
愛で決断した日、現実が静かに動き出した話
「この選択でいいの?」と迷った日、すべてが静かに動き出した。
「このまま進んで、本当に大丈夫なのかな」
そうやって、何度も立ち止まってしまうことってありませんか?
間違えたくない。後悔したくない。大切な人に関わることなら、なおさら。
頭では考え尽くしているのに、なぜか答えだけが出ない。
私も、同じ場所でずっと立ち止まっていました。
それは、母のことでした。
「母を東京へ呼ぶべきか」
この問いを前にして、私は何度も考え直しました。
守り続けてきた実家、慣れ親しんだ土地、母が大切にしてきた日常のすべてを手放す選択をして、本当にいいのだろうか。
同時に、不安もありました。
仕事と看病を両立できるのか。最後までやりきれるのか。途中で私の心が折れてしまわないか。
考えれば考えるほど分からなくなる。
でも、あるとき気づいたんです。「正しいかどうか」で選ぼうとしている限り、この問いに終わりは来ないのかもしれない、と。
そのとき、暗闇に光が差し込むように、心の奥から「こっちだ」という弾むような直感が湧き上がりました。理由はうまく説明できないけれど、一瞬の迷いもなく即決している自分がいたのです。そのスピード感に、妙な納得感を覚えながら。
私はその感覚を信じて、動いてみることにしました。といっても、大きな決断ではなく「とりあえず一件、施設の話を聞いてみよう」という、本当に小さな一歩でした。
でも、その一歩が、流れを一気に変えたのです。
施設を訪れ、これまでの経緯や母への想いを話していると、施設長さんが少し間を置いてこう言いました。
「実は……すごいお話があります」
何を言われるのか分からず、一瞬、心臓がぎゅっと縮まったのを覚えています。
そして、次の言葉で、時間が止まりました。
その施設長さんは、母が今まさに命を預けて入院している、北関東の田舎にあるあの病院で、かつて働いていた方だったのです。
偶然とは思えませんでした。この広い東京の片隅で、遠く離れた故郷の、しかも母の“今”を知っている人に出会えるなんて。
その瞬間、全身にブワッと鳥肌が立ち、張り詰めていた糸が解けるように涙が溢れ出しました。
「ああ、大丈夫なんだ。私は最初から、ちゃんと守られている」
これから始まる看病への怖さが、言いようのない大きな安心感へと変わった瞬間でした。
あのとき私は、“正しさ”ではなく、ただ「愛」で選ぼうとしていました。そしてその選択に対して、現実が驚くほどスムーズに応えてくれたのです。
もちろん、実家を離れた母は寂しかったと思います。馴染みのない街、耳慣れない話し言葉。
だから私は、寂しい思いをさせないように毎日母のもとへ通いました。幸いにも、そこは最後の時間を過ごす緩和ケアの施設でありながら、「何を食べてもいい場所」でした。
母が元気な頃、一緒に旅して大好きになったイタリア。美味しいものをたくさん持っていくと、母は「Buono!(ボーノ)」と満面の笑顔を見せてくれました。25年間続けてきた私の美容の技術を使い、フルバージョンのマッサージを施すと、本当に気持ちよさそうに喜んでくれました。
あの決断をしたからこそ、私は私のすべてを使って、母と濃密な愛の時間を紡ぐことができたのです。

母を見送って三回忌を迎えた今、ふと、こんな言葉が心に浮かびます。
「お前の好きなように生きなさい」「あの時間を、本当にありがとう」
あのときの選択に、後悔は一ミリもありません。
もし今、あなたが何かに迷っているなら。「正解」を探すのを、少しだけやめてみてください。
代わりに、あなたの中にあるその“小さくてあたたかい感覚”に目を向けてみてください。
今日、ほんの少しだけ、その感覚に従って、小さな一歩を踏み出しみてください。
きっと、あなたの気づかないところで、世界は優しく、軽やかに回り始めます。
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プロフィール
25年の美容・接客業を経て、外見を磨く以上に大切な「心の調和」に辿り着く。生まれ持った気質や才能(潜在能力点火法・数秘)を紐解き、日々の感情の整理や自分との和解にたどり着く。自分本来の魅力や役割を発揮するサポートをしています。深く優しい智慧を、日常の心地よさに変える架け橋として。
宇宙の愛のカラクリを、これから少しずつnoteに綴っていきます。出会ってくださり、ありがとうございます。
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