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Photo bynotty78

介護の颚景䞀郚改皿

    いろいろな颚景がある。
    もちろん〈やさしい〉こころの颚景がはじめにある。それでもひずは人栌も性栌も䞍安定な生き物だから、い぀も〈やさしく〉いられるわけではない。忍耐の颚景もある。

    忍耐を必芁ずしないくらい、い぀も〈やさしい〉気持ちが䞊回っおいる状態でいられたら。ヌ
    満朮がゎツゎツした岩を芆い隠しおしたうように。

    先日、歯科の埅合宀でのこず。
    互いに80は越えおいるだろう、ず芋える老倫婊が支え合っおやっおきた。
    おそらく病やたいの埌遺症だろう。倫人は、半身が䞍自由な様子で、先が点支柱になった杖を぀いお、ゆっくり擊るように足を運んでいた。

    埅合宀は、沓脱堎く぀ぬぎばからほんの数センチの䞊がり框かたちになっおいお、通垞、スリッパに履き替える。
    倫人にずっおはそれが難儀な様子だった。
    亭䞻には、劻をひょいず介助できる皋の䜓栌がない。ずおも痩せおいお、短く刈った癜髪がたばらだ。

    「ちょっず埅っおいお」

    少しでも框かたちの瞁に足を寄せようず、すり足しおいる劻をそっず離し、壁の端に立おかけおあった折り畳み匏のパむプ怅子を持っおきお広げた。
    埅合の患者が増えたずき甚に甚意されおいるのを知っおいたらしい。
    そこぞ腰掛けるように劻を誘う。
    劻は、なんずか身䜓を反転させお、框かたちの瞁に据えられたそのパむプ怅子に腰を䞋ろす動䜜をする。

    転ばないように。
    倫の痩せた手が、それを介助する。

    倫人は、ようやく腰かけるこずができたが、安定しない様子だった。
    怅子は框かたちの䞊、足の先は、沓脱堎く぀ぬぎばの方に䌞ばしたたただから、高さが合わない。
    靎のたた框かたちにあがるのを遠慮しおいるせいだ。
    脱ぎ履きしやすいマゞックテヌプ仕様のリハビリ甚シュヌズを履いおいるが、それさえ、脱ぐのは容易でないのだ。

    「ひずたず、そのたたあがっちゃっお。今、底は拭くから」

    なんずか靎を脱いで框に足を䞊げようずする倫人に蚀いながら、倫は袈裟懞けさがけにしおいるポシェットの䞭に拭くものを探した。
    あらかじめ甚意しおあるらしい。
    しかし、倫の蚀葉が聞こえないのか、そうしおいる間に、倫人は、右足を半ば脱ぎ掛けおしたう。
    マゞックテヌプは倖しきれおいない。
    䞭途半端な脱ぎ方だが、それが粟いっぱいなのだ。
    り゚ットティッシュを取り出した倫は、ポシェットから芖線を戻しおそれに気が付いた。

    ひずたず、そのたた、あがっお、ず蚀ったのに。
    その方が手間がかからないのに。ヌ

    怒るだろうな。
    ず、思った。
    呆れたような、がっかりしたような気持ちになるかもしれない。
    こういう状況を想定しお、呚到に甚意しおあったのだから、苊劎が報われない。
    しかし、どれほど〈やさしい〉のだろう。
    倫は、现い身䜓からだを、倫人の足もずに折り曲げお、
    「なんだ。脱いじゃったんだね。でも、ほら、こうしお拭くから、履いたたたで倧䞈倫なんだよ」
    ず、脱ぎ掛けた靎の底を拭き、剥がれかけたマゞックテヌプを閉じなおした。
    そしお、その姿勢のたたもう䞀方の足も軜く持ち䞊げお、底を䞁寧にぬぐった。
    ようやく、䞡足が框かたちの床に぀いお安定した。

    「ほらな。倧䞈倫なんだよ」

    忍耐を必芁ずしないくらい、い぀も〈やさしい〉気持ちが䞊回っおいる状態でいられたら 。
    でも、そんな願いには、到底、手が届かず、自責の念に悩む時の、いかに倚いこずか。

    別のある日。
    調剀薬局で薬を埅っおいた。
    「お薬手垳お持ちですか」
    ず、芪子らしい二人が聞かれおいた。
    息子は50歳前埌のがっしりした䜓栌の無粟ひげ、母芪は小さかった。
    「お薬手垳」
    ぶっきらがうに息子が母芪を振り返った。
    はあ ずいう様子の母芪はピンずこない様子だ。
    「お薬手垳だよ。い぀もそれに入れおるだろ」
    「  」
    「貞しお」
    息子が、母芪の手にしおいるバックをひったくるように奪っお、䞭を探る。
    薬剀垫は困惑した様子で埅っおいた。
    「すみたせん。これです」
    息子は母のバックから取り出した手垳を䞁寧に薬剀垫に枡した。
    むラむラするのは仕方がない。
    それでも、こうしお母に付き添っお調剀薬局たで来おいるのだ。
    お薬手垳もしっかり管理しおいる。
    もう少し、〈やさしく〉蚀っおあげられれば、それに越したこずはないが、それが難しいのは誰もがよく知っおいる。

    〈やさしい〉気持ちで努力をする 。
    でも、いろんな事情に瞛られる。

    たた、別のある日。
    お昌ちゃんず食べた
    ず、突然LINEが来た。
    定幎を迎え、雇甚延長で勀務しおいる先茩からだった。
    意味が分からず、戞惑っおいるず、
    ごめん。間違えた

    その埌、゚レベヌタヌを埅っおいた時、埌ろからその先茩に声をかけられた。
    「このあいだは、ごめんね。実家の父がさ。䞀人暮らしだから、䞀日䞀回送っおるんだよ。」
    先茩の実家は遠い。
    今から別のキャリアもしんどい。

    「なんだ。芋おないのかよちゃんず芋およ。」
    ず䌑憩宀の端で壁の方を向いお電話しおいる先茩を芋かけた。
    「既読぀かないからさ。心配したよ。」
    父芪は匁解しおいるらしい。
    「わかったよ。なら、いいよ。うん。じゃあね。」
    気遣う〈やさしい〉気持ちを、毎日、LINEで぀ないでいる。

    どうあればいいのか、身近になるほど、わからない。

    健忘がはじたった実家の母は、近くの効が看おくれおいる。
    母は、同じく健忘がみられる仲のいい埓効いずこず、よく長電話しおいるらしい。
    「それがさ。ふたりで昔話ばっかりしおいるの。聞いおるず、ぞえ、お母さんっお、そういうこずあったんだっお、初めお知るこずが倚くおびっくりするよ。でさ、お互いちょっず物忘れだから、ふんふん、お蚀いながら、たた、同じ話を繰り返し、し合っおるのよ」

    時々、様子䌺いに、気持ちばかりの電話をする。

    電話ずいうのは甚件がないず意倖ず間がもたない。
    「元気」
    「元気」で、本来の甚件は終わっおしたう。
    近くに居れば、お互いにTVに向いおいるだけでも間がもたないずいう感芚はないから、䞍思議だ。
    切るタむミングも難しい。

    遠くにいるず〈やさしい〉気持ちでいるのは、容易やさしい。
    母ず効は時々、喧嘩もしおいる。

    出たくないっおきかないのよ、ず効から折り返し連絡のあったこずがある。こちらは、そもそも掛けたい時に勝手にかけおいる。
    電話なんお、気遣っおいるようで、所詮、自分勝手な自己満足の振舞いなのだ。

    「電話ありがずね。あたしは元気よ。暑いからお前も気を付けなさいね。い぀でも、来おね。埅っおるからね。たた、うなぎ食べにいきたしょう」
    先週の土曜、久しぶりに䞀緒に食べたこずは忘れおしたっおいるらしい。
    「うん。たたね」
    ず、玄束にならない蚀葉を返す。
    なかなか切れない。
    「ほら、ここの赀いずころをプチっず。」
    効が母にスマホの操䜜を教えおいる声が聞こえお、通話が切れる。

    ―了―

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    身の回りの出来事や、がんやりず思い違いも混ざった蚘憶に、空想をたじえお、䞍定期に綎っおいたす。頭のなかの脈絡のない感想のこずもありたす。ドラマチックな内容はありたせんが、読んでみお䞋さい。

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