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マネ×ゴト Vol.3 - ふりかえり

    最近気づいたことのひとつに、自分以外の人に話をすることと、自分自身で決めた一定の評価軸を持ってふりかえりをすることは、自分を非線形に成長させる(少なくとも、変化させる)というのがあります。ふりかえりを毎週、一定の評価軸で積み重ねることで、直線ではなく螺旋を描くように、気づきが深まり、視点が変化し、自分自身の成長が予想外の方向にも広がっていくように感じているのです。

    きょうは、そんなふりかえりについて、今の私が考えていることをお話ししたいと思います。

    過去は変えられない。でも、意味は変えられる

    ふりかえりについて考えるとき、よく思い出すのが「過去は変えられないけれど、過去の意味は変えられる」という言葉です。たとえば、ある失敗をしたとき、「あれが自分の人生を狂わせた」と思えばその通りの意味になりますし、「あれがあったからこそ今の自分がある」と思えば、またまったく違った意味になるのです。ふりかえることを、未来に向けて、自分の過去に新しい意味を与える行為だととらえることはできます。

    私自身、社会人になりたてであったインターネット普及期にめざしていたのはプログラマーでした。プログラムを書ける人はモノを作れる人であり、そうなれたらいいなと思っていたのです。しかし、その夢は割と早い段階で「挫折」します。その後私がひとたびたどりついたのは、テクニカルサポートエンジニアでした。プログラムを書ける人とも、ビジネスを描ける人とも、顧客とも話をして、その場面における最良の気づきを共に見つけることができるのが、私が感じているテクニカルサポートエンジニアの醍醐味なのですが、これは、プログラマーとしての経験と、プリセールスとしての経験と、その他幅広く身につけることができた知識や知見があってのことでした。そして、それは「過去の意味を変えることができた」からこそたどりついた場所でした。

    過去の意味を変えることができる人は、未来を変えることもできるのではないでしょうか。

    ふりかえりは、習慣から始まる

    とはいえ、ふりかえりが大切だと頭で分かっていても、なかなか続けるのは難しいものです。だからこそ、まずは「習慣」にしてしまうのが大切です。たとえば、毎週末に10分だけ時間をとって、「今週よかったこと・うまくいかなかったこと・気づいたこと」を書き出すだけでも十分です。

    ふりかえりが習慣になってきたら、次は仕組みにしていきます。たとえば、自分の目標や行動指針をどこかに書いておいて、それと照らし合わせながら「どこがズレていたかな?」と確認してみる。あるいは、KPT法(Keep・Problem・Try)を使って、よかったこと・課題・次に試したいことを整理してみる。

    そうやって、「自分のふりかえりパターン」を作っておくと、続けやすくなりますし、行動も少しずつ変わっていきます。「いままでの自分だったらこうしていたが、いまの自分だったらこうする」ふりかえりの効果が実感できるようになるとき、それは「変化」を感じられるときです。

    実際、いまの私自身のnoteは、業務での気づきを業務以外にも応用して、「自分のふりかえりパターン」を少しずつつくり、「変化」を感じられるようにするために続けています。業務上の機密事項などが分かるようなことをこのnoteに書くわけにはいきませんから、ある程度は手戻りが発生してしまいます。ですがやがて、扱う「データ」は分離されてはいても、行動そのものは統合された状態になるでしょう。そうして人生そのものに「変化」や「成長」といったものが現れてくることを、少なくとも期待はして、取り組んでいます。

    過去に敬意を払いながら、未来をつくる

    ふりかえりとは、過去を否定することではなく、過去に敬意を払うことでもあります。たとえ失敗の多い道だったとしても、そこを通ってきた自分がいるからこそ、今の自分がある。だからこそ、「なぜ、あのときそうしたのか?」を丁寧に考える。そして、「次はどうしたいか?」を静かに決める。

    実は、過去に敬意を払うことは、過去の意味をいい方向に変えるための前提でもあります。

    ソフトウェアプロダクトの世界では技術的負債という言葉があります。「負債」というと「過去から引きずる悪いもの」というイメージを持ちがちですが、それはチャンスを逃さず成果を残すためにあえて、自分がいま至らないところがあったとしてもそれはあとで支払う、そう決めたものでもあるわけです。ですから、あえて選択したその過去あってこその現在であり、描ける未来でもあるのです。過去に敬意を払えないということは、最終的には過去を全部否定することにもつながりますから、実際にはもっと膨大なコストを支払うことにもなりかねないのです。

    もちろん、「負債を帳消しにする」という選択も、時にはあります。しかし、「負債を返済する」か「負債を帳消しにする」かは、本来比較して選択すべきものです。過去に敬意を払えなければ正しく選択ができませんし、過去に敬意を払うというのは、ふりかえりができてこそできることです。

    過去と向き合うことは、未来を変える力になる。そう信じて、今日も私は自分なりの「ふりかえり」を続けています。ですから、きょうはこのように書いて、文章を締めたいと思います。

    ふりかえりは、過去と未来をつなぐ、意思ある対話である。

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    h12o

     
     
    1975年東京生まれ、武蔵野在住。セキュリティエンジニア。剣道三段。プロテスタントのクリスチャン。Mastodon.Tokyo管理人。本や仕事、AI、信仰について、考えたことを言葉にしています。流行よりも、自分が納得できる文章を書きたいと思っています。投稿はすべて個人の見解です。

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