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芋出し画像

浮気者の私

    今幎の桜は芋頃が少ない。そんな蚀葉を朝のニュヌス番組で聞いおから焊燥感に駆られおいた。
    ただでさえ瀟䌚人になっおから幎を短く感じ、地球枩暖化の圱響によっお春も短くなっおいた。そこに桜も加勢するずいうのだ。「桜が散るこずに私は 」ず蚀われたどこかの君は24時間心拍数が䞊がりっぱなしであろう。

    倏の葉みたいなカヌペットの䞊で寝癖を盎しながら私は考えおみた。桜は䟋幎通り咲いおいお時間が無いのは人間偎の意芋ではないかず。
    瀟䌚人になっおからは朝ず倜ず急いで食べたお匁圓のおかげで埗た昌䌑憩しか時間はない。残った䌑憩時間は暪になりながらお腹の䞭に入った癜米ずおかずに前日のオヌルナむトニッポンを聞かせおあげおいる。䌑日は䌑日で䌑日っぜい䌑日を過ごしおいるので䌑日は時間が無い。
    このようにできない蚀い蚳を考えるのは人間(私)の埗意技だ。桜偎からしたら雚だろうが匷颚だろうが芋頃だっお話である。
    そんなこずを考えおいたら家を出ないずいけない時間をずうに過ぎおいた。脳内の桜は䞀瞬で散り去り満開なのは遅刻の蚀い蚳。「遅刻したのは桜が悪くお~」は通甚しないので、急いで玄関を飛び出し春嵐の劂く駆けおいった。



    私の䌑日は週に2日間。ただ時代の先駆けにはなれおない。圓初その2日間は雚予報であったが前日に午埌が晎れ予報に倉わり心はルン🎶だ。
    よしっこうなったら明日は自転車に乗っお花芋をしに行こう
    職堎で倧々的に宣蚀した私だが、段々ず矩務感に倉わっおいるこずに蓋をした。

    そしお圓日の午埌私はベッドにいた。

    理由は簡単である。


    動きたくないのだ。


    朝から掗濯に掃陀、家事云々を枈たせた私をTiktokが優しく包んでくれたのだ。芋た内容は芚えおない。心が奪われるこずが浮気の定矩なら私は今たで䜕床眪を犯したのであろう。
    だが私は決心したのだ。浮気男になんかなっおたたるか
    そう意気蟌んだもののベッドずトむレの埀埩を繰り返し、倕方になっおようやく着替えを枈たせ顔ず寝癖は枈たせずチャリに跚いだ。

    昚日から厳しくなった自転車芏制はフェむクニュヌスだったのか、䞖界は䜕も倉わっおいなかったがフェむクを信じ倚摩川たで走らせた。

    倚摩川に着いた私は行先も決めないたたずりあえず走っおみた。なんでも目的地を決めたがっおいた私が迷子のようにふら぀くようになったのは、東京に䜏むようになっおからか、奜きな歌詞のせいだったかは思い出せない。
    しかし困ったものだ。走っおみおもなにも楜しくない。桜が芋えおも感情が無。川のせせらぎにもずきめかない。芋える景色がなにも楜しくないのだ。以前来た時には党おが楜しく思えお映画の䞻人公になったのに。
    その原因が分からず向かい颚で前髪ず桜ぞの執着心が吹き飛ばされた頃ふず埌ろに振り向いおみた。

    そこには僕が感動した倚摩川の自由な景色が広がっおいた。

    これだこれこれ

    たぶん口腔に溜め蟌むこずができずギリギリ吹きこがれおいたず思う。

    青すぎる空。3人で野球しおいる少幎たち。今にも溢れだしそうな氎の矅列。1人で朚刀を振るおじさん。なぜひらがななのかも分からないたた川の看板。そのどれもが魅力的だった。

    しかしなぜ振り向いただけでここたで景色が䞀倉したのか。正面ず埌方をキョロキョロしおいた私は傍から芋たら迷子だ。事実迷子ではあったが。
    そしお私は気づいた。このふた぀の違いは倪陜による光の加枛だず。すごく銬鹿な発芋だったので今これを曞いおお恥ずかしくなっおいる。
    私は逆光に向かっお走っおいたのでずっず圱を芋おいた。埌ろを振り返れば光盛れしおいたのでキレむに芋えおのであろう。MVや映画でみる構図は埌者である。
    ただ光の加枛でこうも様倉わりしおいたら景色も倧倉であろう。

    そしお私は気づいた。

    私たちが憧れおいる景色は倪陜の方角を向いおいるので絶察半目だ。絶察半目だ。半目だ。これを読んでいるかもしれないあなたがMVをみお、いい写真だなっお思っおいるあのビルや朚々、鉄塔などは半目なのである。そうおもうずあの景色たちがより䞀局の愛おしくなる。キュヌトアグレッション。メロい。胞きゅん。っおや぀だ。



    倪陜に向かっお半目で走っおる私は東京の景色になれおいるのか。乱れた前髪ず桜ぞの執着心を敎え倚摩川を逆行しおいるず、目の前に4人の小孊生がチャリで䞊列を組んでノロノロず走っおいた。本人たちは至っお真剣に挕いでいるかもしれないがノロノロだ。ただ道幅いっぱいに広がっおいるので、抜かすにも抜かせず私もノロノロしおいたら埌続チャが道を切り開いおくれたのでそれに続いお私も圌らを远い抜こうずした。接觊に気を぀けながら重いギアを䞀段䞊げペダルを螏み蟌み圌らを抜き去ろうずしたその刹那。

    誰かが倧きな声でこう叫んだ。


    「おいあの青いリュックを抜くぞ」


    道を切り開いた前方のお兄さんに目をやる。
    癜いゞャンパヌにリュックはかけおいない。


    私しかいないのだ。呚りで青いリュックをかけおいるのは。
    高校生の時に春は青だず教えおくれたあの人のせいでこういう日は党身青なのだ。たさかあの人もこの発蚀のおかげで小孊生に埌ろ指差されおいるずは思わないだろう。

    「よしきた」

    私は力いっぱい䜿っおいた脚を脱力させスピヌドを緩めた。するず呚りの景色がゆっくり芋え少幎たちの声も近くなった。
    八癟長だ。接埅ずもいう。倧人げがあるずもいうかもしれない。先週たで箱根駅䌝の小説を読んでいた圱響で競いたくお仕方がない。この際なんでもいい。倚摩川史に残る名勝負をここで繰り広げよう。

    10区の残り1キロずいうずころで私は先頭集団に远い぀き、抜き去ろうずした。しかし120%で走っおきた身䜓は至る所から悲鳎をあげおいる。みるみるうちにスピヌドが萜ち圌らの集団に取り蟌たれラストスパヌトで1䜍を争う。よしよし。こんなシナリオだろう。

    さあ、私の身䜓は限界(元気)だあずはお前らが远い぀いおデッドヒヌトを繰り広げよう

    だがどれだけ走っおも圌らは远い぀いおこない。それどころか声すらも聞こえない。
    ガス欠か恐る恐る埌ろを振り返っおみるずはるか遠くでノロノロ走っおいたのだ。さっきの速床がノロノロならノロノロノロだ。
    私はその堎で挕ぐのをやめおしたった。さっきたでの嚁勢はどこにいった。もっず楜したせおくれよ。頭の䞭で眵倒に近い゚ヌルを送りながら埅぀こずにした。

    30秒ほど経っおも远い぀かれず改めお埌ろをふりかえっおみる。

    そこに誰もいなかった。

    圌らだけがいない倚摩川の景色がひろがっおいた。

    呆然ずした。ここたで盛りあがっおいたのに。

    そこで党おのやる気を倱った私は桜ずいうゎヌルに蟿り着くこずはなく途䞭棄暩で家に垰った。

    䞀途ではないこずが浮気の定矩ならすぐ心が折れる私は浮気者だろう。


    画像
    野球堎以倖で初めお芋た看板


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