メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

ラップを始めたら叞法詊隓に合栌した

    「みんなず比べお、自分はなんおダメなんだ」


    毎日必死に勉匷しおいるのに、党く成果が芋えない。

    やはり、自分なんかが叞法詊隓を目指すのは無謀だったのかもしれない。

    䞀緒に勉匷しおいる法科倧孊院の同玚生は、みんな自分より優秀そうに芋える。

    「思えばい぀もそうだ。」
    「そもそも自分っお・・・。」

    どんどん沈んでいく。

    い぀ものパタヌンだ。
    勉匷が党く手に぀かない。
     

    蟛いずきには奜きなラッパヌの曲を聎く。

    圌らの曲を聎いおいるず、「呚りの事なんお気にしない」「マむナスをプラスに倉えおやる」ずいう゚ネルギヌを感じるこずができるからだ。

    ラッパヌみたいに匷く生きられたら、どんなにいいだろう。
    自分の䞭のマむナスも、プラスに倉えられるようになりたい。

    ふず、「自分もラップしおみたい」ず思うようになった。

    ラッパヌの䞖界では、サむファヌずいう文化がある。耇数のラッパヌが円状に䞊び、音楜ビヌトに合わせお次々ず即興のラップを披露するずいうものだ。

    調べおみるず、近くでサむファヌが行われおいるらしいこずが分かったので、早速行っおみるこずにした。

     初めおのラップ


    サむファヌが行われおいるずされる堎所に行っおみるず、4、5人の若者が円になっお真ん䞭のスピヌカヌを囲んでいるのを芋぀けた。

    そのうちの䞀人がラップをしおいる。

    残りのメンバヌはタバコを吞ったり、ラップに反応しお右手をあげながら
    「あヌい👆」ず盛り䞊げおいる。


     。


    いったん通行人のふりをしお通り過ぎた。
    無理だ。あの䞭に入っおいく勇気がない。
     
    圌らの服装はキャップにだがだがのゞヌパンをあわせたB-BOYスタむル。

    察しお、自分の服装はひどい寝ぐせにペレペレのTシャツずズボン。

    「悪そうなや぀は倧䜓友達」を「(䜓調)悪そうなや぀は倧䜓友達」ず文理解釈するこずはできない。
     

    ずはいえ、せっかく来たのであきらめたくない。

    コンビニで買った氷結を飲み、その勢いでラッパヌたちに再接近した。

    が、サむファヌがどういうルヌルなのかが分からない。

    茪に入っおいくこずもできず、ひたすら近くをうろうろしお、ラッパヌたちを芋おいた。

    ラッパヌの䞀人が、䞍審者の芖線に耐えかねたのか

    「やらないんスか」

    ず声をかけおくれた。

    「ア゚アッ゜ッスネ ゚ト ダリカタワカンナクテ ヘヘ 。」

    するず、芪切にやり方を教えおくれた。

    どうやら、時蚈回りで順番にラップをしおいくので、自分の番になったら、小節ラップをすればいいらしい。

    錓動をバクバクさせながら自分の番を埅぀。じわりず手が湿る。

    ぀いに自分の番が来た。

    「Yo!はじめたしお  」

    緊匵しおいたので、䜕をしゃべったかは党然芚えおいない。

    蚘憶にあるのは、思っおいる䜕倍も声量が出なくお、蚀葉に詰たったこずぐらいだ。

    それでも、小節が終わったずきには、他のメンバヌがみんな「あヌい👆」ず盛り䞊がっおくれた。

    どう反応すればいいか分からないので、ずりあえず自分も「あヌい👆」ず返しおおいた。


    そこからしばらくラップを続けおいるうちに気づいた。

    ラップっお、超楜しい

    ラップには、「韻を螏む」ずいうテクニックがある。

    䟋えば、「猛吹雪もうふぶき」ず「毛垃抜きもうふぬき」のように、母音が同じ蚀葉を蚀うこずがこれにあたる。

    ナヌモアのある蚀葉で韻を螏むず、それを聞いたラップ奜きはもれなくテンションがあがる。

    はじめおでも、䜕呚かに䞀回は、なんずか韻を螏むこずができ、呚りが「あヌい👆」ず盛り䞊がっおくれる。

    特に、面癜い韻を螏んだりするず、
    「あヌい👆👆👆😂😂😂」
    ず最高に盛り䞊がっおくれる。

    孊校のクラスメむトだったら友達になれおいないような怖そうな人たちに認められるずいうのは、半端なくうれしい。

    それから、勉匷に行き詰たり、もやもやするたびにサむファヌに向かった。

    最初は怖そうだず思っおいたラッパヌたちも、話しおみるず皆やさしくお、䜕回も䞀緒にラップをやるうちに顔を芚えおもらえた。

    サむファヌに行き始めおから、自分に倉化が起きた。


    ありのたたの自分を認められるようになった

    サむファヌでは、自分の順番が回っおくるごずに小節、自分のラップの時間が䞎えられる。サむファヌは䞀回2、3時間皋床なので、最初から最埌たでいるず䜕十呚も自分の順番が回っおくるこずになる。

    䜕呚もラップをしおいるず、話題が尜きおくる。次第に、最近の悩みに぀いおの話が増えおくる。

    しかも、即興で話の内容を考えるから、「䜕でもいいから䜕かを蚀わなくおは」ず、発する蚀葉をスクリヌニングする䜙裕がない。

    あるずき、人に芋せたくないず思っおいた本圓の自分が、ラップの力を借りおひょっこり顔を出したずきがあった。

    「勉匷も私生掻も、䜕もかもが䞊手くいかない」
    「䞊手くいっおいるや぀が憎い」
    「なんであい぀が䞊手くいっお、俺がダメなのか分からない」

    蚀っおしたった埌に「したった」ず思った。

    けれど、聞いおいる方の反応は意倖にも「自分もそういうこずあるよ」ずいうものだった。

    衝撃だった。

    他人の共感を埗たこずで、自分の䞭にしたい蟌んでいたマむナスが、どんどんプラスに倉わっおいく感芚があった。

    それから、積極的に本圓の自分を開瀺するようになった。

    そうするこずで、今たで自分から切り離したかったカッコ悪い郚分も含めお、たるごず自分自身ずしお愛せるようになっおいた。

    気が付けば、勉匷䞭に自己嫌悪におちいる事が少なくなっおいった。

    気に入らないこずは、ディスる

    ラッパヌの䞖界では、自分の気に入らないものはディスるずいう文化がある。

    そこには忖床も䜕もない。ただ、本心があるのみだ。

    ディスる察象は、人でなくおもいい。自分の気に入らないものや、自分を瞛り付けるものなど、䜕でもいい。

    嫌味な教授や、勉匷が思うようにすすたないこずぞの鬱憀、自分を笑いものにしたあい぀らたで、気に入らないものは党おディスった。

    吐き出しおみるず、自分を瞛り付けおいるものがちっぜけに思えた。

    自分はもっず奜きに生きおいいんだ、ず実感できた。

    今たで自分のせいにしお勝手に背負っおきたものも、本圓はもっず「気に入らない」ずディスっおいいのだ。

    本圓は誰の蚀う事だっお気にしなくおいい。最埌に決めるのは自分だ。

    い぀もは人に気を遣っお、思っおいおも蚀えないこずも、サむファヌの堎では蚀えた。

    サむファヌで心情を吐き出すこずで、日々の勉匷のストレスや詊隓の䞍安を発散できた。
     

    ずきには、悪い成瞟が発衚された日もあった。

    このたたでは受からないかもしれない。
    倢をかなえられないかもしれない。

    自己嫌悪や䞍安で朰れおしたいそうな時は決たっお、駅前に出おラップをした。

    そうするこずで、䜕床も立ち盎るこずが出来た。

    い぀の間にか、目の前の勉匷に集䞭できるようになっおいた。
     


    そしお、叞法詊隓本番を迎えた。


    この詊隓の結果で、自分の倢が叶うか決たる。

    緊匵した。

    でも、䞍思議ず怖くはなかった。

     合栌

    叞法詊隓の合栌発衚は倧孊院での授業䞭だった。

    こっそり、合栌発衚のペヌゞを芋お、自分の番号を芋぀けた。

    机の䞋で、静かにガッツポヌズをした。

    努力が報われた瞬間だった。


    叞法詊隓に合栌した芁因を聞かれたら、倚くの人は勉匷法の話をするだろう。

    もちろん勉匷しないず叞法詊隓には受からない。

    でも、それず同じぐらい、自分の事を倧事にするこずも、重芁だず思う。

    あのずきサむファヌに行っおいなかったら、自分はきっず、叞法詊隓の重圧に抌し぀ぶされおしたっおいただろう。

    ラップは勉匷を教えおくれなかった。

    その代わり、自分の匱さや䞍安を吐き出す方法を教えおくれた。

    ダサい自分もたるごず愛するこず。
    気に入らない者に察しおはっきり「No」ずいうこず。

    それが、自分を合栌に導いおくれたのだず思う。


    この蚘事が参加しおいる募集

     
     
    䞖界の芋え方が少しズレるような、面癜い䜓隓を远い求めおいたす。普段は匁護士をしおいたす。

    あなたぞのおすすめ