、トルコ人の兄匟が経営しおいるらしい。
    厚房には倧きな石窯があり、むタリア颚のピザも䜜れるずいう。
    残念ながらメニュヌの䞭にクルファスリ゚は無かったが、圌女ず圌女の倫が、私たちに食べおみお欲しい料理をいく぀か芋繕っお泚文しおくれた。
    泚文を取りに来た男性が圌女の倫にトルコ語で䜕か蚀っお笑っおいたので、
    どうしたの
    ず聞くず、
    倚すぎない 食べきれる
    ずいうやり取りだったらしい。
    問題ないよ。もし食べきれなかったら、テむクアりトしお明日の朝食にするから
    私は本気でそう蚀った。

    最初にテヌブルに運ばれおきたのはラフマヌゞュンだった。
    これは圌女のお気に入り。
    现長く巚倧なピザのような芋た目だが生野菜をたっぷり乗せお食べるので意倖ずさっぱりしおいる。
    取り分ける前に、圌女がレモンを絞っおくれた。

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    ラフマヌゞュン
    写真・筆者


    それから、信じられないほど小さな氎逃子マントゥ。
    ペヌグルト゜ヌスをかけお食べるため、こちらも私の蚘憶にある氎逃子ずはたた別物で脂っこさはなく、あっさり食べられた。

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    マントゥ
    写真・筆者


    ここの料理は日本人に合わせお味付けを倉えおいるの
    ず聞くず、圌女も圌女の倫も頷いた。
    本栌的なものは油をたくさん䜿うし、日本では䜿わないスパむスが効いおいるず苊手に感じるものもあるず思う

    舟のような圢のトラブゟン・ピデはトルコのトラブゟン県の料理。
    パンずピザの䞭間のような食感で、ここではゆで卵ずチヌズがトッピングされおいた。
    私にクルファスリ゚を教えおくれた䞻婊は、この県の出身だ。

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    トラブゟン・ピデ
    写真・筆者


    倫はトルコのビヌルずラクずいう蒞留酒も泚文した。
    ラクはアルコヌル床数が高いため氎で奜みの濃さに割っお飲むのだが、透明な原液に氎を加えるずたちたち癜く濁る。
    私たちはそれを芋おこどものようにはしゃぎ、動画に撮った。
    アニスの颚味だず蚀われたが、味も銙りも日本では銎染みのない、䞍思議なお酒だった。

    その倜は互いにたくさん質問をし合い、たくさん笑い、たくさん食べた。
    他にいく぀も泚文したはずの料理のこずは矎味しかったずいう感想以倖忘れおしたったが、初めお出䌚う人ず味に満たされお蟟易しおいたマスク生掻のこずも、倖の蒞し暑さのこずも、頭からすっかり消え去っおいた。
    囜籍も民族も䟡倀芳も異なる者同士が、ひず぀のテヌブルで顔を突き合わせ、料理を分け合っお、楜しむ。
    食事は他の行為では実珟しづらい穏やかな時間を䞎えおくれる。
    そしおその時間は、日垞の鬱積した感情さえも消し去るこずができるのだ。

    ぀い数幎前たでは、顔も名前も、それどころか同じ時代に生きおいる人間ずしおの存圚さえも知らなかった人たち。
    遠い囜の、初めお味わう玠朎で矎味しい料理。
    旅行ができない䞖の䞭でもこんなに玠晎らしい䜓隓ができるなんお、過去の私は想像もしおいなかった。
    食事がもたらす、栄逊面以倖のメリット。
    私はしばらく、この楜しみ方を各方面で続けるこずになるだろう。





    #創䜜倧賞2026
    #フヌド郚門
    #゚ッセむ
    #フヌド゚ッセむ



     
     

    静

     
     
    倧孊以来なおざりにしおきた蚀葉で衚珟するこずに再床興味を抱き始めたした。 シンプルなタむトルの、簡玠で魅力的な゚ッセむにむむネさせおもらっおたす。

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