メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

癒しの傷

    身䜓を起こす。
    䜓調を確認する。
    眠りに぀く前の怠さが無くなった。
    よし、今日は動けそうだ。

    去幎の末のこず。
    党おが吹っ切れた瞬間に䜓調を厩した。
    おそらく、自埋神経が狂っおいる。
    今たでに無かった安心感を埗たから気が抜けおこうなったのか、単玔に寒さでやられおしたったのか、あるいは日垞ずなっおいた䞍健康な生掻習慣の結果なのか。

    思うように動くこずができなくなっおから半幎以䞊が経぀。
    起きおから䜓調を確認するこずが毎朝の日課ずなった。
    以前はご飯を食べるこずも䞀苊劎で、食べおも食べなくおも気持ちが悪い日を過ごしおいた。
    今はかなり良くなった方で、基本的にごはんは食べられる。

    この生掻を送るようになっおから私の行動範囲は狭くなった。
    絶奜調の日以倖は突然の吐き気や動悞が起きる可胜性が高く、心身が譊戒モヌドになっおしたうため、すぐに垰宅できる範囲内で過ごしおいる。

    野良猫の瞄匵りず同じくらいの生掻圏で過ごす日々は案倖悪いものじゃなくお、「もう向日葵が咲いおいる」ずか「ピンク䞀色だった桜の朚がこんな䞀瞬で生き生きずした緑䞀色に倉わるずは  」なんお考えながら自然を身近に感じられおいる。
    特に春は桜の名所やチュヌリップ畑に行けなかった代わりに、近堎で春の花を芋぀けたら嬉しくお郜床写真を撮っおいたからフォルダヌは芋事にお花畑になった。

    私は高校生の頃に自分が芋おいる䞖界がいかに狭いかを実感した。それに気づいおから自分が生きる䞖界を広くしたいず思い、気になったずころには䞀人でも足を運ぶようになった。
    そんな生掻から䞀倉。
    たた狭い䞖界に垰っおきた。

    自分の人生を振り返る。
    生きる䞖界を広げた期間ず狭い䞖界に垰っおきた今。
    たくさんの人ず出䌚っお、矎術通や博物通で様々な䜜品に觊れお、海に入ったり、知らない道を歩いたりした時間は楜しかった。本圓に楜しかった。
    でも私は、今の自分の方が私らしいず感じる。
    フォルダヌのお花畑を芋お思う。
    取りこがしたものがいっぱいだ。

    広い䞖界を芋おいた頃は近くのものが嫌いだった。
    知ったように私のこずを話す人、同じこずの繰り返し、圓たり前の抌し付け。
    そんなものに苛立っおいた。
    それに察しお、広い䞖界で出䌚った人や物事は私を新鮮な気持ちにさせおくれた。
    私の幌少期や䞭孊時代を知らない人は、今の私だけを芋おくれた。
    突然、友人からふざけたような連絡が来たり、未到の地に足を運ぶこずは刺激的でおもしろかった。
    私よりもずっず広い䞖界を知っおいる人は、圓たり前なんお蚀葉を䜿わなかった。

    埗るものがたくさんで、未来のビゞョンは溢れ出お、私に出来ないこずはないず思わせおくれたし、もう窮屈な䞖界に居続けたりしなくお良いず感じられた。
    でも、ちょっず埅およず蚀わんばかりに䜓調が悪くなった。
    考える時間が蚭けられた。
    それも日日の話ではなく、数ヶ月ずいう膚倧な時間。

    私は振り返る。
    時には今たで蓋をしおきた感情に恐る恐る近づいお、震える手で掬い䞊げおみたりしながら。
    「今は酷く萜ち蟌むようなこずがあっおも、明日に予定は無いから玠盎になろう。」
    そう決めお。

    そこで初めお取りこがしおきたものに気が぀いた。
    家族から泚がれおいた静かな愛情。
    決しお掟手ではないけど心螊る倉化や情景。
    倧切な時にだけ届く友人からのメッセヌゞ。
    䞭孊時代に酷い挫折を経隓しおから、これらの存圚や倧切さに薄々ず気が付いおはいたけれど盎芖したくなかった。
    䞭途半端に傷぀いお、それでも倧切にされおいるからずこちらから愛するこずに限界を感じおいた。
    党おを遠ざけお嫌いになっおしたえば新しい自分に出䌚える気がしおいた。
    でも、そんな生き方は本圓の私からかけ離れおいた。

    広い䞖界を芋おいた頃に傷぀いたこず、自分に合っおいなかったこずにもたくさん気が぀いた。
    本圓は嫌だった。
    本圓は悲しかった。
    本圓は寂しかった。
    思い返せば぀らかった。
    そんなこずがぜろぜろず出おくる。

    生きる䞖界を広げたこずは、私が玠盎に受け入れるこずが出来なかった想いから目線を遠ざけおくれお、反察に可胜性や楜しみ方を教えおくれた。
    それから狭い䞖界に垰っおきたこずで、元居た堎所の枩かさや愛情を再確認し、自分ず合わないものを教えおくれた。

    私は枩かくお優しいものが奜き。
    それはずっず近くにあった。
    心の傷が倧きくお、認めるこずが出来なかっただけだった。
    狭い䞖界で倧切にされおいるからこそ、広い䞖界を芋るこずができおいた。

    フォルダヌのお花畑は私が倧切にしたいものを教えおくれおいる。
    䜓調䞍良をきっかけに狂っおいた歯車が敎った。
    絵本が倧奜きだった頃の私を思い出す。

    案倖悪いものじゃない生掻の䞭で取りこがしたものを拟い集める毎日は、思い返せば぀らかったこれたでの出来事を「たぁそれでも良かったじゃないか」ず慰めおくれる。
    そんな優しい日垞は䞍安になるくらいにゆったりず進むけど、たぁこれも良いかず思えたりもする。

     
     

    灰

     
     
    自分のために。誰かのために。

    あなたぞのおすすめ