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にんじんしりしりと、ピーラーの敗北

    あんみつ

    にんじんしりしりにハマった。

    にんじんは子供の頃からあまり好きではなかった。
    カレーや煮物に入っていれば食べるけど、
    ハンバーグに添えられている甘いにんじんも、
    ポテトサラダに入っているにんじんも、
    ないほうが嬉しい。

    だから、自分で作る料理でにんじんが入っていることは、
    ほとんどなかった。

    数ヶ月前に、友人がおでんを振舞ってくれた。
    そこに、にんじんが入っていて衝撃を受けた。

    おでんの出汁が染み込んだにんじんは
    煮物のおでんとはまた違って、
    とてもおいしかった。

    にんじんって、美味しいんだな、
    人生で初めて感じた瞬間だった。

    それから、にんじんを買うようになった。

    とはいえ、にんじん1袋を1人で食べるのは、
    結構大変。

    にんじんのレシピを検索すると、
    にんじんしりしりのレシピがたくさん出てきて気になった。

    試しに作ってみたら、美味しくて、
    ハマった。

    とはいえ、包丁を使うのが上手じゃない私は、
    にんじんを綺麗に千切りできなくて、
    太いのや細いのが入り混じり、
    食感がイマイチだった。

    だから千切り用のピーラーを買うことにした。

    しかし、
    私は不安だった。

    以前、キャベツを千切りするピーラーで指をケガした。
    血が止まらなくて、夜間救急に行ったのが
    忘れられないのだ。

    そして、案の定、親指を切った。

    結構バッサリと切れるので、
    しばらく血が止まらなかった。

    絆創膏を貼って、
    痛みと戦いながら、にんじんを切った。

    1週間後、次は切らないようにと注意していたが、
    また切った。

    鍋つかみをしてピーラーを使ってみたけど、
    切りづらかった。

    諦めよう、
    そう思った。

    かくして、ピーラーはゴミとなった。

    それからにんじんは買っていない。

    にんじんしりしりを作る時は、
    ささがき的に切って、
    作ってみようかなと思っている。
    同じ太さには切れないと思うけど。

    次、にんじんが安くなるのはいつだろう。


     
     
     
    40代。退職して、人生を作り直し中。 可能性を言葉で紡ぐ人。 占いと文章を通して、心を軽くし、可能性の幅を広げるお手伝いをしています。 答えを伝えるのではなく、その人らしい言葉と未来を一緒に見つけたい。 小さな違和感や幸福を、忘れないように書いています。

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