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そばにいるだけの道具

公開された時から気になっていた、
作詞支援ツール『sakushi』を触ってみました。

AIが何かを「生成してくる」わけではなく、
自分が並べた歌詞の代わりに、類語や韻の候補が静かに並ぶ。

横に誰かがいて、
「こういう言い方もあるよ」とだけ言ってくれるような感覚。

答えは出してこない。
でも、ひとりでもない。

その距離感がちょうどいいなと感じました。

これまでのAIの立ち位置は、
どちらかというと前に出てくる存在でした。

綺麗にまとめてくれるし、完成させてくれる。
正しい答えに導いてくれる。

確かに便利ですが、
ふと気を抜くと、どこかで「任せてしまう」感じや
「引っ張られてしまう」感じがあります。

言葉の候補が並んで、その中から自分で拾っていく。
少し引っかかる歌詞の一部分だけを相談できる。
このくらいの関わり方が、心地いいことに気づきました。

完成させるのではなく、
もう一歩だけ進めるための支え。

こういうものを探していた気がします。

これからAIがどこまで賢くなっていくのか、という話はよく聞きます。

でも、それと同じくらい、
どこまで出すぎないでいられるかも気になっています。

気づけば、私がこれまでiPhoneの中で作り続けてきたアプリたちも、
同じような方向を向いていたかもしれません。

何かを完成させるためではなく、
ただその「途中」に触れていられるもの。

答えを出さないAIの隣で、歌詞の候補を眺めている時間は、
深夜にアプリの数値を0.01動かしている時の感覚と、
とてもよく似ていました。


試しに曲を作ってみた

これまで記事で書いてきた、私の「アプリづくり」について、
ChatGPTに歌詞のドラフトを作ってもらいました。

それをsakushiに貼り付け、まずは歌詞全体を分析してもらいます。

色々言ってくれていますが、「反復が強固」とのことでした。
褒められていないことだけは分かります。

ここで、「じゃあ全部直してもらおう」とはならず、
少し引っかかった部分だけを選択して、
類語の候補をずらっと並べてもらう。

AIに正解を出させるのではなく、
並んだ言葉の中から自分がしっくりくるものを拾い上げる。
この作業が、とても心地よかったです。

韻の候補検索もできます。
今回はあまり使う機会がありませんでしたが、
リズムを大事にしたい時、意外なワードに出会えるかもしれません。

初めて作詞に取り組んだので、
このようにパートごとに分けて考えられるのは、
かなり思考のしやすさを実感しました。

そんなこんなで出来上がった歌詞がこちらです。

余白のまま

まだ名前もないまま
画面の中で揺れてる
そのままにできなくて

指先で触れてみる
動いた訳も分からず

答えは出さないで
ここに置いておくから
ざわめく違和感だけ
静かに残しておく

終わらせないことで
続いている夜がある
ただ触れてみたいだけ

どこにも行けないまま
隣でただ光ってる
言葉だけを置いてく

少しだけ試して
少しだけ壊してみる

答えは出さないで
ここに置いておくから
ざわめく違和感だけ
静かに残しておく

終わらせないことで
続いている夜がある
まだ触れていたいだけ

気づけば違うものに
なってることもある
この時間が
どこかで続いてる

答えは出さないで
このままにしておくから
ざわめく違和感だけ
静かに残しておく

終わらせないことで
続いている夜がある
名前もつけないまま
ここに置いておく

改めて相談してみたら、最初より少し褒められた感じがします。

類語検索で出会った
「ざわめく違和感だけ」という言い回しも褒めてもらえました。

そして、作った歌詞をSunoに曲にしてもらいました。

だいぶイメージ通りに仕上がったので、
良ければ聴いてみてください。



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