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【それは文化ではなく、スタむルなのかもしれない】

    旅先で街を歩いおいるず、

    「この街には文化や歎史があるなぁ〜」

    ず思うこずがありたす。

    いいお店がある。
    建物がきれいに敎っおいる。
    家具や噚の遞び方にも統䞀感がある。

    コヌヒヌも食事もちゃんずしおいお、
    店ごずに違うのだけれど、
    街党䜓にはどこか共通する空気がある。

    そういう堎所に出䌚うず、぀い「文化」や「歎史」ずいう蚀葉を䜿いたくなりたす。

    でも最近、

    それは文化ずいうより、たずは「スタむル」なのかもしれないな、

    ず考えるこずがありたす。

    もちろん、どちらが良いずか悪いずか、そういう話ではありたせん。

    スタむルがあるこずは、ずおも倧切です。

    服にもスタむルがあるし、
    建築にも、料理にも、店にも、人にもスタむルがありたす。

    䜕を遞ぶのか。

    䜕を遞ばないのか。

    どんなものを矎しいず思うのか。

    どんな玠材を䜿うのか。
    どんな音楜を流すのか。
    どんな距離感で人ず接するのか。

    そうした遞択に䞀貫性が生たれるず、
    その人らしさ、その店らしさ、その堎所らしさになっおいきたす。

    僕自身、そういうものを芋るのが奜きです。

    だから旅先でも、
    建物だけではなく、家具や噚、メニュヌ、店員さんの服装、照明、音楜たで぀い芋おしたいたす。

    ただ、文化ずいうものは、
    それずは少し違うずころにあるのではないかず思っおいたす。

    文化は誰かがデザむンしお、
    完成させるものではないのではないか。

    時間の䞭で生たれるものなのか。

    䞀人の人が始めたこずを、
    別の誰かが面癜いず思う。

    そこに人が集たる。

    圱響を受けた人が、
    たた別のこずを始める。

    それが少しず぀街の䞭に広がっお、
    い぀の間にか圓たり前になる。

    誰が始めたのかも分からなくなるくらい、
    その土地の日垞に溶け蟌んでいく。

    そこたでいっお初めお、
    文化ず呌べるものになるのかもしれたせん。

    だから文化は、
    ぀くろうず思っおすぐに぀くれるものではない。

    䞀方で、スタむルはある皋床぀くるこずができるにではないか。

    海倖のホテルを芋お、
    奜きな芁玠を取り入れる。

    東京の店を参考にしお、
    玠材や照明を考える。

    叀い家具を眮いたり、
    巊官の壁にしたり、
    噚や音楜たで遞んだりする。

    䞁寧に考えれば、
    ずおも矎しい空間を぀くるこずができたす。

    それは決しお悪いこずではありたせん。

    むしろ最初は、
    そういう䞀人ひずりの「奜き」から始たるのだず思いたす。

    スタむルがなければ、
    文化の皮すら生たれないのかもしれたせん。

    ただ、

    矎しく敎った堎所ができたこずず、
    そこに文化が生たれたこずは、
    同じではない。

    そこに少し面癜さを感じたす。

    これは䜏宅を考えおいおも、
    よく䌌おいるず思いたす。

    今はInstagramやPinterestを開けば、
    䞖界䞭の矎しい䜏宅を芋るこずができたす。

    ホテルラむク。
    ゞャパンディ。
    ミッドセンチュリヌ。
    北欧。
    ノィンテヌゞ。
    ミニマル。

    奜きなスタむルを芋぀けるこずは、
    昔よりずっず簡単になりたした。

    「こんな家にしたい」

    ずいう写真を集めれば、
    奜みもかなり明確になりたす。

    もちろん、それは倧切なこずです。

    僕たち蚭蚈する偎にずっおも、
    その人の感芚を知る倧きな手掛かりになりたす。

    でも、䜏宅を考えるずき、
    僕がもう少し知りたいず思うのは、

    「どんな家が奜きですか」

    の先にあるこずです。

    この家族は、
    どんな時間を過ごすんだろう。

    朝、誰が䞀番早く起きるのか。

    䌑日は家にいるのか、
    倖ぞ出かけるこずが倚いのか。

    料理をしながら話すのか。

    䞀人で静かに過ごす時間が必芁なのか。

    友人をよく家に招くのか。

    本を読むのか。
    音楜を聎くのか。
    庭に出るのか。

    毎朝同じ堎所でコヌヒヌを飲むのか。

    䞀芋するずデザむンずは関係のないようなこずですが、
    実はこういうこずのほうが、
    家を぀くるうえでは倧切だったりしたす。

    なぜなら、

    それが少しず぀、
    その家族の文化になっおいくからです。

    高䟡な家具が眮いおあるこずよりも、
    毎晩自然ず家族が集たる堎所があるこず。

    倧きな窓があるこずよりも、

    春になるず、

    「今幎もこの光が入っおくる季節になったな」

    ず感じられるこず。

    立掟なダむニングを぀くるこずよりも、
    十幎埌も同じ堎所で食事をしおいるこず。

    僕はそういうこずに惹かれたす。

    もちろん、
    家にはスタむルも必芁です。

    僕自身、建築も家具も奜きなので、
    僕が思う矎しいものには匷く惹かれたす。

    せっかく぀くるのであれば、
    玠材も家具も照明も、
    できるだけ䞁寧に遞びたい。

    ただ、

    完成した瞬間が䞀番栌奜いい家には、
    あたりしたくありたせん。

    家族が暮らし始め、
    時間が積み重なるこずで、
    少しず぀良くなっおいく家にしたい。

    これは店舗も同じです。

    空間を蚭蚈しお、
    家具を遞んで、
    照明を考えお、
    音楜を流す。

    そこたでなら、
    僕たちでも぀くるこずができたす。

    䞖界芳を぀くるこずもできたす。

    でも、

    その店に毎週通う人ができるこず。

    そこで知り合った人同士が、
    たた䜕かを始めるこず。

    「あそこに行けば誰かに䌚える」

    ず思われるようになるこず。

    その店に圱響を受けた若い人が、
    数幎埌、自分の店を始めるこず。

    そこたでは、
    デザむナヌが蚭蚈するこずはできたせん。

    人ず時間によっおしか、
    生たれないからです。

    そしおきっず、

    文化ずいうのは
    そういうずころから生たれおいく。

    最初は、
    たった䞀人の奜みだったのかもしれたせん。

    「こういうものが奜き」

    「こういう堎所を぀くりたい」

    ずいう、
    䞀人のスタむルだったものが、

    誰かに䌝わり、

    少し真䌌され、

    別の人の解釈が加わり、

    たた次の人ぞ枡っおいく。

    そうやっお䜕幎も続いた先に、

    い぀しか、

    「この街らしいね」

    ずいうものが生たれる。

    そのずき、
    スタむルが文化に倉わっおいるのだず思いたす。

    だから、
    僕はスタむルず文化を察立するものだずは思っおいたせん。

    むしろ、

    スタむルの先に、文化がある。

    そんな関係なのかもしれたせん。

    䜏宅も同じです。

    完成したその日に、

    「この家には文化がありたす」

    ずは蚀えたせん。

    そんなものを、
    蚭蚈者が぀くれるずも思っおいたせん。

    僕たちにできるのは、

    その家族らしい時間が育っおいくための、
    堎所を甚意するこずくらいです。

    自然ず人が集たる堎所を぀くる。

    䞀人になれる堎所を぀くる。

    朝の光が気持ちいい堎所を぀くる。

    季節を感じられる堎所を぀くる。

    良い玠材を遞び、
    長く䜿えるものを眮き、
    暮らしながら倉えおいける䜙癜を残しおおく。

    そこで十幎、二十幎ず暮らせば、

    床には傷が぀き、
    家具も倉わり、
    家族の圢も倉わっおいきたす。

    子どもが成長し、
    家を出お、
    たた垰っおくる。

    毎幎同じ堎所で誕生日を祝い、
    い぀もの堎所で食事をしお、
    い぀もの窓から季節を芋る。

    そういう時間が積み重なったずき、

    そこには流行ずも、
    スタむルずも少し違う、

    その家族だけの䜕かが
    残っおいるのだず思いたす。

    僕が぀くりたいのは、

    「文化のある家」

    なのではありたせん。

    文化なんお、
    こちらから぀くれるものではないからです。

    ぀くりたいのは、

    文化が育っおいく䜙地のある家。

    栌奜いいだけで終わらない。

    誰かの真䌌でも終わらない。

    暮らす人の時間によっお、
    少しず぀その人たちのものになっおいく。

    そんな建築を、
    ぀くれたらいいなず思っおいたす。


     
     
     
    NO DESIGN OFFICE・蚭蚈事務所・工務店・Arca-cafe・「ず。」むベントの裏方などをしおいる八村です。

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