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【八麓リンク】第19話 憧れの街

    八ヶ岳南麓の、ある秋の昼下がり。 

    小淵沢の峠を一人のプロライダーが歯を食い縛り走り込んでる。
    どうやら次の大会への最終追い込み練習の様だ。

    他の下りでも別のライダー。
    今やここは有名な合宿地だ。

    少し麓の方へ目をやる。
    平屋の工場。
    響く金属加工の音。
    この音はまだ若手の削り方だ。
    大きな塊、ブルーシートが掛かってる。チラリと見える淡い緑の機械。
    どうやら搬出作業の様だ。
    青いレッカークレーン車のウィンチが唸ってる。
    見守る作業着姿の職人。

    川の近くの古民家。数年前にリフォームして新築と見違える。軒先から子供の駆け回る音が響く。
    事務所からは白熱する議論。

    公民館での体験ワークショップ、子供とその親も楽しそう。ものづくりの裾野が新たな産業として芽吹いてる。

    街の中心部、駅前の商店街。
    店前の案内板。たくさんの新築情報。
    慌てて出て行く営業マン。
    送り出す事務員さん。

    市役所の市民課、移住者が列をなして手続き待っている。待たされて少し不機嫌な若者。
    観光課の鳴り止まぬ電話。
    企画政策課には全国の自治体からの視察依頼が並ぶ。
    市役所とは思えぬ活気だ。

    土日のみならず平日も名物求めて他県ナンバーで溢れてるひまわり市場や道の駅。

    小淵沢駅、特急あずさからたくさんの降車客。
    ロータリーに列をなすタクシー。

    街の西側に立ち並ぶ精密機械工場。今や国内でも有数のパーツ工場群だ。
    高速の出口にはトラックの列。

    少し高台に潜む高級温泉宿。なかなか予約が取れない人気の宿だ。



    かつて人口減少、高齢化が進んでいたこの街。
    復活したのはここのアップダウンを利用した最適なロードコース、そしてパーツ工場、捨ててた物を再利用で飛躍した農家。
    集まる人々、新しい工場、会社。


    対して以前と変わらない物、
    豊かな自然
    温かい(ちょっと噂好き)人々
    遠くから見ている八ヶ岳


    それを見守る富士山。


    全国の自治体が、この街の名前を口にするようになったのは、いつ頃からだろうか......

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    八ヶ岳南麓で、自転車・ものづくり・地域再生をつなぐ 「八麓-HACHIROKU- LINK」を進行中。 このnoteでは、構想に関わる人々の視点を借りて、 日々の出来事を物語の形で記録しています。 登場人物の一部はフィクションです。 富士山が見てる。

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