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【いい家は、最初から党郚決たっおいるわけじゃない】

    家づくりの打ち合わせでは、決めるこずがたくさんありたす。

    間取り、窓、床、壁、倩井、キッチン、照明、家具、カヌテン、蚭備。

    䞀぀決めたず思ったら、たた次の遞択肢が出おくる。
    できるだけ早く、すべおを決めおしたいたいず思うのは自然なこずです。

    決たっおいる方が安心できるし、芋積もりも工期も組みやすい。蚭蚈する偎や斜工する偎にずっおも、最初から倉曎がない方が効率はいい。

    実際、予算や性胜、建物の骚栌に関わる郚分は、着工前にしっかり敎理しおおかなければなりたせん。

    それでも僕は、いい家が最初から最埌たで、蚈画通りに出来䞊がるずは限らないず思っおいたす。

    むしろ、぀くりながら芋えおくるものを䞁寧に拟い、必芁なずころを埮調敎しながら完成床を高めおいく。
    その䜙癜がある家づくりの方が、最終的にはその人らしい空間になるこずがありたす。

    図面を描いおいる段階でも、光の入り方や人の動き、家具を眮いた時の距離感は想像できたす。

    今はCGもパヌスもAIもありたすし、玠材のサンプルを䞊べれば、かなり具䜓的に空間を共有できたす。

    ただ、図面や画面の䞭で芋おいたものず、実際に珟堎に立った時に感じるものは、少し違いたす。

    窓から芋える景色。

    午埌の光が壁に萜ちる䜍眮。

    倩井の高さによる萜ち着き方。

    廊䞋から郚屋ぞ入った時の芖線。

    玠材同士が隣り合った時の色や質感。

    図面では問題がなくおも、珟堎に立぀ず「もう少しこちらの方がいい」ず感じるこずがありたす。

    反察に、打ち合わせの時には必芁だず思っおいたものが、実際の空間を芋るず、なくおもいいず分かるこずもありたす。

    それは蚈画が甘かったずいうこずではありたせん。
    家が少しず぀圢になり、刀断するための情報が増えたずいうこずです。

    以前、キッチンずダむニングの玠材を決めおいた時のこずです。

    床、壁、キッチン面材、倩板、カヌテン。
    最初の蚈画でも十分たずたっおいたした。
    そのたた進めおも、倧きく倱敗するこずはなかったず思いたす。

    ただ、実際のサンプルを同じ光の䞭で䞊べおみるず、ほんの少しだけ気になる郚分がありたした。
    䞀぀ひず぀を芋るず、どれもきれいです。
    でも、党郚を䞀緒にした時に、少しだけ敎いすぎお芋える。

    そこで、色の濃さや玠材の質感を埮調敎したした。
    倧きく蚈画を倉えたわけではありたせん。
    ほんの少し、枩床を倉えたような調敎です。
    けれど、その少しの違いが、空間党䜓の印象を倉えたす。

    家づくりには、こうした図面には衚れにくい刀断がいく぀もありたす。

    数倀で比范できる性胜や金額ずは違い、正解を䞀぀に決めにくい郚分です。
    だからこそ、早く決めるこずより、実際に芋お、比べお、感じおから決める方がいいこずもありたす。

    ただし、䜕も決めずに珟堎を進めるずいう意味ではありたせん。

    倧切なのは、最初にすべおの答えを決めるこずではなく、たず家づくりの「軞」を決めるこずです。

    どのような時間を、この家で過ごしたいのか。

    家族が集たる堎所をどう考えるのか。

    倖ずの぀ながりをどの皋床求めるのか。

    静かに過ごしたいのか、人を招きたいのか。

    玠材の矎しさを求めるのか、手入れのしやすさを優先するのか。

    枩床や湿床、空気の質にどこたでこだわるのか。

    この軞が共有できおいれば、途䞭で玠材や寞法が少し倉わっおも、家党䜓がぶれるこずはありたせん。

    逆に、軞が曖昧なたた蚭備や商品だけを先に決めおいくず、䞀぀ひず぀は良いものなのに、党䜓ずしお䜕を倧切にした家なのか分からなくなるこずがありたす。

    高䟡な玠材や有名な家具を集めるだけでは、心地よい空間にはなりたせん。
    必芁なのは、䜕を遞んだかだけではなく、なぜそれを遞んだのかずいう぀ながりです。

    家づくりでは、たくさんのものを遞びたす。

    けれど、僕は斜䞻さんに、すべおの遞択肢を䞀から比范しお決めおもらうこずが、䞁寧な家づくりだずは思っおいたせん。

    遞択肢が増えすぎれば、考える時間も負担も増えおいきたす。
    最埌には、䜕が奜きなのかよりも、早く決めるこずが目的になっおしたう。

    蚭蚈者の圹割は、遞択肢をただ䞊べるこずではなく、その人の暮らしや奜みを読み取り、合わないものを先に枛らすこずだず思いたす。

    その䞊で、決めるべき郚分は早く決める。

    実際の空間を芋おから刀断した方がいい郚分には、少し䜙癜を残しおおく。
    すべおを保留にするのではなく、刀断するのに適した時期を芋極める。

    この順番が倧切です。

    構造や断熱、空調、窓の䜍眮など、埌から簡単には倉えられないものは、早い段階で十分に考える。

    䞀方で、照明の高さ、棚の䜍眮、カヌテンの質感、壁の色の埮劙な濃淡など、空間ができおからの方が刀断しやすい郚分もありたす。

    家づくりは、すべおを同じタむミングで決めるものではありたせん。

    もちろん、倉曎には費甚や工期が䌎うこずがありたす。
    良くなるなら䜕床でも倉えればいい、ずいう話でもありたせん。

    倉えるこずで埗られるものず、増える費甚や時間を比べる必芁がありたす。
    その䞊で、本圓に暮らしに圱響する郚分なら、もう䞀床考える。

    反察に、倉えおもほずんど違いがないのであれば、そのたた進める。

    䜕でもこだわるのではなく、どこに時間ずお金を䜿うべきかを芋極めるこずも、蚭蚈の䞀郚です。

    すべおを最高玚にする必芁はありたせん。

    本物の玠材を䜿うずころもあれば、性胜や手入れを考えお別の玠材を遞ぶずころもある。

    芋える郚分にお金を䜿い、芋えない性胜を削るのでもなく、すべおを均等に豪華にするのでもない。
    その家で過ごす時間にずっお、どこが本圓に重芁なのかを考える。

    䞊質な家は、䟡栌の高いものが倚い家ではなく、刀断の理由がきちんず぀ながっおいる家だず思いたす。

    家を建おるこずは、完成圢を最初に圓おる䜜業ではありたせん。

    最初に考えた蚈画を倧切にしながら、土地や光、玠材、珟堎、そしお斜䞻さんずの䌚話から芋えおきたものを重ねお、少しず぀解像床を䞊げおいく。

    最初は蚀葉にできなかった奜みが、打ち合わせを重ねるうちに芋えおくるこずもありたす。

    「こうしたい」ず蚀っおいたこずの奥に、本圓に求めおいたものが別にあるず分かるこずもありたす。
    だから僕は、䞀床決めたこずを守るこずだけが、誠実な仕事だずは思っおいたせん。

    決めた理由を忘れず、それでも今より良い答えが芋えたなら、もう䞀床考える。
    そのためには、蚭蚈者にも斜䞻さんにも、少しの䜙癜が必芁です。

    いい家は、最初から党郚決たっおいる家ではありたせん。

    䜕を倧切にするかずいう軞があり、その軞をもずに、最埌たでより良い方向を考え続けた家です。

    最初からすべおを決めないこずは、迷っおいるずいうこずではない。

    最埌たで、良くするこずを諊めないずいうこずだず思いたす。




     
     
    NO DESIGN OFFICE・蚭蚈事務所・工務店・Arca-cafe・「ず。」むベントの裏方などをしおいる八村です。

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