言葉の計算機と、デジャブ
生成AIを使っていて、ときどき「あれ、これ前にもやっていたな」とデジャブを感じることがあります。
そのひとつが、「コンパイル」です。
世の中は、生成AIによる仕事の自動化の話で持ち切りです。文章を書く、資料を作る、プログラムを書く。人がやっていた仕事を、どこまでAIに任せられるのか。
そんな話題が目立ちます。
一方、私はというと、生成AIをもっぱら「言葉の計算機」として使っています。
日本語を「プログラミング」する
いま取り組んでいることのひとつが、生成AIによる「IPSレビュー」です。
自分のコミュニケーションの癖や、相手との関わり方に気づき、もっとよい対話ができるようになる。そのための自己省察をサポートする、自己成長のためのツールのようなものです。
ピアサポートにも役立つはず、と思いながら作っています。
※IPS(Intentional Peer Support)は、相互性、力関係、世界観(意味づけ)、希望などを特に深く扱う、思想的かつ実践的な方法論のひとつです。
面白いのは、Claude Codeを使っているのに、私が書いているのは、いわゆるコンピュータ言語のプログラムではないということです。
書いているのは、日本語を処理するためのプロンプト。
つまり、日本語を「プログラミング?」しているような感覚です。
フロンティアモデルのFable 5.1になってから、こうした複雑な日本語処理も、ようやくかなりスムースにできるようになりました。
ただ、困ったこともあります。
作成した日本語処理のプロンプト、というより、もはや「プログラム?」と言いたくなるようなものを、Claude Code上でFable 5.1に直接実行させると、とても賢い。
その一方で、かなり時間がかかり、コストも高い。
あっという間に利用枠を使い切ってしまうので、いまはMaxの20倍プランにして、なんとかしのいでいます。
それでも、さすがにお金がかかりすぎるので、他のツールも併用しています。
Fable 5.1で作って、Opus 4.8で試す
例えば、音声のテキスト処理には、日本語認識がかなり優秀なPlaudを使っています。
Plaudで使うテンプレート用のプロンプトも、自分で作っています。
ただし、PlaudではFable 5.1は利用できません。そこで使えるのは、比較的低コストな前世代モデル、Opus 4.8。
Fable 5.1ならうまく処理できるプロンプトでも、Opus 4.8では思ったような結果にならないことがあります。
そこで、Opus 4.8でもうまく動くように、プロンプトを調整していくことになります。
最近は、この作業にずいぶん手こずっています。
そんな作業をしていて、ふとデジャブを覚えました。
やっていることは、こんな感じです。
Claude CodeのFable 5.1でプロンプトを作る。
PlaudのOpus 4.8で実行する。
結果をダウンロードして評価する。
Fable 5.1でプロンプトを修正する。
またPlaudのOpus 4.8で実行する。
また結果を見て、Fable 5.1でプロンプトを修正する……。
これを、いくつものテストデータを使って、ぐるぐると繰り返しています。
あれ、昔と同じでは?
そして、ふと思いました。
……これって、昔やっていたことと、ほとんど同じではないか。
昔は、手作業でプログラムを書いていました。
プログラムを書く。
コンパイルする。
実行する。
結果を見る。
うまくいかなければ、プログラムを修正する。
そして、またコンパイルして実行する。
ひたすら、この繰り返しです。
いまは、プログラムの代わりに日本語のプロンプトを書いている。
コンパイルして実行する代わりに、生成AIに処理させている。
そして、出てきた「言葉」を評価して、またプロンプトを直している。
やっていることの構造は、驚くほど似ています。
数字の計算機が、言葉の計算機に代わっただけ?
コンピューターはずいぶん変わりました。
扱えるものも、数字から画像、音声、そして言葉へと広がりました。
でも、試して、結果を見て、直して、また試す。
私のやっていることは、あんまり変わっていないなぁ……。
そんなことを思いながら、今日もまたプロンプトを修正しています。

