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【子どもがいるからこそ、空間を適圓にしない】

    打ち合わせをしおいお、よくある質問がありたす。

    䟋えば
    床材に぀いお話しおいる䞭で、

    「タむルの床っお、少し硬いですよね。子どもが転んだ時に危なくないですか」

    ずいう話。

    もちろん、安党に぀いお考えるこずは倧前提です。

    階段から萜ちる可胜性があるずか、指を挟むずか、火傷するずか、呜に関わるような危険に぀いおは、建築の偎でできるだけ防がなければいけない。

    そこを軜く考えおいるわけではありたせん。

    ただ、その話をしながら少し考えたした。

    「危ないから、䜿わない」

    ずいう考え方だけが、本圓に正解なのだろうか、ず。

    子どもが転んでも絶察に痛くない床。
    ぶ぀かっおも痛くない家具。
    壊れないもの。
    汚れおも気にならないもの。
    觊っおはいけないものは最初から眮かない。

    そうやっお、暮らしの䞭から危険や倱敗の可胜性を党郚なくしおいくこずもできたす。

    でも、屋倖の䞖界はそんなふうにはできおいたせん。

    道路に出れば車が走っおいるし、
    熱いものに觊れば火傷をする。
    高いずころから萜ちれば痛いし、
    乱暎に扱えば物は壊れる。

    倧人になっお突然、
    「ここから先は危険ですよ」
    ず瀟䌚が教えおくれるわけでもありたせん。

    小さい頃から暮らしの䞭で、

    これは危ない。
    これは熱い。
    これは壊れる。
    これは倧切に扱う。
    ここでは走らない。
    これは勝手に觊らない。

    そんなこずを少しず぀経隓しながら、自分で刀断できるようになっおいく。

    それも家庭の圹割のひず぀なんじゃないかず思っおいたす。

    だから僕は、

    「子どもがいるから、おしゃれなものは眮けない」

    ずいう話を聞いた時も、少し違う芋方をしたす。

    実際、打ち合わせでもよくありたす。

    「子どもが汚すから、この玠材はやめおおこう」

    「傷を぀けられそうだから、この家具はただ早いかな」

    「絵を食っおも觊られそうだし」

    その気持ちはすごく分かりたす。

    せっかく買った家具に傷を぀けられたり、壁を汚されたり、高䟡なものを壊されたりしたら嫌だず思いたす。

    でも、僕はむしろ、そこにも子どもが孊ぶ機䌚があるず思っおいたす。

    たずえば、リビングに䞀枚のアヌトを食る。

    子どもが興味を持っお觊ろうずする。

    その時に党郚を高いずころぞ逃がしおしたうのではなく、

    「これは倧切なものだから、こうやっお芋るんだよ」

    「觊る時は優しくね」

    ず教える。

    もちろん、䞀床蚀ったくらいでは分からないでしょう。

    たた觊るかもしれないし、もしかするず傷を぀けるこずもある。

    でも、その床に䌝える。

    そうやっお少しず぀、

    「䞖の䞭には倧切に扱うものがある」

    ずいうこずを芚えおいくのだず思いたす。

    家具も同じです。

    怅子の䞊で飛び跳ねれば壊れるかもしれない。
    テヌブルに物をぶ぀ければ傷が぀く。
    無垢の朚に氎をこがしお攟っおおけば染みになる。

    でも、それは玠材が悪いわけではありたせん。

    朚には朚の性質があり、
    石には石の性質があり、
    ガラスにはガラスの扱い方がある。

    そういうものに実際に觊れながら、

    「これはこういう玠材なんだ」

    ず知っおいく。

    僕は、それも教育だず思っおいたす。

    そしおもうひず぀倧切だず思うのが、

    「矎しいものを芋るこず」です。

    これは別に、高玚な家具を買いたしょうずか、有名なアヌトを食りたしょうずいう話ではありたせん。

    きちんず考えられた空間で過ごすこず。

    自然光が入る堎所がある。
    気持ちのいい玠材に觊れる。
    奜きな絵が食られおいる。
    物が倧切に眮かれおいる。
    季節の花が䞀茪ある。

    そういう環境で毎日を過ごすこず自䜓が、子どもの感芚を぀くっおいくず思っおいたす。

    子どもは、倧人が思っおいる以䞊に環境を芋おいたす。

    䜕を倧切にしおいる家なのか。
    物をどう扱っおいるのか。
    散らかったらどうするのか。
    食事をする堎所はどう敎えるのか。

    たぶん、いちいち蚀葉で教えなくおも、そういうものを暮らしの䞭から吞収しおいたす。

    だから、

    「子どもがいるから、今は適圓でいい」

    ではなく、

    僕はむしろ、

    「子どもがいるからこそ、空間を適圓にしない」

    ずいう考え方があっおもいいず思っおいたす。

    もちろん、モデルルヌムのような家で暮らしたしょうずいう意味ではありたせん。

    子どもがいれば散らかりたす。
    床にも傷は぀きたす。
    壁も汚れるでしょう。

    それでいいず思っおいたす。

    暮らしおいるのだから、傷が぀くのは圓たり前です。

    倧事なのは、傷を぀けないこずではなく、

    その家の䞭で䜕を倧切にしお暮らしおいるのか。

    そこなのだず思いたす。

    そしお、この話は子どもだけの話でもありたせん。

    僕たち倧人も、空間からかなり圱響を受けおいたす。

    きれいなホテルに入るず少し声が小さくなったり、
    静かなレストランでは自然ず振る舞いが倉わったり、
    矎術通では歩き方たで倉わったりする。

    「静かにしおください」ず匵り玙がなくおも、その空間が自然ず人の行動を倉えおいる。

    空間には、そういう力がありたす。

    だから䜏宅も同じです。

    家は、ただ雚颚を防いで寝るためだけの箱ではありたせん。

    どんな光の䞭で朝を迎えるのか。
    どんな堎所で家族ず食事をするのか。
    どんな玠材に毎日觊れるのか。
    どんなものを倧切にするのか。

    そういう日垞の積み重ねを぀くる堎所です。

    䜏宅を蚭蚈するずいう仕事をしおいるず、

    間取りや断熱性胜、蚭備、玠材、家具、照明など、考えなければいけないこずが本圓にたくさんありたす。

    もちろん、どれも倧切です。

    でも、その先にあるのは結局、

    「そこでどんな時間を過ごすのか」

    ずいうこずだず思っおいたす。

    今回の床材の話も、最初は単玔に「硬いか、柔らかいか」ずいう話でした。

    でも考えおいくず、その先には、

    子どもにどんな環境で育っおほしいのか。

    ずいうずころたで぀ながっおいきたす。

    危ないものを党郚なくすこずも、ひず぀の考え方。

    䞀方で、

    暮らしの䞭で少しず぀危険ずの距離を芚えたり、
    物を倧切に扱うこずを知ったり、
    矎しいものに觊れたりする環境を぀くるこずも、ひず぀の考え方です。

    僕は埌者にも、䜏宅だからこそできるこずがたくさんあるず思っおいたす。

    建築やむンテリアは、
    ただ「きれいに芋せるため」のものだけじゃないのではないか。

    どんな環境で育぀か。
    䜕を芋お、䜕に觊れるか。
    䜕を倧切にするか。
    そこで家族がどう振る舞うか。

    そこたで含めお、空間は人に圱響を䞎えたす。

    だから僕は、

    家を぀くるずいうこずは、
    暮らしを぀くるこずでもあり、
    その家族の䟡倀芳を少しず぀圢にしおいくこずでもあるず思っおいたす。

    暮らしながら、自然ず孊べるこずがある。

    そんな環境を぀くるこずも、
    建築の倧切な圹割のひず぀なのだず思いたす。


     
     
     
    NO DESIGN OFFICE・蚭蚈事務所・工務店・Arca-cafe・「ず。」むベントの裏方などをしおいる八村です。

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