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『発酵』私が理論中心・再現性重視であるワケ

    知りたいことはすぐに調べる「すぐ野郎」という癖

    発酵を学び始めた頃、
    「菌が元気だから」
    「昔からそうしているから」
    そんな説明を聞くことが何度もありました。
    でも私は、そのたびに
    「なぜ?」
    と思ってしまう人間でした。

    子どもの頃からなのか、大人になってからなのか、はっきりした記憶はないのだけど、昔から気になることがあれば「なぜそうなるの?」ということが気になる性格で、本を読んだり、テレビを見たりしたときに、気になることはすぐに片っ端から調べるクセがいつからかつくようになっていました。
    だから、発酵という世界は、そんなワタシの性格にぴったり当てはまるものなのだな、と今振り返ってみるとしみじみ思うのです。


    同じレシピなのに結果がぜんぜん違う

    「上手くいく人 」
    「上手くいかない人 」
    何が違うんだろう?
    そう思ったのが理論を学ぶきっかけでした。

    さまざまな立ち位置で発酵と関わる人達がいる。
    同じ材料、同じ環境、同じ瞬間で作っているのに、出来上がってみると味が違う。

    え、なんで?
    結果が違う面白さ。
    そして上手くいく人がいて、上手くいかない人がいる。
    この違いは一体なんだろう?
    そして、あらゆることを調べまくっているうちに、
    「科学視点で見ている人」、「スピリチュアル視点で見ている人」、
    「難しいことはわからないけど、昔からこのやり方だからとやっている人」。
    いくつかの立ち位置で発酵と向き合っている人がいることを知ります。


    理論を知ると再現できる

    梅シロップや、漬物。
    砂糖や、塩。
    体のためにあまり沢山使いたくない、と思うことはとても自然なことだと思うんです。

    私自身、発酵を学び始めた頃は、砂糖も塩も多く使うことはなるべく避けたいと思ってました。

    だけど、それは発酵と、食材を保存させるために必要な理論と密接であるということをその時はまだ知りませんでした。

    たとえば梅シロップを作るとき、砂糖をレシピの半量まで減らすと途端にアルコール発酵が盛んになる。

    レシピ通りに砂糖を使うとアルコール発酵はしにくくなる。この差は何か?

    漬物を作るとき、塩を減らし塩分濃度を下げる。すると減らさないレシピよりもカビが生えやすくなってしまう。

    それはなぜか?

    学びを深めていくと、全てが理論に基づいた「科学」という約束事の上に成り立っているのだという事に気が付きます。


    だから講座でも理由を伝えたい

    そもそも「発酵」という技術は、全てがサイエンスの上に成り立っていて、その理論の中で展開されていく。

    失敗しないためには、様々なリスクを排除していかなければならない。
    そのリスクとは「腐敗」であり、腐敗という結果は、発酵と真逆であるものの、かなり似ていて表裏一体。

    回避するには、発酵と同じ理屈があり、発酵をきちんと正しく理解すれば難しいことではないという事にも気が付きます。

    微生物は明治時代にその存在が明らかになったわけだけれど、発酵自体はそのずっとずっと前から技術の伝承という形で受け継がれてきた。
    それは経験値であり、正しくその方法が伝えられてきた結果だからだ。

    ワタシは自分のクラスでは
    「こうしてください」
    ではなく「なぜそうするのか」を伝えたい。

    そして、
    「どうせ食べるなら美味しいものを食べたい」
    から
    「発酵理論を知ることで美味しくなるなら取り入れない理由がない」
    へスライドしていきます。


    感覚を否定したいわけではない。
    目に見えないものも大切にしたい。

    発酵は、遠い中国から日本へ渡って来て、口頭伝承を中心に今日まで受け継がれてきているわけだけれど、
    それには「職業として携わっている職人によるベテランの感覚」というスキルが、時に理論を一蹴してしまうこともあるわけです。

    職人さん達造り手の経験値は、一朝一夕でできるものではなく、何年も技術を積み重ねて成立しています。

    ワタシは富士山麓という場所で育ったこともあって、
    自然の力や、
    言葉では説明しきれない感覚は、むしろ大切にしています。

    人とのご縁や、
    場の空気や、
    自然の持つエネルギー。

    世の中には科学では説明できない不思議なこと。
    そういうものは確実にあると思っています。

    ただ、同時に「SNSの文章」や、「ネットの動画だけで得た知識」や、「波動」や「エネルギー」という言葉だけで発酵を説明してしまったら、
    何代にもわたって技術を磨いてきた蔵元や、生産者への敬意を欠いてしまうと思うんです。

    何十年も何百年も、時に場所としても積み重ねてきた時間が味方になっているわけで、家庭内においての再現というフィールドにはその感覚を持つことはけして容易ではないのです。

    特に初心者が発酵の工程を再現するには理論が大きな助けになります。
    そして理論があってこそ、失敗したときに失敗の原因を可視化しやすくなるのです。

    だから、
    「どうせやるなら美味しく食べようぜ」
    ということの上に
    「美味しく食べるためには理論を知っておくといろんな意味でオトクだよ」
    ってことになるわけです。

    感覚も大切。
    経験も大切。
    でも、
    その背景にある仕組みも大切。
    私はその両方を大事にしたい。
    だから講座でも記事でも、
    できるだけ「なぜそうなるのか」を伝えています。


    まとめ

    発酵は難しいものではありません。

    本来なら、近所のオバちゃん達が大勢集まってわちゃわちゃとおしゃべりをしながら楽しむ。
    そんな暮らしの延長にあるものだと思っています。

    ただ、理論や理由がわかると、もっと安心して楽しめるようになります。

    家庭での発酵食品づくりに「理論」と「再現性」を取り入れることは、失敗(腐敗)を防ぎ、毎回おいしく仕上げるための大きな助けになります。

    発酵理論は、誰もが安心して、毎回おいしく発酵を楽しめるようにするための道具です。
    目分量や経験に頼りがちな家庭料理だからこそ、科学的な視点が最大の安全網になるんです。

    だから私は、理論中心・再現性重視。
    これからも、「なぜそうなるのか」を大切にしながら、発酵の面白さを伝え続けていきたいと思っています。
    それが、私が発酵を伝え続ける理由であり、発酵イズムの考え方なのです。


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    発酵講師・ライター 発酵プロデューサー 発酵食大学講師 発酵は理論中心&再現性重視派。 →難しい理論を解りやすく伝える活動をしているよ! 江戸食文化と民俗学も好物。 キャッチフレーズは 「ニッチな隙間産業」 「すぐやる課」 80-90年代邦楽ロック好きな三線弾き

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