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『推しの子』懸想文

    星トラ子

    推しの子、結構話題になっていますよね。素直にめっちゃ面白い。メディアが煽っても、みんなが面白いって言う話はだいたい面白いんだよなぁ。
    ただのファンがどの目線で、どの口が言うかって話なのですが戦略的で構成が素晴らしすぎてガチで号泣したので愛を叫んでみました。

    今回はまだ完結してない話なので起承転結は置いといて、主に戦略的キャラクーの生み出し方がすごいと思った点を勝手に語ります。めちゃくちゃ流行に乗り、ターゲット層に刺さる設定にしてあるよねコレ!すご!

    まず、流行の転生モノね。アイの子供のルビーとアクアは前世でアイの圧倒的ファンだった。アクアは殺され、ルビーは病死。無念の中死んだ二人が、人生やり直すために転生した先が推しのアイドルの子供。

    この設定がもう、読者を引き込んでる。感情を投影できる魅力的なキャラクターになってて、更に男女の双子ということで男子も女子も取り込もうとしている。すげぇ、すげぇよ!ヲタクは男女の双子とか大好物だし人気出ない訳ないじゃん!

    更にヲタクホイホイ設定は多くちりばめられている。

    • アイのカリスマ的なアイドルとしての才能。特別とか天才とか、溢れんばかりの才能

    • ルビーの母親ゆずりの天性のアイドルの才能。アイドルという職業にひたむきで純粋な性格。

    • アクアの静かなる復讐心、母親の死を通じて芸能界の闇を暴こうという正義感。にもかかわらず時折見せるガチドルオタの二面性ギャップ。

    • 有馬 かなの劣等感、演技のために並々ならぬ努力が出来る性格。ひねくれてるのに一生懸命。アクアへの嫉妬→からの愛情への変化。

    • めむちょの家族のために夢を諦めた背景、そして何歳になって夢を諦めない心

    こんなにヲタクホイホイな設定、考えられるなんてプロってすげぇ(号泣)どのキャラクターでも誰かに刺さりそうな設定ばかりじゃん。もうすげぇしか出てこないよ(号泣)
    魅力なキャラクターの作り方の例として、ひとつ闇を投入するってがあるだけれどそれもあって、もう完璧!

    最近、私はつくづく思い知ったのです。どんなに良い作品を作っても、需要に答えなければ生業としてはやっていけない。自分の想いを偽ってまで、文章を売りたくない、その気持ちも本物。でも良くも悪くも、人に届ける、生業としてやっていくためには『戦略』が必要だ。

    その一番はやい、素人でも簡単に出来る戦略って何か知ってる?それは炎上。
    炎上は儲かるよ、正直。人を燃やして動かす原動力にする。週刊誌がスクープネタばかり狙うのは儲かるから。悲惨な事件事故のヤフコメ見て。その数は注目の証。儲かる証拠。だから、どんどん過激になって、迷惑系YouTuberや炎上ブロガーなんてのが誕生してしまった。因果な商売だね。でも何者でもない、フツーどころか社会不適合者の人間が莫大なお金を稼ぐためには、この手は有効。どんなに綺麗事を並べても、現時点で出来るひとつの戦略なのだ。

    話を戻すが、そうやってメディアは戦略を元に作品を作っている。推しの子も、非常に戦略的。ヒットするべくヒットした作品だろうな。恋愛リアリティショー編は特に、意図せず『炎上』して更に注目を集めたけど。世間を動かすってこういうことなのかな。

    更に、この作品の壮大なテーマは『嘘と本音』だろうな。アイはマジモンの嘘吐きだってセリフもあるし、主題歌であるYOASOBIの『アイドル』でもそんな感じの歌詞がある。そして、全てのキャラクターが嘘を付いている。というか、世の中の人間全てが大なり小なり嘘をついて生きている。その嘘と向き合うのもテーマなのだと感じる。

    みんな大好き裏表のある人間。刺さる要素しか無くね?人生騙し合い、本音ネットと嘘リアルでの生きざま。見ればみるほど、現代人に向けた作品だな~

    推理要素、恋愛要素、そしてキャラクターたちの成長物語。全部乗せラーメンかよ!こんなに山盛り乗せてるのに、ごっちゃごちゃになってない。伏線張り巡らせる王道。戦略ってすごいね!めちゃくちゃ考えて、生み出しだ作品なんだろうな…。赤坂アカ氏、横槍メンゴ氏二人の才能に脱帽!

    そして、きっと編集さんやなど、想像している以上にたくさんの人がこの作品をより良いものにしようと一生懸命になっている。それが見える。じゃなきゃ、こんなに人を動かせる作品にならない。それぞれが目の前の自分の仕事に全力投球し、プロの仕事をしている…それを想像するだけで号泣しそう。

    して、私がどこでガチ号泣したかという話なのだが、B小町の初ライブでの有馬かな、ね!アクアに対して真っ白に染め上げてみせるって恋心自覚するところ。コレ、私大好物です(号泣)

    そもそも有馬かなって才能あるのに、色々恵まれずに劣等感ばかり育っちゃった元子役。事務所やマネージャーだけでなく、母親にも期待されず、それでも頑張ろうと芸能界で藻掻くその健気な姿が本当に好き。

    親譲りの純粋なアイドルの才能の持ち主のルビーを見て劣等感を持ち、ユーチューバーで有名なめむちょのライブ会場のサイリウム(黄色)の色を見てやっぱり劣等感を持ち。自分のカラー(白)が無いことに絶望して、やっぱり自分なんてって卑下する、その時にアクアが3本のサイリウムで本気のヲタ芸で応援する素振りを見て、感情が動いたあの瞬間。

    すきいいいいいい!!!!!

    あの瞬間、有馬かなはわかったんだ。アクアが自分を見てくれていることを。今まで誰かに認めて欲しくて頑張って、それがやっと叶った。過去の子役の自分じゃない、『今の自分』を認めて、見てくれていることに気づいた。だから自分の推しカラーの白色に染め上げるって、素直に恋心を自覚することができた。

    恋に落ちるには完璧すぎるでしょう。人は、たった一人でも自分を認めてくれる相手に恋心を抱くんだな。恋って本当にいいな。恋したい。



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    36歳プロ社畜。腰痛と四十肩。欲しいもの余白。 ダークファンタジーと恋愛、時々ホラー。 第三期サンクチュアリ出版正直レビュアー♡ 創作大賞2025中間選考通過/エブリスタRising Star選出/カクヨムコン11中間選考通過

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