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『この人、なんか安心する。』そう言われる人が、無意識にやっていること。

    あなたの周りに、

    「この人と話すと、なんだかホッとする。」

    そんな人はいますか。


    私は昔、そういう人は話が上手な人なんだと思っていました。

    でも、接客を20年続けてきて気づいたんです。

    安心感は、話術ではつくれませんでした。
    安心感は、技術ではなく『間(ま)』にあるのだと気づきました。


    売り場には、毎日たくさんのお客様が来られます。

    忙しい日ほど、みんな自然と早口になり、動きも速くなります。

    そんな中、不思議な先輩がいました。

    その人だけは、いつも同じ空気で接していたんです。

    急がない。
    慌てない。
    声を荒らげない。

    それなのに、お客様はその先輩を探して話しかけてくる。

    新人スタッフも、困ると自然と
    その人のそばへ集まっていました。

    私はずっと、不思議で仕方ありませんでした。


    ある日、忙しい時間帯に、
    お客様を少しお待たせしてしまったことがありました。

    私は焦って、

    「申し訳ありません!」

    と急いで駆け寄ろうとしました。


    でも先輩は、違いました。

    落ち着いた足取りで近づき、

    「お待たせしました。」

    そう一言だけ伝えたんです。

    たったそれだけ。

    でも、
    さっきまで少し曇っていたお客様の表情が、
    ふっとやわらぎました。

    私はその瞬間を、今でも忘れられません。


    そのとき初めて分かったんです。

    安心できる人は、
    相手を急がせない人なんだ、と。

    早く答えなくてもいい。
    すぐに解決しなくてもいい。

    ただ、
    「あなたの話をちゃんと聞いていますよ。」

    そんな空気を届けられる人は、
    それだけで誰かを安心させられる。



    昔の私は違いました。

    早く答えなきゃ。
    気の利いたことを言わなきゃ。
    沈黙をつくらないようにしなきゃ。

    そう思えば思うほど、
    自分のことで精一杯になっていました。

    今なら分かります。

    あれは相手のためではなく、
    自分の焦りだったんです。


    このことは、家庭でも同じでした。

    子どもが話しかけてきたとき。
    パートナーが疲れた顔で帰ってきたとき。

    つい答えを探してしまいます。

    でも、本当に欲しかったのは答えじゃなく、

    「そうだったんだ。」

    その一言だったりする。

    誰かに受け止めてもらえた。

    その安心感だけで、人は少し前を向けることがあります。


    これは、対面の会話に限ったことではありません。

    例えば、SNSなどの発信も同じだと思っています。

    うまく話そうとしなくていい。
    きれいな言葉を並べなくていい。

    目の前の一人に届くように話せば、
    その想いはちゃんと伝わる。

    私はそう信じています。


    接客を20年続けてきて思うことがあります。

    話し上手な人は、たくさんいます。

    でも、「あの人にまた会いたい。」

    そう思われる人は、
    決して話し上手だからではありません。

    「この人は、ちゃんと私を見てくれていた。」

    その記憶が、人の心に残るんです。


    もし今日、誰かと話す機会があるなら。

    特別な言葉は、いりません。

    最後まで話を聞いてみる。
    返事を少しだけ急がない。

    その時間が、誰かにとっての安心になるかもしれません。

    安心感は、生まれ持った才能じゃない。

    相手を大切にしたいという姿勢が、
    少しずつ育ててくれるものなんだと思います。


     
     
    【声の仕事を目指して勉強中!】 疲れた日に、少し心が軽くなる言葉を書いています。 日々の小さな気づきや、ふとした感情など 日常の中にある、言葉にならない気持ちをすくいあげて 綴っています。 共感や余白を大切に。 声の表現を学びながら、言葉と声で心に届くものを 紡いでいきます。

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