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50代。最後の満員電車を降りた日

    50代。
    いよいよ、最終出勤の日がきた。

    10年勤めた職場の最後の1日。

    朝起きた時、気持ちは清々しかった。


    昨日の方が、
    「あと1日しかないんだ」
    と少し胸がざわついていたから、
    今日はそれがなくて、
    ちょっとホッとした。


    担当していた方のご家族が、
    夢に出てきた。


    担当を離れてからも、
    私の小さな節目・節目に偶然会うご家族だ。


    「もう偶然じゃないのかもしれないね」と、
    会うたび笑い合っている。

    最終出勤日の朝、夢にもでてくるなんて(笑)



    朝はいつも通り、バタバタと準備する。

    いつも寝ている夫が、
    この日ばかりは起きて送り出してくれた。

    「10年お疲れ様。
    気を付けて行ってらっしゃい。」

    その言葉に、少し涙ぐみながら、
    家を出た。



    昨日まで雨だったのに、
    今日はきれいな青空。


    天気まで、
    「最後のお勤め、
    行ってらっしゃい!」
    と言ってくれているようだった。


    いつものように
    自転車で駅へ向かい、
    イヤホンをつける。


    最後の朝は、何を聴こう。

    ずいぶんお世話になった
    サカナクションにした。
    朝聴くと、気分が自然に
    あがってくる。



    そして最後の日も、
    やっぱり満員電車だった。
    (当たり前だけど…)



    職場では、
    最後の片づけをした。
    PCの整理も忘れない。 

    すると…
    数年前に作った勉強会の資料が
    出てきた。


    とても傷つき、苦しかったころのものだ。

    若い人たちに伝えたいが、
    いきなり今日中に
    時間をもらうことは難しいだろう。

    ゴミ箱に入れてしまえば、
    すぐに終わる。

    でも…
    若い人たちが、私と同じように苦しんだら・・?

    そう思うと、簡単にゴミ箱に捨てられなかった。



    急きょ少しだけ時間をもらい、
    資料を渡して話をした。

    少しだけのつもりが、
    若いスタッフから
    ポツリポツリと話をしてくれた。


    最後に、
    小さなバトンを渡せた気がした。




    スタッフのみなさんに、
    あいさつをする。
    私も色紙やプレゼントをいただいた。


    こんなにも温かく送り出してもらえるなんて。


    そして何より、
    自分自身が感謝の気持ちで
    最後の日を迎えられたことが
    うれしかった。

    今までの職場は、
    疲れ果てたり、
    ストレスでの退職だった。


    私はずっと、そうして退職を
    迎えるものだと思っていた。

    だから、こんな気持ちで
    こんな風に退職できることが
    うれしかった。



    どうかみなさん、
    こころと体を大切にと伝え、
    帰る準備をする。



    いよいよ、
    職場の最後の扉を開ける…



    一瞬…

    この扉が私の人生の黄金の扉に見えた。

    ここから私の人生がはじまる!



    扉を閉めて、
    職場へ向かって、
    おじぎをした。




    帰り道、
    HANAを聴いた。

    空がとてもきれいだった。

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    最後の通勤の空



    「10年間、お疲れさま。」


    そんなふうに言ってもらえた気がした。


    荷物をたくさん抱え、
    最後もやっぱり満員電車に乗る。 



    ありがとう、自分。


    いろいろあったけど、
    一緒にがんばってくれて。

    これからは、
    ゆっくり過ごそうね。




    帰り道、
    地域ねこさんが舌を出して座っていた。

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    「よくやったじゃニャイのよ」


    「10年よくやったじゃニャイのよ。」





    そんなことを言ってくれたのかは、知らないけど…。








     
     
    50代、はまこです🌿 看護師として約30年。 そのうち10年は、ケアマネとしても地域の介護の相談窓口で働いてきました。 仕事を離れたら、今度は遠距離介護に突入。 50代の日々、更年期、親との時間。 こころが動いたことを、ぼちぼち綴っています✍️ よかったら、また来てね😉

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