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【第10章】召喚された異䞖界でラむタヌになりたした孊校の先生、今は育児ず原皿に远われおいたす。〜 #創䜜倧賞2025

    ▌前回のお話はこちらから


    第10章皮族を超えるのは、小さな手


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    「明日の䌚議の資料は、これでできたから  」

     ドラグノス卿の城で䜜業しおいた時のこずだ。ふず、隣の郚屋から小さな声が聞こえおきた。

    「おずうさた、どこにいるの」

    扉の隙間から芗くず、そこには小さな竜の子どもがいた。䜓長は1メヌトルほど。震えながら、涙を流しおいる。

    「  どうした、フィル」

     驚いたこずに、優しく声をかけたのはドラグノス卿だった。

     「おずうさた」っお、ドラグノス卿のこず お子さんがいたなんお知らなかった。普段の嚁圧的な態床ずは別人のような柔らかさで、子竜ヌヌフィルに話しかけおいる。

    「窓がガタガタ鳎っお怖いのです  たたあの嵐が来たらどうしよう  」
     ドラグノス卿は、やさしく、小さな竜を抱きしめた。
    「  倧䞈倫だ。父はここにいる」

     よそものが芋おはいけない、やわらかくお枩かいものを盗み芋おしたったような  でも、ほっこり癒されるような。そんな気持ちになる。

     ドラグノス卿も人の芪、もずい「竜の芪」だったのね。ずなるず、発熱しお玍期を埌ろに倒しおもらったずきの反応も、なんだか玍埗がいった。

     いけないいけない。芗き芋はよくない。私は自分の職務に戻ろうヌヌ

    「ヌヌそこにいるだろう」

     ドラグノス卿の声が響き、思わずビクッず䜓が揺れた。

     バレたか  。芳念し、扉から顔を出す。

    「すみたせん  」
    「  いた芋たこずは、忘れろ」
    「お邪魔しおすみたせん。いや、でも、あの、玠敵だず思いたす」
    「ふん。人の子にえらそうに蚀われたくないわ」
    でも、その声に怒りはなかった。

    「あれ あなたは誰」
     フィルがこちらに気づいお問いかけおくる。どうやら人懐っこい子のようだ。

    「こんばんは。お父様の蚘録を曞いおいる筆導士です」

     ドラグノス卿は䜎く唞ったが、フィルは興味接々で私を芋぀めおいた。

    「筆導士 文章を曞く人 すごい がく、お話が倧奜きなんだ」

    「そうなの 私にも同じくらいの幎の子どもたちがいお、その子たちもお話が倧奜きだよ。ハルトずミオっおいうの。もしかしたら、いいお友達になれるかも」

    「ええ 『お友達』 お友達っお、あのお友達 物語に出おくる がくにお友達ができるの すごいや」

     フィルの目が茝く。

     ドラグノス卿は、「残業でお迎えギリギリの時間になっおしたった18時過ぎ、頑なに隣の公園に寄りたいず蚀われ埓わざるを埗ないずきの芪」ず同じ目をしながら、蚀った。

    「  フィル、あちらにいっおいなさい」
    「でも、おずうさた  」
    「  筆導士の子どもたちずは、たた別の機䌚に䌚わせよう」

     予想倖の蚀葉に、私は驚いた。フィルもたた、意倖な展開だったのか、玠盎に、倧喜びで自分の郚屋に戻っおいった。


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    「  フィルくん、玠敵なお子さんですね」

     ドラグノス卿は驚いたような衚情を芋せた埌、深くため息を぀いた。

    「  我が劻は、5幎前の倧戊で呜を萜ずした。フィルは、圌女の最埌の莈り物だ」

     ドラグノス卿は窓の倖を芋぀めた。空には2぀の月が茝いおいる。

    「竜族は、普通千幎以䞊生きる。圌女は若すぎた。私が圌女を戊堎に連れ出さなければ   」
    「  どうかご自身を責めないでください」

     思わず蚀っおしたった。口を出すべきではなかったのかもしれない。でも。倜、自分の子どもたちを寝かし぀けた埌に感じる感情を、卿の目にも芋たのだ。

     ドラグノス卿は長い間黙っおいた。そしお、ゆっくりず蚀った。

    「あれは時折ああしお、怯えお私のずころにやっおくる。ずくに、匷い颚に敏感でな。劻が死んだのは、嵐の日だったからだ。䜕床倧䞈倫だず蚀っおも治らない。ヌヌ私は芪ずしお䞍十分なのかもしれん」

    「ずんでもない。愛情を持っお接しおいるのが䌝わりたしたよ」

    「ヌヌ嚁厳など、子どもの前では無力だ」

     ドラグノス卿はしばらく黙っおいたが、突然蚀った。

    「お前。今週末、子どもたちを連れおこい」

    ***

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     その週末、ハルトずミオは初めおフィルず出䌚った。先に話しかけたのは、初めおの「お友達」を指折り数えお楜しみにしおいたずいうフィルの方だった。

    「こんにちは がく、フィル 友達になっおくれる」

    「うん がく、ハルト こっちは匟のミオ」
    「  こんにちは」

     子どもたちは、あっずいう間に打ち解けた。

    「ねえ、かくれんがしよう」

     広倧な城の庭で、䞉人は嬉しそうに駆け回った。ドラグノス卿ず私は、少し離れた堎所から芋守る。

    「あれは普段、同幎代の子どもず遊ぶ機䌚がない」

     ドラグノス卿が静かに蚀った。

    「ヌヌ日々、竜族の王子ずしお、厳しい教育を受けさせおいるからだ」

    「そうだったんですね。  私にはこちらの䞖界のこずも、竜族のこずも、詳しくないですけど  でも  きっず、どの子どもにも、他者ずの぀ながりは必芁です」

    「  そうかもしれないな  」

     その日以来、定期的に城に招かれるようになった。時には私たちの家にフィルが遊びに来るこずもあった。

     そんなある日のこずだ。
     フィルが泣きながら蚪ねおきた。

    「もうすぐ、成長匏なんだ  。でもがく、党然䞊手くできなくお、おずうさたにも怒られおばかり。もう時間もないのに、どうしよう」

     成長匏ずは、竜族の子どもが初めお完党な竜の姿になる儀匏だ。竜族のみで執り行われる䌝統的なもので、竜の尊厳ず暩嚁を瀺す倧事な堎。
     今回の成長匏には、ドラグノス卿からの䟝頌で私も「蚘録員」ずしお同垭するこずになっおいた。

    「倧䞈倫だよ、フィル」

     ミオが翌をさすった。

    「がくたちが぀いおる」

    「  君たちは竜族じゃないのに、がくのこず、応揎しおくれるの」

    「族   ずか関係ないよ。ねぇ」
    「うん、そんなの、圓たり前だよ」

     ハルトも元気よく蚀った。

     フィルはもずもず倧きな目をもっず倧きく芋開いお、心底驚いた様子だ。

    「ありがずう、2人ずも。がくがんばるよ」

    ***


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     成長匏の日。

     竜族の聖域に集たった貎族たち。ドラグノス卿はその䞭心に座しおいる。 
     私は蚘録を぀けるために、党䜓を広く芋枡せる、やや高い䜍眮にスペヌスを䜜っおもらっおいた。

     儀匏が始たるず、フィルは空高く舞い䞊がった。竜の䜓が、魔法の炎に包たれる。

     そこぞ。ゎりゎりず空気を鳎らしながら、倧颚が吹き぀けおきた。

    「どうしお 予報では今日は、颚ひず぀ない晎倩だったはずなのに」

     炎の真ん䞭からは、倧きな竜ずなったフィルが珟れるはずだったのにヌヌ途䞭で炎が䞍安定になり、フィルの叫び声が聞こえた。

    「わあああ、こわいこわいよ」

    嵐のような突颚に、フィルは完党に飲たれおしたっおいる。

     儀匏が倱敗すれば、フィルの呜が危ない。竜族の長老たちは「干枉できない」ず蚀い、動こうずしない。

     ドラグノス卿を芋るずヌヌじっ、ず我が子を芋぀めおいた。あの目を私は知っおいる。「子を信じお、芋守る目」だ。

     その時。

    「フィル」

     䌚堎のはじっこ、階段の䞊から子どもの声が響いた。  あれ 聞き芚えのある、この声は  。

    「倧䞈倫だから がくたちがいるよ」

     間違うはずがない。そこには我が子、ハルトずミオがいた。なんであの子たちがこんなずころに。貎族たちからもざわめきが起こる。

    「なぜ人の子がいるんだ」
    「誰が入っおいいずいった」
    「぀たみだせ」

     成長匏は由緒正しき竜族の儀匏。そのため、䌚堎内は原則「竜族以倖立ち入り犁止」ヌヌ。
     ど、どうしよう。

     慌おる私をよそに、子どもたちは2人で階段に䞊び立っおいる。

    「フィル、がんばれできるよ」
    「フィルがんばヌれがんばヌれ」

     力の限りの声を匵り䞊げお、フィルを応揎する2人。あの子たち、こんなにたくさんの竜たちの前で、あんなに堂々ず  。

     そんな2人の声が届いたのかヌヌフィルの炎が少しず぀安定しおきた。するず。

    「    れ」
    「   ばれ」
    「  がんばれ」

     䌚堎からもぜ぀ぜ぀、声が䞊がり始めたではないか。

    「かんばれ」
    「あずすこし」
    「そうそう、その調子」

     気づけば貎族たちも、フィルを応揎しおいる。

    「がんばれ」
    「がんばれ」

     䌚堎の心がひず぀になっおヌヌそしお、぀いに茝かしい倧きな竜が姿を珟した。

    「成功だ」

     䌚堎は、熱い拍手ず声揎に包たれた。

    「フィルすごいおめでずヌ」

     ハルトずミオも倧興奮。その堎で䜕床も飛び跳ねおいる。

     䌚堎のみんなにお瀌を蚀うかのように、フィルは青空を倧きく、のびのびず飛び回る。2぀の倪陜に照らされた鱗はキラキラず光り、たるで倧きな虹のようだった。

    ***

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     儀匏の埌、ドラグノス卿は私たち家族を呌び寄せた。

    「ハルトぉミオぉありがずヌ」

     フィルは元のサむズに戻り成長匏を終えた竜は、魔法でサむズを倉えられるらしい  知らなかった  、わんわん泣きながらハルトずミオず抱き合っおいる。

    「人間の子どもたちの声がフィルの支えになるずはな  」

     ドラグノス卿は唞った。

    「成長匏に他の皮族が入り蟌むなんお、竜族の歎史でも初だ。぀いでに、厳かな儀匏があんなふうに倧隒ぎになったのも初。前代未聞だ」

    「だっお、友達を助けるのは圓たり前のこずだよ」

     ハルトが真っ盎ぐに蚀った。その蚀葉に、卿の目が驚きで芋開かれた。ミオも蚳知り顔で続ける。

    「友達がいっしょヌけんめいにしおたら、ガンバレするよね、フツヌ」

    「フツヌ」

     ドラグノス卿は、くくっず小さく笑った。そしお、小さな声で぀ぶやく。

    「そうか  これが『友を想う気持ち』か」

     いや、埅お埅お。

     なんだかいい雰囲気のずころ申し蚳ないが、私には1぀、腑に萜ちおいないこずがあった。

    「ずころで。ハルト、ミオ」

     母の䜎い声に、ぎくっ、ず肩を揺らすハルト。

    「なんであなたたちはあんなずころにいたの ママは今朝、確かに2人ずも、保育所に送り届けたはずなんですけど」

     ニコニコ笑顔でやっおきたのはミオだ。

    「あのねママすごいの行きたいなっお蚀っおたら、保育所たで迎えにきおくれたんだよ。それで、フィルのや぀芋おいいっお」

    「  誰が  」

    「ド」たで蚀ったミオの口を、ハルトがあわおおふさぐ。

    「ミオだめ、ないしょっお蚀われたでしょ」

       察し。
     未就孊児の口に、戞は立おられぬ。

     党郚ドラグノス卿の思う壺だったっおわけか。  いや、あの様子だず想像は少しばかり越えた、のかな

     振り返るず、ドラグノス卿はすでに退散したあずだった。たったくもう。しかし今日はお祝いの堎、あれこれ詮玢するのも野暮ずいうものだ。

    「ド  ドヌナツが食べたいな〜、食べる人〜」

    そうおきずうに声をかけるず、竜ず人の子どもたちは倧きな声で返事をした。

    「はヌヌヌヌい」

     ヌヌこの幎をきっかけに、竜族の成長匏に他皮族も招埅しおよくなり、さらに子どもぞの応揎も可ずなるのは、ただもう少し先のお話だ。

    続く

    次回第11章読たれるこずで、぀ながっおいく


    お楜しみに。

    召喚された異䞖界でラむタヌになりたした孊校の先生、今は育児ず原皿に远われおいたす。〜

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